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“命・心"を考えさせる授業プラン(1) の商品レビュー

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2024/01/03

◆読み手としての先入観、授業者としての理論なき実践を見直す  TOSS道徳の本である。それだけで敬遠したり、軽視したりする傾向が私にはあった。この本で特に注目すべきは松野孝雄氏によるあとがきである。松野氏は言う。 <「思いやり」は「気持ち」である。では、このような「気持ち」を...

◆読み手としての先入観、授業者としての理論なき実践を見直す  TOSS道徳の本である。それだけで敬遠したり、軽視したりする傾向が私にはあった。この本で特に注目すべきは松野孝雄氏によるあとがきである。松野氏は言う。 <「思いやり」は「気持ち」である。では、このような「気持ち」をどのように「育てる」「教える」「教育する」というのか。 欠けているのは「育てる」「教える」「教育する」ための明確な指針と具体的な方法論である。> 氏は、道徳教育界で古くから扱われてきた「道徳は教えられるか」という問いに正対し、「命・心の教育」に必要な観点を5つ示している。 確かに本書の実践編は、教師によるコンテンツの提示に比重が置かれ、子ども同士の対話は希薄である。子どもの意見は、いわば次の指導言や教材提示の間に置かれた飛び石、授業であることを証明する演出の一端でしかなく、ネタ中心の授業であることは否めない。 しかし、本書からは大きな学びがあった。 一つは、自分の読み手としての姿勢を問い直す必要があることへの気付き。特に、実践だけでなく理論に目を向ける読み方、自分とは違うと無視、軽視しない読み方をしていきたいと感じた。 もう一つは、道徳授業においてどうすれば子どもが学んだことになるのかという問いへの正対。松野氏はそこに向き合い、自分なりの論を示している。ただ実践を重ねるだけでなく、それらを整理してなにがしかの提案をしていく。その大切さを教えてくれた本である。

Posted byブクログ