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判断力と決断力 の商品レビュー

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2014/06/02
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元自民党衆議院議員で、新党さきがけを結成し、細川政権において首相補佐を行った著者が、政治家・幕末の志士などを例にとりながら、判断力・決断力について記した書。 郵政改革が、参議院で否決された直後に解散に踏み切った、小泉元首相の卓越した決断力と、反小泉勢力の解散・およびその選挙戦に対する判断ミスなどを詳細に記している。 一方で、イラク戦争で、フランスの動向を予測できず、外務省とともにアメリカに同調してしまう判断の甘さも指摘している。 また、官僚の判断力の限界が現れた例として、日本の国連安保理常任理事国入り失敗が挙げられている。日本は常任理事国への加盟において必要な、国力、PKOに貢献できる軍事力、国連への財政的貢献、反テロへの協力などすべての条件を満たしているにも関わらず、各国の動向・力関係を読み切れず、また「常任理事国と非常任理事国の、拒否権の有無に対する本質的な違い」を理解しきれず、一般加盟国からも支持を得られなかったことなどが記されている。 そのほか、ヒトラーとのミュンヘン会談を終えて帰国した、フランス首相のダラディエと、イギリス首相のチェンバレンという、二人の首相の判断力などが例に挙げられている。チェンバレンの甘い判断力とは対照的に、ヒトラーの鋭い判断力と、決断力が描写されている。 一方で、その後の英仏の指導者チャーチル・ドゴールの決断力の見事さも描かれている。 最後に、石橋湛山や高杉晋作の決断力・判断力などが説明されている。 最初は政局を、後半以降は、歴史上の指導者の判断力・決断力を描写した歴史参考書のようなものでしょうか。

Posted byブクログ