季語集 の商品レビュー
おおむね歳時記の構成にそって、300の季語を紹介している本です。 各項目の最後に、それぞれ二つずつの俳句が挙げられており、ひとつは古典的な句、もうひとつは最近の句があてられています。もちろん句作の手引きとしてもつかうことのできる本なのでしょうが、それぞれの季語にかんする著者の説...
おおむね歳時記の構成にそって、300の季語を紹介している本です。 各項目の最後に、それぞれ二つずつの俳句が挙げられており、ひとつは古典的な句、もうひとつは最近の句があてられています。もちろん句作の手引きとしてもつかうことのできる本なのでしょうが、それぞれの季語にかんする著者の説明は、解説というよりもエッセイというべき内容で、肩の力を抜いてたのしみながら読むことができました。 本書の「はじめに」にあたる「季語を楽しむ」という文章のなかで、「人がことさらに季節を意識するようになるのは、中年になってからのようだ。心身がやや衰えかけたとき、そのような自分の支えとして、季節を意識する」と著者は述べ、「季節の言葉、すなわち、季語を重んじる俳句への関心もその時期に生じる」とつづけています。ここには、季節を意識するようになることをきっかけとして俳句への関心が芽生えるという道筋が示されており、俳句のために季語を学ぶのではなく、季節をたのしむことの一環として俳句の世界にみちびかれていていくようなしかたで、著者の文章をたのしむことができるのではないかという気がします。
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俳句が趣味だと言えば(言ったことはないが)、詠む方だと思われるだろう。相撲が趣味と言ったら、たぶん観戦して星取表をつけると思われて、取り組みをやるとは思われないだろうに。これが野球やサッカーだと観戦とプレイは判断しがたい。俳句を詠まずに読むだけ、というのは許されざる趣味なのか。 ...
俳句が趣味だと言えば(言ったことはないが)、詠む方だと思われるだろう。相撲が趣味と言ったら、たぶん観戦して星取表をつけると思われて、取り組みをやるとは思われないだろうに。これが野球やサッカーだと観戦とプレイは判断しがたい。俳句を詠まずに読むだけ、というのは許されざる趣味なのか。 「何人にならうとおでん煮ておけば(田畑美穂女)」本書に収録された季語の「おでん」について、著者が思い浮かべる、としてあげている句だ。「東海の小島の磯のおでんかな(辻征夫)」もすごい。蟹ではなくおでんと戯れるのだ。 こんな具合に、季語を、既存の句、新作の句を含めてさらりと紹介する。季語そのもの、俳句そのものを解説しても無粋である。だから俳句を絡めながらも、好きなことを書いている、ように見える。 川柳はどうでもいいが俳句は気になる。それは季節が含まれているからだろう。前書きに季節博士という人が出てくる。だがこの人は、無理して季節に合わせる生活をしていて、疲れて季節博士を返上したのだという。季節は意識し努力しなければ楽しめなくなっているのだ。そして人が季節を意識するようになるのも中年からのようだ、と。子どもは季節を意識することがない。僕も年中半袖で平気な子どもだった。そのように行かなくなった中年は庭いじりを始めたり、散歩をしたり、俳句を作ろうと思ったりする、と。俳句を作ったり、でないところがまた、僕のことを言われているようだ。 だけど四季程度で季節を感じたつもりになってはいけない。かつては二季だったというから倍増しているが、季節はもっとちょっとずつ動いている。季語集を読むことが、季節を楽しむことになるかはわからないが、しかし言葉に秘められた季節のエネルギーというか、なんつうか、○○は冬の季語ですよとか粋がってみたいし、そんな風で、詠まない俳句を愛している。
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「猫の恋」という季語があるって知っていましたか? 他にも、「花氷」や「いわし雲」など、読むだけで季節を味わえる言葉がたくさん詰まっています! 熊本大学:空
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稔典さんにはいつも春風が吹く。取り上げられた季語も何か優しい。その優しさが、懐かしい故郷を幾度となく包み込む。それこそが稔典さんの言う、【不思議な時空感覚】、「もうろく文学」としての俳句の味か。年おうほどに、噛み締める言葉に味が出る。
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[ 内容 ] 生活習慣や環境の変化に伴う季節感のずれや希薄化がすすんでいます。 季語の世界にもそれが反映され、新しい季語が続々と生まれてきました。 伝統的な季語に、バレンタインデー、春一番、あんパン、原爆忌などを加えて、三〇〇の季語を選び、解説したネンテンさんの読む歳時記。 日々...
[ 内容 ] 生活習慣や環境の変化に伴う季節感のずれや希薄化がすすんでいます。 季語の世界にもそれが反映され、新しい季語が続々と生まれてきました。 伝統的な季語に、バレンタインデー、春一番、あんパン、原爆忌などを加えて、三〇〇の季語を選び、解説したネンテンさんの読む歳時記。 日々の俳句づくりに役立つよう例句・索引を付載。 [ 目次 ] 春(立春;光の春;春はあけぼの;木の根開く ほか) 夏(麦の秋;リラ冷え;明易し;晩夏 ほか) 秋(立秋;二百十日;新涼;残暑 ほか) 冬 新年(冬;神無月;小春;師走 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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俳句をつくろうと思っても、なかなか季語がぱっと浮かばないときがある。この本は、四季ごとに様々な季語が紹介されていて、とても勉強になるとともに、解説の文章を読むだけで風情を感じることができた。
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伝統的な季語に新しい季語を加え選んだ300の季語を解説。読む歳時記。カタカナ語がたいぶ増えた、バレンタインデー、サーフボート・クリスマス・ブルーヘイズ等・・・
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