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検閲された手紙が語る満洲国の実態 の商品レビュー

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2009/10/07

 満州国憲兵によって検閲された手紙を通し、満州国における日本人、中国人、朝鮮人の届かなかった声を編集したもの。当時とすれば、検閲は当然ありうるわけで、機密は手紙などでは送らなかったと想像ができる。したがって、特ダネにあたるようなハデなものはないが、逆に手紙しか利用できなかった人々...

 満州国憲兵によって検閲された手紙を通し、満州国における日本人、中国人、朝鮮人の届かなかった声を編集したもの。当時とすれば、検閲は当然ありうるわけで、機密は手紙などでは送らなかったと想像ができる。したがって、特ダネにあたるようなハデなものはないが、逆に手紙しか利用できなかった人々の生の声を伝えて興味深い。なかでも、ノモンハンで戦った兵士たちの見聞きしたものは悲惨で、憲兵としては、とても内地へは知らせられなかっただろう。朝鮮人が満州においても差別されていたこと、一部の裕福な層を除き、多くの人々は生活にあえいでいたことが多くの手紙に書かれており、五族協和の満州はどこにと言いたくなるような内容である。

Posted byブクログ