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象のブランコ の商品レビュー

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2013/09/12

エッセイ集。戦時中の台湾での幼少時代の話から、日本に戻って昭和36年(37年?)までの親子の話。 自分は当時を知らんので想像し辛い事(服装や風習など)も少し有ったが、基本的に親子の話やから共感出来る事の方が多かった。

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2010/10/18

工藤直子氏の「人との出会い」がテーマのエッセイ集。 私にとって、この本との「出会い」はちょっと特別なものでした。 あれは、高校の国語の実力テスト。 日々、半ばルーチンワークのように押し寄せるテスト、テスト。 その日も何の感慨もなく、淡々と試験問題を解いていると。 ひとつの文章に...

工藤直子氏の「人との出会い」がテーマのエッセイ集。 私にとって、この本との「出会い」はちょっと特別なものでした。 あれは、高校の国語の実力テスト。 日々、半ばルーチンワークのように押し寄せるテスト、テスト。 その日も何の感慨もなく、淡々と試験問題を解いていると。 ひとつの文章にくぎ付けに。 なんて綺麗、なんて切ない…! それが、「満開の桜」でした。 あのときの衝撃はちょっと忘れがたい。 結局他の問題そっちのけで繰り返し繰り返し読み直し、危うく時間切れになるところでした。 当時は絶版になっていて手に入れられませんでしたが、文庫版になってやっと手元に置けるのが本当に嬉しい。 工藤氏が言うところの「なぜ泣きたいのか分からずに泣」いてしまう本です。 なんというか、普段は外に晒すことのない、心の奥の柔らかい部分に直接触れてくるような感覚。 外で読んでると泣きそうで注意。 多分簡単に幸せじゃなかった。 敗戦、別れ、家族関係…それでも自分を不幸にしない強さ。 安直な悲しみや憎しみに流されない心の丈夫さ。 感情の揺れをまっすぐ見つめて、覚えているその誠実さ。 そういうところに心を揺さぶられるのでしょう。 子供時代から目をそむけ、全て「なかったこと」にしてしまった私には、ちょっと眩しい。 でも、工藤氏の目を通して、小さい頃の思い出を分けてもらったような。 そんな気持ち。

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2010/01/10

直子、おれ、やっぱり死ぬの、怖いぞ。 <日常というのが、始まりもなく終わりもなく永遠に続く気分でいるところへ、「自分はいつか必ず死んで、この世からいなくなるのだ」という思いが突然割り込み、ギャッと虚空を掴んでしまう。じつに奇妙で説明不能な感覚だ。だから、他人に訴えようとして...

直子、おれ、やっぱり死ぬの、怖いぞ。 <日常というのが、始まりもなく終わりもなく永遠に続く気分でいるところへ、「自分はいつか必ず死んで、この世からいなくなるのだ」という思いが突然割り込み、ギャッと虚空を掴んでしまう。じつに奇妙で説明不能な感覚だ。だから、他人に訴えようとしても言葉が見つからない。> 父さん あなたの持っていた 思い出は どうなるのだろうな 竿に伝わる魚の重みや 小さな孫を抱いた 手のひらの感触は どこへいって しまうのだろうね

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