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女帝 わが名は則天武后 の商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

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2024/06/17

 中国史上では悪女とされる中国唯一の女帝、則天武后。最高権力を手にした者が味わう孤独が、丁寧に描かれています。「女帝」則天武后よりも、一人の人間として捉えられていると感じました。

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2020/09/11

則天武后の名誉回復がしっかりなされているが,それでも晩年の権力者の孤独が伝わってきて,さらに女性であることからのさらなる孤独は読むのが辛いほどだった. だからという訳でもないが,前半の貧しい平民からだんだん成長していくところ,馬に乗って颯爽と駆ける姿などが印象に残るし面白かった.

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2020/03/10

武照(則天武后)が一人称で語る胎内にいる時から死後に至るまでの一代記であり、周に起源を持つ武一族の族譜でもあります。事実だけでなく、夢や空想、思い出などををないまぜに語るスタイルは詩的で美しく濃密です。太宗、高宗と二夫にまみえた経緯や女帝となった経緯は自然で説得力がありました。田...

武照(則天武后)が一人称で語る胎内にいる時から死後に至るまでの一代記であり、周に起源を持つ武一族の族譜でもあります。事実だけでなく、夢や空想、思い出などををないまぜに語るスタイルは詩的で美しく濃密です。太宗、高宗と二夫にまみえた経緯や女帝となった経緯は自然で説得力がありました。田舎の名流でない女の子が女帝になるまでの物語は飽かせない面白さ。80才になっても権力を手放さない老残の姿を細かく描くのは中国的リアリズムでしょうか。新鮮な則天武后像を紛れもない純文学で記された傑作です。

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2019/01/16

著者の山颯(シャン・サ)は中国人だが、この作品はフランス語で書かれたもの。天安門事件後に表現の自由を求めて渡仏。作者自身の内面を則天武后に重ね合わせているのだ・・とひしひしと感じた。傑作です。

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2014/07/11

則天武后(武照)の出生から死後、唐の衰退までの女一代記。おどろおどろしく残忍に歪曲されたフィクションとは一線を画す、壮大なスケールで読み応えがありました。悪女のように描かれる事が多いですが、纏足に代表されるような男尊女卑という唐後の風潮による偏見でしかないという評価の見直しに目か...

則天武后(武照)の出生から死後、唐の衰退までの女一代記。おどろおどろしく残忍に歪曲されたフィクションとは一線を画す、壮大なスケールで読み応えがありました。悪女のように描かれる事が多いですが、纏足に代表されるような男尊女卑という唐後の風潮による偏見でしかないという評価の見直しに目からウロコ。“悪口”鵜呑みにしててゴメンナサイ。「明日も仕事」を忘れ夜通し一気読みしそうでしたww。今年のマイベスト10に入る勢い。

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2011/04/02

家柄も美貌を持たない少女が皇帝の愛を受けて女帝として国を治めていく。その一方で女として最後まで男性を追い求める。そんな則天武后の生涯を描いた歴史的恋愛小説。則天武后がとても魅力的に描かれており、女の私が読んでも惚れ惚れする魅力的な女性だ。 学んだこと、女は美貌より賢さが必要だが、...

家柄も美貌を持たない少女が皇帝の愛を受けて女帝として国を治めていく。その一方で女として最後まで男性を追い求める。そんな則天武后の生涯を描いた歴史的恋愛小説。則天武后がとても魅力的に描かれており、女の私が読んでも惚れ惚れする魅力的な女性だ。 学んだこと、女は美貌より賢さが必要だが、生きる力の源はやはり愛であり、そのために不老と美貌を求めてしまう。そして、どうしても断ち切れぬものが血の繋がった子供だということ。 この女帝の姿を中国から一人渡仏し自分の才能を最大限生かして作家となったシャンサが、自分を重ね合わせて書いている。詩のような美しい文章に当時の栄華が目に浮かび、あっという間に引き込まれていく。 今まで読んだシャンサの本の中では最も面白かった。

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2010/12/16

唐代に誕生した周の女帝、則天武后の生涯を描いた小説。波乱に満ちた彼女の人生の苦悩を、女性ならではのタッチで繊細に描いている。

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2010/10/12

絵画的で流麗な文章。 中国の女帝を描いた、フランスのベストセラー。 作者のシャン・サは北京生まれだが、若くして渡仏。 画家バルテュスのもとで働きつつ親交を結んだとの事。 7歳で詩作を始め、11歳で処女詩集を公刊したらしく、才能あふれる女流作家のようだ。 美貌を持たな...

絵画的で流麗な文章。 中国の女帝を描いた、フランスのベストセラー。 作者のシャン・サは北京生まれだが、若くして渡仏。 画家バルテュスのもとで働きつつ親交を結んだとの事。 7歳で詩作を始め、11歳で処女詩集を公刊したらしく、才能あふれる女流作家のようだ。 美貌を持たないちっぽけな少女が、天運に導かれ、権力の中枢へと向かっていく。 皇后となり、ついには玉座をも得ることとなった彼女。 権力とともに手にした孤独。 中国唯一の女帝、則天武后が生きた波乱の人生を、詩的に、絵画的に描き現した作品。

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2009/10/04

武則天が好きだ!と喚いていたら、祖父が買ってきてくれた一冊。良く覚えてたね。 歴史ものは自分のイメージが大事ですね。 恋愛面、ではなくもう少し政治面を明るく描いてほしかった。 恋愛もの嫌いとしては少しつらかった。 初頁から圧倒されるくらいに、文章は綺麗でした。 訳文ですが。

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2011/08/01

ケタ違いである。全く。たった一人の皇帝にささげられた一万人の美女たち。そのほとんどが帝の寵を受けることなく、ひっそりとその生涯を終えるオンナの世界 後宮。そこはハーレムよりも秩序だっており大奥よりも残酷で、そして何よりもとにかくケタ違いにバカバカしいほど絢爛豪華なのである。平民出...

ケタ違いである。全く。たった一人の皇帝にささげられた一万人の美女たち。そのほとんどが帝の寵を受けることなく、ひっそりとその生涯を終えるオンナの世界 後宮。そこはハーレムよりも秩序だっており大奥よりも残酷で、そして何よりもとにかくケタ違いにバカバカしいほど絢爛豪華なのである。平民出身でありながら唐帝国の皇后に、そして女帝にまで上り詰めた照の強く美しく哀しい人生が描かれている。彼女は決してシンデレラではない、その手で身体で頭脳で全てを手に入れたのである。「全て」 いや しかし広大な唐帝国の絶対的存在として君臨していた女帝、傾国の美女として世界を指一本で動かしていた照が、本当に心から求めていたものは…それにしても、この国のこの時代に美女として生まれなくてよかった と心から思うのである。だって80歳になって20代の若者を愛するなんて絶対無理っ、いや ホント。

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