ラップ入門 の商品レビュー
ヒップホップの魅力の一つに「アウトサーダーアート感」がある。表現欲求と表現技術の乖離が著しいときに起こるマジック。通常の音楽形態からこぼれ落ちてしまう数値化不可能な奇妙な魅力。 さて、そういった観点でヒップホップを捉え、もっとも「ヒップホップ的にアウトサイド」な行為とはどのような...
ヒップホップの魅力の一つに「アウトサーダーアート感」がある。表現欲求と表現技術の乖離が著しいときに起こるマジック。通常の音楽形態からこぼれ落ちてしまう数値化不可能な奇妙な魅力。 さて、そういった観点でヒップホップを捉え、もっとも「ヒップホップ的にアウトサイド」な行為とはどのようなものかと考えてみると――「ある種の真っ当さこそヒップホップ的にはもっともアウトサイド」という答えが出てくる。正しくヒップホップ的「ではない」からこそ、もっともヒップホップたり得る可能性――。 この本は、「表現の追いついて無さ」と「真っ当さ」が合致した奇跡の一冊かもしれない。 ----------------------------------- 【ライブDJが見つからない時にはPAさんに頼もう。でも、音響に関する自分の仕事があるから『極力迷惑をかけないように!』】 【ライブ終わりにはお客さんに「聴いてくれてありがとう」といおう!】 【デモテープの音量と音質には注意!再生した時にいきなり大きな音が流れると『リスナーに不快感を与えてしまう!』】 等々、気づかいハンパないアドバイスが山盛り。他にも【イベント時の置きチケのリストの書き方】を詳細に語ってくれてて何が何やら感が凄まじくて最高。 肝心のリリックの書き方に関しては、頭韻・脚韻の説明をしておきながら「漢字変換ライム」つって例に挙げてるリリックというのが―― 【自分を『公開』するため、ヒップホップ海原へと『航海』。あと戻りも出来ないし『後悔』もない】 という衝撃的中2センス。ヤバすぎるスキル……!
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