日本の優秀企業研究 の商品レビュー

新原浩朗【著】

2022/11/06

数社の事例を書かれています。
軸となる内容は数本あり、それを繰り返し書かれているだけです。
なので、わかりやすい内容でした。

2021/05/05

日本の優秀企業の秘訣を６つに分けて述べている。
・わからないことは分けること
・自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
・客観的に眺め不合理な点を見つけられること
・危機をもって企業のチャンスに転化すること
・身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること
・世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること
人が大切。
個人の金銭によるインセンティブではなく、集団の企業文化による経営。

2020/06/29

ビジネス本ガイドから、だったか。会社の本質を見究めるにはどうしたら良いのか、その判断の一助になれば、と思って手に取った一冊。当たり前といや当たり前だけど、結論も至極当たり前のもの。要は簡単に見極められるものではない。後方視的に優良企業を論ずるのはたやすかろうが、いかに早い時点でその独自性に気付くか。結局難しい話で。

2020/05/01

　日本の優秀企業研究は、迂闊な仮説を排した実直な著作で、読んでいなかった事を悔いる程に面白かった。
　何が面白いといって、今の自分の状況に非常に示唆を与えてくれる内容だったからだ。
　この本の巻頭には、次のような言葉が掲げてある。
---
自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、
愚直に、真面目に、
自分たちの頭できちんと考え抜き、
情熱をもって取り組んでいる企業
---
　失礼ながら、経済産業省の現役官僚に、こんな地味な仕事をやる人がいる事は、とても有難いことだと思う。
　ちなみに、この方は先ごろ、再婚された菊池桃子さんのお相手の方でもある。

2019/06/17

■マブチモーターのケース

●世界市場前提だから単品に絞る
①自社が取り組む事業の範囲を絞り込んだ究極の形がマブチモーター．
②マブチモーターの生産する製品は、明確にモーターのみ。
③それも、非常に狭い種類に絞り込み（民生用で、DC、有鉄心かつブラシ付きの200ワット以下の小型マグネットモーター）
④これを大前提として、あらゆる戦略が組み立てられた。

●過去，ドイツのブラウン社から好条件で鉄心のないモーターの開発を持ちかけられた時も、あっさり断った。
①ブラウン社の性能要素の1つが、ドイツ国内メーカー製のコアレスモーター(鉄心のないモーター)。
②電池の容量を小さくしたい。そのために効率の良いモーターが要求されることから、コアレスモータを使用．
③しかし価格が非常に高く、単品が1,400円前後。
④コストダウンの必要性に直面したブラウン社は、マブチモーターにコアレスモータの生産を求めてきた。
⑤しかし，マブチモーターはコアレスモーターの生産を断った。
⑥代わりに，有鉄心モーターでブラウンが使用しているモーターに近い性能のものを極力安く作ることをブラウン社に提案．
⑦結果，値段が断然の差（マブチモーターの有鉄心モーターに代えると170円とか180円になり，約10分の1の値段で提供）
⑧現在，ブラウン社のモーター調達先はマブチモーター一本槍である。
★★★「なすべきこと」と同様に、あるいはそれ以上に、「してはならないこと」に対する考えを明確に有している企業と考えることができる。

●危機の理由は単品経営ではない
①日本製の金属玩具に塗ってある塗料に鉛が含まれていることが問題となり，日本の玩具業界は大きなダメージ．
②当時、マブチモーターは、玩具用モーターに100%依存していた。
③鉛毒問題で壁に突き当たって突然モーターが売れなくなり、会社には在庫が積み上げられ，同社はモーターと言う単品経営で1業種に依存するリスクをいやというほど味わう．

●ここで慌ててモーター以外の事業に多角化していたら、同社は普通の企業の域を出られなかった．
●マブチモーターは、今までの自社の何が悪かったのか、逆に自らの持てるものが何であるかを冷静に見つめ、モーター以外のいろいろな事業に進出すればいいという発想をしなかった。
①取り扱う商品を，狭い種類のモーターに絞り込む単品経営がこのときの問題だったのでは無い。
②あくまでモーターの用途が，おもちゃだけだったのがまずかった．
③製造するモーターをいろいろな用途に使えるように他業界の需要も掘り起こせば、玩具業界がダメでも、他の業界まで一緒にダメになる事は無いと考え、製品の多角化に乗り出した。
④逆に多様化を積極的に進めないと、単品経営は依存先の業界の情勢に振り回されて危険であると考えた。

★★★そこで用途と言う柱の数をどう増やすのか，そしてその柱をどう太くするのかを考えた。
①用途と言う柱を増やすためには、商品であるモーターの機能を最大化しないといけない。
②1つのモーターにおいて、コンパクトで、音も静かで、電流の消費も少なく、寿命が長いといったように、備わった機能を最大化していく。
③モーターの機能強化すればおのずと，用途は広がってくると考えた．
④そして製造量を最大化するように，とことん価格を安くしていくことを考えた。
⑤すなわち、多様化の鍵になるのは機能の強化とコスト最小化による低価格。
⑥後はグローバルな展開をして市場上世界に求めていけば、当時は日本より1桁多い大きいマーケットの存在を享受でき、たとえ単品経営であろうと用途が広がり経営は安定する。

2023/03/22

■マブチモーターのケース

●世界市場前提だから単品に絞る
?自社が取り組む事業の範囲を絞り込んだ究極の形がマブチモーター．
?マブチモーターの生産する製品は、明確にモーターのみ。
?それも、非常に狭い種類に絞り込み（民生用で、DC、有鉄心かつブラシ付きの200ワット以下の小型マグネットモーター）
?これを大前提として、あらゆる戦略が組み立てられた。

●過去，ドイツのブラウン社から好条件で鉄心のないモーターの開発を持ちかけられた時も、あっさり断った。
?ブラウン社の性能要素の1つが、ドイツ国内メーカー製のコアレスモーター(鉄心のないモーター)。
?電池の容量を小さくしたい。そのために効率の良いモーターが要求されることから、コアレスモータを使用．
?しかし価格が非常に高く、単品が1,400円前後。
?コストダウンの必要性に直面したブラウン社は、マブチモーターにコアレスモータの生産を求めてきた。
?しかし，マブチモーターはコアレスモーターの生産を断った。
?代わりに，有鉄心モーターでブラウンが使用しているモーターに近い性能のものを極力安く作ることをブラウン社に提案．
?結果，値段が断然の差（マブチモーターの有鉄心モーターに代えると170円とか180円になり，約10分の1の値段で提供）
?現在，ブラウン社のモーター調達先はマブチモーター一本槍である。
★★★「なすべきこと」と同様に、あるいはそれ以上に、「してはならないこと」に対する考えを明確に有している企業と考えることができる。

●危機の理由は単品経営ではない
?日本製の金属玩具に塗ってある塗料に鉛が含まれていることが問題となり，日本の玩具業界は大きなダメージ．
?当時、マブチモーターは、玩具用モーターに100%依存していた。
?鉛毒問題で壁に突き当たって突然モーターが売れなくなり、会社には在庫が積み上げられ，同社はモーターと言う単品経営で1業種に依存するリスクをいやというほど味わう．

●ここで慌ててモーター以外の事業に多角化していたら、同社は普通の企業の域を出られなかった．
●マブチモーターは、今までの自社の何が悪かったのか、逆に自らの持てるものが何であるかを冷静に見つめ、モーター以外のいろいろな事業に進出すればいいという発想をしなかった。
?取り扱う商品を，狭い種類のモーターに絞り込む単品経営がこのときの問題だったのでは無い。
?あくまでモーターの用途が，おもちゃだけだったのがまずかった．
?製造するモーターをいろいろな用途に使えるように他業界の需要も掘り起こせば、玩具業界がダメでも、他の業界まで一緒にダメになる事は無いと考え、製品の多角化に乗り出した。
?逆に多様化を積極的に進めないと、単品経営は依存先の業界の情勢に振り回されて危険であると考えた。

★★★そこで用途と言う柱の数をどう増やすのか，そしてその柱をどう太くするのかを考えた。
?用途と言う柱を増やすためには、商品であるモーターの機能を最大化しないといけない。
?1つのモーターにおいて、コンパクトで、音も静かで、電流の消費も少なく、寿命が長いといったように、備わった機能を最大化していく。
?モーターの機能強化すればおのずと，用途は広がってくると考えた．
?そして製造量を最大化するように，とことん価格を安くしていくことを考えた。
?すなわち、多様化の鍵になるのは機能の強化とコスト最小化による低価格。
?後はグローバルな展開をして市場上世界に求めていけば、当時は日本より1桁多い大きいマーケットの存在を享受でき、たとえ単品経営であろうと用途が広がり経営は安定する。

2018/10/23

どんな気質を持っている企業が優秀になるのか？この疑問は、経営者、投資家、企業家、サラリーマンには非常に興味のあるものだろう。本書では、数々の日本企業に対する調査により、この疑問に答える。最終的な結論は「自分たちの分かる事業を、やたら広げずに、愚直に、真面目に自分たちの頭できちんと考え抜き、情熱をもって取り組んでいる企業」。　調査からこの結論に到達する論理がイマイチで、まるで結論が最初から決まっていて、それに対してデータを集め、この結論に向けて論理展開したような感がある。

2021/08/08

筆者の結論は一言で言うと優秀企業像とは自分たちがわかる事業をやたら広げずに愚直に真面目に自分たちの頭できちんと考え抜き情熱をもって取り組んでいる企業と述べている。冒頭でこれまでの研究書とは一線を画すると豪語しながら本書ならではの際立った記述は残念ながらみつけられなかった。結局当事者が直に語ったものには勝てるわけないかとも思う。ホンダなら藤沢氏の「経営に終わりはない」を読めばいいしヤマト運輸なら小倉氏の「小倉昌男経営学」を読んだ方がやはり身になるし面白い。

2016/11/01

今年1月　当時経済財務担当大臣でした
『甘利明氏』が、テレビ東京モーニングサテライト
の『リーダーの栞』でご紹介されました。

著者は過去１５年にわたり日本の企業の収益性や
安全性、成長性の３点を分析することで　長期に
わたり成長してきた企業の共通点を見出しわかり
やすくまとめられています。

2015/03/28

企業理念研究の裏付けに読みました。
納得することが書かれています。
学者さんですが、フィールドワークをきちんと行っていると思いました。