ヨンイのビニールがさ の商品レビュー
雨の日、学校の前で傘もない物乞いのおじいさんを見かけたヨンイ。男子どもがはやすのに気圧されいったんは登校したけど、気になって休み時間に眠っているおじいさんに自分のビニール傘をさしかけてあげたヨンイ。帰りには晴れた道端にたたんだビニール傘が置いてあったという心温まるお話。 ヨンイが...
雨の日、学校の前で傘もない物乞いのおじいさんを見かけたヨンイ。男子どもがはやすのに気圧されいったんは登校したけど、気になって休み時間に眠っているおじいさんに自分のビニール傘をさしかけてあげたヨンイ。帰りには晴れた道端にたたんだビニール傘が置いてあったという心温まるお話。 ヨンイがおじいさんにビニール傘をさしかけてるところで、そのものの絵を描かずに水たまりに映ったそれらしき様子を描いているのが心にくい。傘を置いていったおじいさんもいいし、それに対して「おじいちゃんが もっていってくれても よかったのに……」とつぶやいたヨンイもすてき。
Posted by
静かな優しさが漂う本。 まだ貧しい人の多かった昔の韓国。ある雨の日、舗装されていない道の脇に座り込むホームレスのおじいさん。小学生のヨンイは、学校を抜け出して自分の傘をあげに、朝見かけたおじいさんのもとに向かう。 ホームレスを煙たがる大人、からかってバカにする子供、彼らとは違う心...
静かな優しさが漂う本。 まだ貧しい人の多かった昔の韓国。ある雨の日、舗装されていない道の脇に座り込むホームレスのおじいさん。小学生のヨンイは、学校を抜け出して自分の傘をあげに、朝見かけたおじいさんのもとに向かう。 ホームレスを煙たがる大人、からかってバカにする子供、彼らとは違う心でおじいさんを見ていた少女、少女の優しさをそっと受け止めただろう老人。 周りの目から隠れてそっとおじいさんに傘をさしかける、弱いけれど強い優しさをもつヨンイに心を動かされます。 絵も素敵です。おじいさんの表情はわからず、かわりにおじいさんの視界が描かれているのも好きです。 優しい人でありたい、そう思わせてくれる本です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今日は、朝から雨。 例年よりも早く近畿地方も梅雨入りしたようである。 韓国の絵本。 月曜日の朝、学校へ行く道でヨンイはコンクリートの塀にもたれて眠っているかのようなおじいさんをみかけた。 横のへしゃげた空き缶からは、じゃぶじゃぶと雨水があふれている。 文房具屋のおばさんは、朝っぱらからなんでうちの前に…げんのわるいと文句を言い、いたずらっ子はこづいて通りすぎる。 いったん学校へ行ったヨンイは、始業前の朝の自習のあとビニール傘をおじいさんのうえにさしかけた。 午後、青空、おじいさんの姿はなくきちんとたたまれたビニール傘だけがまっすぐ塀に立てかけられていた。 ヨンイの優しさと勇気、おじいさんのヨンイへの思いが、心に沁みる。 直線で白く棒のように落ちている雨。 地面を叩きつける音まで聞こえてくるような絵である。 とても激しく降っているであろうことがよくわかる。 どんなに濡れていてもさしかけられた傘はどれほどありがたかっただろうか。
Posted by
じわりと心に残ります。 絵本の絵の素晴らしさ。後ろ姿しか描かれていないのに、少女の表情が読者の目の前に浮かんできます。
Posted by
3年生の朝の読書で読んだ。 今日はお昼から近畿を直撃する台風が近づいている模様で、朝から雨が降りつづいている。 持参した絵本の中から子どもたちが選んだのは、意外にも地味な『ヨンイのビニールがさ』 ザーザー雨がふる日ヨンイが緑色のビニールがさをさして登校する途中、校門近くの文房具...
3年生の朝の読書で読んだ。 今日はお昼から近畿を直撃する台風が近づいている模様で、朝から雨が降りつづいている。 持参した絵本の中から子どもたちが選んだのは、意外にも地味な『ヨンイのビニールがさ』 ザーザー雨がふる日ヨンイが緑色のビニールがさをさして登校する途中、校門近くの文房具屋の端で物乞いのおじいさんがずぶ濡れになりながら眠っている。ちょっかいを出す男の子、迷惑そうな店の女主人のはきすてるような言葉、傍らの空き缶からは雨水が溢れでていて、身も心もふるえるようなという情景が数枚の場面に丹念に描かれている。ヨンイの表情は見えなくとも、文章で語らなくとも、ヨンイの感情が抑えた油絵の合間から伝わってくるよう。始業前の自主勉強を終えるやいなや、こっそり校門から走りでておじいさんに傘を差し掛けて戻っくるヨンイ。そして、下校途中傘が壁にきちんと折りたたまれ立てかけてあったというそれだけの詩のような文章に 何かほのぼのした読後感が・・・ じ~っと聞き終わったあと、裏表紙を広げたら「あっ傘やぶれてる!」・・・ヨンイが決して裕福でない家庭の子だというのに気づく。 この子達が生まれるもうずいぶん前、学校近くの団地の大型可燃ゴミ置き場でホームレスのおっちゃんが一時期暮らしていたという話をした。捨ててあった蒲団にくるまって、近くのお墓のお供えのお酒や食べ物や、時にはお年寄りがおにぎりをあげたりしてしばらくの間生活していた。火の不始末でぼやを出してから、おっちゃんはいなくなってしまったけれど・・・ 「ごみ置き場におっちゃんがおったで~っ」という子がいたが、また別のおっちゃんがいてるんやろか?! (風の子文庫)
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
少女ヨンイの優しさと勇気、そしておじいさんのヨンイへの思いが雨の日に静かにしみわたる。韓国の傑作絵本。(抜粋) 日本のビニール傘とは全く違う価値観のもと描かれた作品であることに注目。
Posted by
Posted by
なんだか暗い感じの色調の始まり、ものごいが出てきて・・・。でも、最後雨があがり、あたたかなもので胸が満たされるようなラストでした。 一人の少女の心がていねいに描かれたとてもいい絵本だと思う。
Posted by
ビニール傘は安物というイメージだけど、 ヨンイにとっては、とても大切な傘。 そんな雨の降る中、老人が雨の中、座っていた。。。
Posted by
絵の力って、すごいっ。 思わず、魅入ってしまった。 しずかだけど、力強い。しみじみ、いい絵本……。
Posted by
- 1
- 2