ブライトン・ロック の商品レビュー
ブライトンは昔の熱海のようなところ、「ブライトン・ロック」はさしずめ金太郎飴と解説(三浦雅士)にある。そこで殺人事件が起こる。 主人公はピンキー、17才の少年、悪がき少年、その恋人となるはロ-ズ、16才。殺人の犯人として少年を追いかける美貌でグラマーな熟女(歌手?遊び人)アイダ...
ブライトンは昔の熱海のようなところ、「ブライトン・ロック」はさしずめ金太郎飴と解説(三浦雅士)にある。そこで殺人事件が起こる。 主人公はピンキー、17才の少年、悪がき少年、その恋人となるはロ-ズ、16才。殺人の犯人として少年を追いかける美貌でグラマーな熟女(歌手?遊び人)アイダ・アーノルド。 殺されたのはチャールズ・へイルという男、どのように殺されたのか、何の理由で殺されたのか。それは問題ではない。歓楽地のさざめきのなかで悪徳が栄える。過去の因果が報いる。少年少女が大人になる。否、子どもに還る。帰りたい。 スリルとサスペンスといっても、形而上の課題豊富な文学作品。悪と愛。人間の存在とは。 登場人物が錯綜し、場面がパチッ、パチッと変るので最初と惑うが、入り込んでしまえば難しくなく、乾いたタッチがハードボイルド、いや以上だ。潮風と波の音が泣かせるぜ。さすが丸谷才一訳。 解説(三浦雅士)がやたらによかった!のがおまけ。
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悪いのはピンキーだが、ピンキーを追い込むアイダの方が俗悪な感じがする。ピンキーは、直情的だが純情なのでは?と思ってしまう。ローズの行く末が心配。 読み切るのに少し忍耐が必要だった。
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時間をかけずにサッと読みたかった作品。 正義・悪の定義がハッキリ分かれた登場人物が出てくるけれど、その分類だと悪の立場にいる少年に感情移入してしまう。
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17歳のピンキーは、仲間のボスのカイトの仇討ちに新聞記者のヘイルを殺す。完璧なアリバイ工作をしたつもりだったが、仲間のスパイサーはカードをレストランのテーブルクロスに隠すときの自分の失態に不安を抱く。しかし検死の結果は心臓麻痺。物語は、そこから少年ピンキーを追い詰めてゆく。貧民街...
17歳のピンキーは、仲間のボスのカイトの仇討ちに新聞記者のヘイルを殺す。完璧なアリバイ工作をしたつもりだったが、仲間のスパイサーはカードをレストランのテーブルクロスに隠すときの自分の失態に不安を抱く。しかし検死の結果は心臓麻痺。物語は、そこから少年ピンキーを追い詰めてゆく。貧民街から生まれた悪の化身のようなピンキーは、生命の化身にも見える。神と対峙する。文中で「ドナ・ノビス・パチエム(我に平安を与えたまえ)」が何度も繰り返される。彼はもちろん神も天国も信じない。地獄こそ信用できると思う。丸谷才一の訳は簡潔で、三浦雅士の解説は丁寧。物語の意味は良く分からないが、惹き付けられる。それがいかにもグリーンらしい。
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「ヒューマンファクター」があんなに面白かったのに、これは…? 我慢強く読めば良かったのか? でもね。
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Pinkie, a 17 year old gang leader murders Hale. He fabricates an alibi using Spicer, one of his gang. Spicer fears and gets paranoid that Ro...
Pinkie, a 17 year old gang leader murders Hale. He fabricates an alibi using Spicer, one of his gang. Spicer fears and gets paranoid that Rose, a 16 year old waitress, witnesses Spicer passing himself off as Hale. To ensure his safety Pinkie murders Spicer and plans a marriage to Rose as a wife would not testify against her husband. Ida Arnold, who had a brief encounter with Hale just before his death, suspect the murder and tries to save Rose from Pinkie. Part One is Hitchcockian, fast paced and cleverly plotted. From Part Two onwards its tone changes completely, from a detective story into an intense psychological drama of Pinkie (and Rose). This abrupt change can be regarded as a flaw as the author admits that he should have destroyed Part One but I think it is minor. Very convincing characterisation of Pinkie is the backbone of the whole narrative. Although he is evil and cruel he suffers from his own ignorance, immaturity and shabby upbringing. It is interesting that he dislikes common pleasures such as alcohol and sex; he drinks soft drinks at pubs and he is a virgin who recalls his parents’ sex with disgust. His relationship with Rose is dynamic in a sense that his perception of her forever swings between hatred and fear. Though Rose represents innocence and is deceived by Pinkie, she has a strange power over him with her stubbornness, maternal instinct and Christian faith which is shared by him. Ida is a symbol of humanity and justice yet she is not depicted as a serious person as if the author is dubious about an idea of justice. Justice is done at the end but in an ironical manner. What I felt both logically and emotionally is that Evil and innocence, the right and the wrong, they are not opposite pole, they are uncannily interchangeable.
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1938年作品。作品が終わった後にどういう行動がとられるべきかを考えるのは読者へのテストのよう。「ピンキーとキラーズ」以外で「ピンキー」という名前に初めて出会った。
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この翻訳(全集版)にはうまい所と首を傾げる所がある。「彼はプライドを自分に注射しようとした」とか、「憤りの視線が花環のあいだにぶらさがった、不調和に」とかは、後者に属する。ブライトン・ロックとは金太郎飴のようなもの。ある殺人事件を契機に、カトリック信者のチンピラとそのガールフレン...
この翻訳(全集版)にはうまい所と首を傾げる所がある。「彼はプライドを自分に注射しようとした」とか、「憤りの視線が花環のあいだにぶらさがった、不調和に」とかは、後者に属する。ブライトン・ロックとは金太郎飴のようなもの。ある殺人事件を契機に、カトリック信者のチンピラとそのガールフレンドが死の淵に追い詰められる話。初期のグリーンにありがちな、切羽詰った場面転換が多い。やはり英語で読んでみないと感じがつかめないが、ペンギン文庫の2500円はバカ高い。
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ドストエフスキーやカフカと並び称され20世紀を代表する作家のひとりだそうです。『チーズ・バーガーズ』を書いたボブ・グリーンと勘違いして買ってしまったトホホな私には正直良くわからないお話でした。
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