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ヒロシマ あの時、原爆投下は止められた の商品レビュー

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2024/02/01
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とても考えさせられる濃密な1冊だった。 日本の戦況の流れから、どのようにして原爆投下の条件が整っていったのかがよく分かった。 そして最も気になっていた、アメリカの原爆投下に対する認識に触れられて、さらに考えさせられた。 人が人の命を奪うということに関しては たしかに、この戦争のさなかで大きく違いは無いんだろう それでも、本当に? 戦時中、みんなが戦争に賛成で戦争に加担しているも同然で、だから「罪なき国民」も居ないのか? 時間が短いだけで総体的に見たら死者はそう変わらない、のか? その後の後遺症までもが自業自得だと 戦争を始めたのはそちらだからとそれだけで英雄扱いされることなのか? たしかに宣戦布告をして戦争を始めたのは日本だろう 日本もたくさんの人を殺したし 日本人自体も既にたくさんの人が亡くなっていた たしかに「どちらも」間違ってる だけど原爆はどうだろうか 原爆は、その威力から絶対に一般市民を巻き込む 敵国の軍事基地を狙ったって絶対に一般市民に被害が及ぶであろうほどの威力の爆弾を作り、使っておきながら これは戦争だから仕方ないというのか それがまかりとおるのか 真珠湾攻撃の責めは日本が負うべきなのと同じように 原爆投下の責めだって負うべきだ 日本のしたことを「戦争だったのだから悲しいけど仕方ない」とは思わないし、英雄的行いだとも思わない 戦争であろうとも それはひとしく人殺しであり 責めを負うべきで 正しくもなければ 全てがひとしく犯罪行為だと思う

Posted byブクログ

2019/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2005年に放送された特別番組「ヒロシマ」を1冊の本にまとめてあります。 この放送は見逃していましたが、写真や一部漫画を挿入するなど、放送内容を忠実に再現しているのではないかと感じられます。 原爆投下までに、米国側・日本側の双方に投下をやめさせるだけの岐路がいくつもあった。それをことごとく投下へと選択してきてしまった。 それよりも、この番組や本のすばらしいところは、日本・米国両方の立場に立って原爆を語っているところです。 日本人が「原爆」を語ると、世界で唯一の被爆国・被害者としての立場でのみ語られます。 アメリカ人が「原爆」を語ると、これ以上の犠牲者を出さないための戦争終結の手段・「remember Pearl Harbor」です。 圧巻は原爆を作る「マンハッタン計画」に参加し、自らリトルボーイに乗り込み原爆投下の写真撮影を行ったハロルド・アグニュー博士が広島を訪れ、日本の原爆被害者と対談したときの模様が綴られているところです。 双方の原爆の捉え方が決して交わることがない。被害者は謝罪の言葉を求めていました。でも…。 -すべての取材を終えて、宿泊先のホテルに戻った時のことだ。バスを降りた直後に、同行した博士の妻が、独り言のように呟いた。 「あなた、謝ればよかったのに…。」 これを聞いた博士はこう言った。 「いや、謝れないんだよ」 原爆を挟んで対峙する日本と米国の間の深い深い溝が、ここに凝縮されています。 最後に綴られていた「原爆をめぐる過去、現在、未来」では、これからの私たちの指針が示されていました。 ただ被害者という立場だけではなく、日本の戦争責任も視野においてヒロシマを語らなければなりません。 広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」と書かれています。 この文言の主語は「私たち」。核兵器を使うという過ちを犯した人類全体。

Posted byブクログ