きみがいた時間 ぼくのいく時間 の商品レビュー
再読。 キャラメルで舞台化すると聞いて、舞台を観に行く前に 読んでみたのが最初。 クロノス・ジョウンターの話もそうなのだが、設定は非常に面白い。 里志たちが立ち寄ったレストランで、老人が一人だけワインを飲んでいるなど さり気ない伏線の描写も見事。 ただ、感情描写が薄く感じる。...
再読。 キャラメルで舞台化すると聞いて、舞台を観に行く前に 読んでみたのが最初。 クロノス・ジョウンターの話もそうなのだが、設定は非常に面白い。 里志たちが立ち寄ったレストランで、老人が一人だけワインを飲んでいるなど さり気ない伏線の描写も見事。 ただ、感情描写が薄く感じる。 苦労や悲しみ、絶望があまりに淡々としていて あまり親近感が得られない。感情移入出来ない。 梶尾氏の他の作品においても、私は大体そう感じてしまう。 最愛の妻を失った里志を、支えてくれる人が誰もいない。 その中でクロノス・ジョウンターに希望を見出すあたりも 実に淡々と描かれているし、 若月たちが協力的なのも、突然に感じる。 また、吹原のせいでクロノス・ジョウンターの開発が中止になっており 吹原がかなり自己中心的なただのストーカーに思える。 また、過去へ飛んだとき整形手術や過去の紙幣に変えるよう アドバイスをする若月だが、 戸籍については何も考えられておらず、手に入れ方がとても杜撰。 クロノス・ジョウンターを舞台化したキャラメルボックスのクロノスも 兼ねてから片思いの相手だったこと、 吹原の妹、来未子の弟、館長たちといった周りの人間を出すことで 吹原の人間味、深みが出て素晴らしいものに仕上がっていた。 この、上川隆也を見て着想を得、西川さん演じる野方を見た後で 描かれたという小説の割には やはり人間的な感情に乏しく感じてしまったが 舞台ではやはり、里志を支えてくれる妹やオリジナルキャラの存在があり 心を暖かくしてくれる。 成井さんはなぜ自分で書かなかったのかと悔しがっておられたが 梶尾さんのクール過ぎる故に好きになりきれないお話を 感動物語に昇華させてくれたのは成井さんの手腕であると思う。 他の短編はごくごく短いものではあるが 江里の”時”の時が面白かった。 また、美亜へ贈る真珠はしっくりこないものがあるのだが まるで真珠のような涙がゆっくりと流れ落ちるシーンは 映画のように脳裏に美しく浮かんだ。
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「美亜へ贈る真珠」がちょっと上手く消化出来ませんでした; 何度か読んでようやく 自分の中でストンと行く場合もあるので いつか読み直してみたいかも。
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クロノス・ジョウンターの続編的な一冊。 これも面白かったです! 何事も完全より不完全なほうが楽しい♪
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表題作を含む4作品が収録された珠玉の短編集。どの物語にも溢れんばかりの愛が詰まっています。まさにタイムトラベル・ロマンスと呼ぶにふさわしい物語。「後味の悪い小説は書きたくない」そういう著者の作品だから、何度でも読みたくまります。
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本屋で見かけて買ってみました。 「クロノス・ジョウンターの伝説」ファンのためのファンブックって感じ。 私は好きなのですごく楽しかったですが、 「黄泉がえり」の次に読む…とか、あまり思い入れがないと引くかもしれない。 キャラメル・ボックスの脚本家との対談とか、楽しいけどみょーに成井...
本屋で見かけて買ってみました。 「クロノス・ジョウンターの伝説」ファンのためのファンブックって感じ。 私は好きなのですごく楽しかったですが、 「黄泉がえり」の次に読む…とか、あまり思い入れがないと引くかもしれない。 キャラメル・ボックスの脚本家との対談とか、楽しいけどみょーに成井氏のテンション高過ぎる気が… でもクロノスファンは買い、です。 2006/08/08
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2009.11.03. わかっててもラスト、じいんとし過ぎて泣きそうになる。一途な想いは、潔くて切ない。それにしても「美亜へ贈る真珠」を23歳で書いていたとは。
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タイムトラベル物の短編集。 他の作品の登場人物とリンクしているようで 思わせぶりに名前が色々出てくるが 読んでないのでわからなーい。 キャラメルボックスが舞台化している作品も見てみたい。 【図書館・初読・5/26読了】
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キャラメルボックスの演劇を先に見たんですが、演劇とはまた別のお話なのでどちらが先でも問題ありません。「布川輝良」のくだりがちょっと理解できないんですが(秋沢が過去へ戻って助けたときから彼の存在が始まったはずなのに、その秋沢に先んじてクロノス・ジョウンターに乗っているのは何故?)、...
キャラメルボックスの演劇を先に見たんですが、演劇とはまた別のお話なのでどちらが先でも問題ありません。「布川輝良」のくだりがちょっと理解できないんですが(秋沢が過去へ戻って助けたときから彼の存在が始まったはずなのに、その秋沢に先んじてクロノス・ジョウンターに乗っているのは何故?)、カジシンらしいタイムトラベル・ラブロマンスです。キャラメルボックス成井氏との対談も好きな人にはたまらないんでしょうけど、僕にはちょっと余計かな。
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書き下ろしである表題作とキャラメルボックスの成井豊さんとの 対談以外は既刊に収録されていますので、お得感に欠けるのですが クロノスジョウンターで初めてカジシンに触れた人が次に読む本としては 最適の1冊といえるのではないかと。 他の収録作も珠玉の時間短編揃いですし。 ちな...
書き下ろしである表題作とキャラメルボックスの成井豊さんとの 対談以外は既刊に収録されていますので、お得感に欠けるのですが クロノスジョウンターで初めてカジシンに触れた人が次に読む本としては 最適の1冊といえるのではないかと。 他の収録作も珠玉の時間短編揃いですし。 ちなみに収録作は 「きみがいた時間 ぼくのいく時間」(書き下ろし) 「江里の”時”の時」(美亜へ贈る真珠) 「時の果の色彩」(ちほう・の・じだい) 「美亜へ贈る真珠」(美亜へ贈る真珠) ※括弧内は収録短編集のタイトルです さて、その書下ろしの読後の感想ですが あまり書くと、ネタバレになりそうですので 詳しくは述べませんが、 「この1篇のためだけに1200円払う価値がある」 と断言してしまいます。 いやぁ、よかった。 クロノス・ジョウンターの伝説と世界観を共有しています。 是非、キャラメルボックスに舞台化してほしいなぁ。 というか、これはがんがん刷って売りまくるべきですよ 朝日ソノラマさん!
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