ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
老いた元スパイ、ジョージ・スマイリーを主人公とするスパイ小説三部作の第一作。 魅力的なキャラクター造形、緻密な物語構造、説得力のある設定の揃った、完成度の高いエンターテイメント小説。謎の解けた開放感と虚脱感、そして哀愁の漂うラストも心地良い。タイトルをはじめ、暗号名のつけ方もいちいち洒落ていて、思わず口ずさみたくなってしまう。
Posted by
スパイ好き。器物破損・通行人に大迷惑、現地妻多発できると思ってたら、目立たなく地味でいやーな仕事なんですね。見ろ、人がゴミのようだ。映画もおすすめ。BBCのドラマもいつか見たい。
Posted by
訳に癖のある部分があるので(特に会話の鈎括弧部分などで、英語の直訳になっていて、日本語としては意味がよく分からない箇所がある)そこにさしかかったら気にしないようにするのが吉。 最初は登場人物が何について議論しているのかもよく分からないのが、読み進めて事の全体が見えてくる事で納得で...
訳に癖のある部分があるので(特に会話の鈎括弧部分などで、英語の直訳になっていて、日本語としては意味がよく分からない箇所がある)そこにさしかかったら気にしないようにするのが吉。 最初は登場人物が何について議論しているのかもよく分からないのが、読み進めて事の全体が見えてくる事で納得できる。 それでもかなりややこしい話だけど、読みごたえあります。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「裏切りのサーカス」を観て原作が読みたくなったのだが、新訳版は評判が悪いようだったのでこちらで。 スチール製の本棚のような印象の小説。 これを機にスマイリー三部作を読もうと思う。
Posted by
映画『Tinker,Tailor,Soldier,Spy』の原作ということで読みました。ル・カレ作品を読むのは初めてで独特の文に慣れるまでは辛いと感じましたが、重厚で読みごたえのある作品の世界にどんどん引き込まれていきました。よくあるエンタメ作品のようにさらりと読むのではなく、丁...
映画『Tinker,Tailor,Soldier,Spy』の原作ということで読みました。ル・カレ作品を読むのは初めてで独特の文に慣れるまでは辛いと感じましたが、重厚で読みごたえのある作品の世界にどんどん引き込まれていきました。よくあるエンタメ作品のようにさらりと読むのではなく、丁寧にじっくり読むのがいいなぁと思います。わかりにくいと感じる人は映画のサイトを参考にするのがおすすめです。このシリーズは絶版状態みたいでそれだけが悲しいです。
Posted by
完敗である。主人公のジョージ・スマイリーには、いかなる作家も及ばない「スパイ」としてのリアリティがある。プロット、キャラクターともに間然とするところがない名作。久しぶりに再読し、またもル・カレ熱がぶり返しそうだ。ヤバイ。
Posted by
長かった。 意地で読んだ感じ。 やっと読み終えたが、この手の本は意地で読むものではないと思った。
Posted by
英国情報機関〈サーカス〉にもぐら(=スパイ)がいる。主人公たるスマイリーは、膨大な資料と証言をもとに、スパイをあぶりだしていく…という物語です。 単に資料を見て、「あいつ怪しいな」と思っていたらスパイでした、というような小説ではありません。スパイであろう人間に対する、矛盾した...
英国情報機関〈サーカス〉にもぐら(=スパイ)がいる。主人公たるスマイリーは、膨大な資料と証言をもとに、スパイをあぶりだしていく…という物語です。 単に資料を見て、「あいつ怪しいな」と思っていたらスパイでした、というような小説ではありません。スパイであろう人間に対する、矛盾した感情の葛藤、スパイに関連してしまった人間たちの苦悩、そういったもろもろの人間性が、この小説には表れているように思われます。 1点減点した理由は、あまりに構成が精緻すぎて、私には追いつけなかったという点です。もっとも、これは私自身が減点されるべきなのかもしれませんが、非常に読んでいて疲れる作品ではありました。また、これはおそらく訳の問題であるとは思いますが、日本語が変な部分があります。そこら辺は気にせず、読みすすめることをお勧めします。あと、人名には注意を払うべきです。
Posted by
2007/3/20 作家の打海さんと評論家の池上さんから勧められて、ようやく読んだスパイ小説の傑作中の傑作。 正直言うと、読み始めてしばらく苦痛でした。場面は飛ぶし、誰の心理なのか、状況描写なのか、ましてや現実なのかも分かりにくい文章。 僕にしては、珍しくゆっくりゆっくり読ん...
2007/3/20 作家の打海さんと評論家の池上さんから勧められて、ようやく読んだスパイ小説の傑作中の傑作。 正直言うと、読み始めてしばらく苦痛でした。場面は飛ぶし、誰の心理なのか、状況描写なのか、ましてや現実なのかも分かりにくい文章。 僕にしては、珍しくゆっくりゆっくり読んでいったため読み終えるまでに非常に時間がかかりましたが、これが、ラスト近く、物語が収斂していくに従って、どんどんどんどん圧倒されてきて、最後は興奮のうちに読み終えました。 これまでの僕であれば、途中で躓くとそこで読むのを止めてしまうのですが、今回は最後まで読み終えて本当に良かったです。古典(というと語弊があるかもしれませんが、)的な小説を読むコツみたいのが、ようやく分かった気がしました。 読み終えた直後に、もう一度最初から読み直したい!と痛烈に思った珍しい1冊でした。 この本は『スクールボーイ閣下』、『スマイリーと仲間たち』と繋がって行くので、続刊もぜひ読んでみたいと思いました。
Posted by
- 1