供養のこころと願掛けのかたち の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりでちゃんと民俗学の本を読んだ。祈願の対象を困らせる、というのはタイとかベトナムとかにもあったなあ。一神教の国ではあまりないように思う。
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知り合いのイラストレーターの川口澄子さんから「最新の仕事」だと戴いた。ブックデザインを担当した守先正さんの依頼でイラストと題字を受けたのだと言う。人のつながりは大事だなあと思う。ありがたい。 実に地に足の着いた話で、道具に対する供養から動植物の供養が語られる。現代ではカードまでが...
知り合いのイラストレーターの川口澄子さんから「最新の仕事」だと戴いた。ブックデザインを担当した守先正さんの依頼でイラストと題字を受けたのだと言う。人のつながりは大事だなあと思う。ありがたい。 実に地に足の着いた話で、道具に対する供養から動植物の供養が語られる。現代ではカードまでがこの国では供養の対象になっているのに驚く。さらに願掛けというもうひとつの今も続いている習慣をきちんと描いて行く。だるまもてるてる坊主も、そしてそれをつなぐような様々な習俗も援用しこうした習慣の奥にあるものを平易に語ってくれる。なるほど、と思って本を読み終える。こういう納得感は気持ちがいい。 百鬼夜行と裏表の習俗なのだが、冷静にこれは今もこの国で生きているのだ。その事実に冷静に気づかされる本だ。 川口さんと話している時に「隷書体ってあんなに大変だと思わなかった。止めが止めじゃなくて、そこから返すからあの形になるんだって、勉強したんだけど、あれは難しい」 そうか、それはこの本の題字の話なのね、と後で判った。
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