蒼空の盾 の商品レビュー

内田弘樹【著】

2022/01/02

さらっと読める短編。
1944年11月に転移してしまった最新鋭イージス艦が迫り来るB29の戦略爆撃に対し国民を守るべく海軍に協力し迎撃戦をするお話。
末期で戦争は敗北確定なだけにイージス艦一隻でやれる事をやったという感じ

2009/10/04

基本的には『イージス艦がタイムスリップして1944年の日本近海に』というお話で。
この設定は、かわぐちかいじの『ジパング』を読んでいた(過去形)ので取っ付きやすかった、というのもあって買ったわけですが。とりあえずなんだ、アレだ、各所に見えてくるオタネタが楽しかったです（真っ先にソコか貴様)。天使が魔界に堕ちゆくような最期を遂げたB-29の愛称が『ジブリール』だったり、『ジブリール』墜落後に編隊長を引き継いだのが『エスカ・レイヤー』だったり。エスカレイヤーには本当にお世話になりました。アリスのゲームとしても変身ヒロイン物としても。この前2800円の廉価版シリーズにもなりましたし、多くの人にプレイして欲しい作品だったりしますよ。他にも『エーリン』とか『リリー』とか『エリー』とか『サニー・ザ・マジシャン』とか『レミリア』とか。何かこう色々と、ええ。楽しませていただきました。あと米軍の司令部幕僚である中尉の名前が『メッツァー』なのには、思わずスイートナイツを思い出してしまったりしたわけですが。ところでオスプレイのコールサインが『ワダツミ』だったのはやっぱりあの御方へのオマージュと言うかメッセージと言うかカメオ出演なんでしょうか(何)。んでストーリーですが、タイムスリップしたイージス艦『つるぎ』が首都防空の盾となる……と、まぁ簡単に言えばこうなりますが。
普通ならその打撃力を以って戦局の一発逆転！とかやりそうな(偏見です）ものですが、この作品は本当にもう『防空システム』に徹しているのが良いなぁと。
まぁ緒戦で○○を全弾射耗してどうするんだ…？と思っていたところ、その後の『つるぎ』の役割はある意味地味でしたが、その周りのガジェットが実に良い味でした。特に長門の活躍に涙しないやつがいたら、宇宙人と未来人と超能力者と一緒に私のところに来なさい。で、「時を稼いだ」となると佐藤大輔氏の『征途』の影響でソ連軍のことが心配になるわけですが、まぁその辺は（出ればというか出して欲しい）続編に期待しましょうか(´▽｀)