自殺予防 の商品レビュー
・臨床の場で自殺予防に取り組む精神科医による著作。 ・私は、身の回りで自殺が起こったという経験はないが、自殺はどの社会階層でも発生しうると気付いた。つまり、当然ながら今後も起こらない保証はない。そして、既遂後に後戻りはできない。 ・日本に限らず世界的に見ても中高年男性の自殺が目立...
・臨床の場で自殺予防に取り組む精神科医による著作。 ・私は、身の回りで自殺が起こったという経験はないが、自殺はどの社会階層でも発生しうると気付いた。つまり、当然ながら今後も起こらない保証はない。そして、既遂後に後戻りはできない。 ・日本に限らず世界的に見ても中高年男性の自殺が目立つという。今後も高齢化が進む日本では、自殺予防の重みはいっそう増すことだろう。また、男性の自殺率の高さが職場に起因すると考えれば、今後は社会進出をより多く経験する女性にも注意を払う必要があると考える。さらに、大きな社会変動により、若年層の自殺が世界的に見ても増える傾向にあるという。私たちの生きる現代日本もまさに変動のさなかにある。 ・自殺は、多様な要因が複雑に絡み合って発生する。また、一定の準備期間を経て実行に至るケースが多い。精神状態、身体上の健康状態、極端な言動の変化など、サインを身落とさないことが肝要である。 ・深刻な相談を持ちかけられたとき、当人は悩んだ挙句に相談相手を選び抜いていると考えたい。「本題」とは一見無関係な話題から入る場合もあるが、かねてから「兆候」が感じられる場合は、丁寧に傾聴することが不可欠となる。相手が言葉を紡ぎ出せなくても、沈黙を共有することもまた大切である。
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自殺の心理学(講談社新書)に続き、どのようにすれば、自殺を防げるかについて書いた本。テキストが多いので、若干読みにくいため★3つ
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 年間自殺者三万人超という深刻な事態が一九九八年から続いている。 国としての対策も動きはじめた今、自殺を防ぐために知っておくべきことは何だろうか。自殺という死の実態、自殺に至る心理、心の病、とくに「うつ病」との関係、遺族に対するケア、国内外での先進的な取り組みなどについて、事例も交えて具体的につづる。 [ 目次 ] 第1章 自殺という死(青木ヶ原樹海からの生還者―自殺と記憶喪失 自殺は「強制された死」である 日本における自殺の実態 世界との比較から 年齢によって異なる危機 マスメディアの影響―群発自殺とネット心中) 第2章 自殺の心理(自殺の危険をどうとらえるか 自殺する人と自殺しない人の違い 「自殺したい」と打ち明けられたら どのようにして受診につなげるか 自殺の心理に関連していること) 第3章 こころの病と自殺(治療を受けずに自殺する人びと 自殺予防とうつ病治療の関係 うつ病とは うつ病の治療) 第4章 自殺予防の取り組み(国連による自殺予防ガイドライン フィンランドの実践 新潟県東頸城郡の自殺予防活動) 第5章 家族を支える、遺族をケアする(家族が抱える問題と自殺行動 自殺予防に不可欠な家族の協力 自殺が起きたときの遺族へのケア 芽生え始めた自助グループ ポストベンションは次の世代のプリベンション) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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「年間自殺者数3万人超」が十数年連続記録となって久しい。遅ればせながら、ようやく本格的に自殺対策が打たれ始めたが、まだ途上の段階だ。 本書は、自殺に至るまでの症状や、うつ病との関連、治療方法、遺族へのケアなどについて、平易に概説している。 自殺はうつ病など心の病(心理的病理...
「年間自殺者数3万人超」が十数年連続記録となって久しい。遅ればせながら、ようやく本格的に自殺対策が打たれ始めたが、まだ途上の段階だ。 本書は、自殺に至るまでの症状や、うつ病との関連、治療方法、遺族へのケアなどについて、平易に概説している。 自殺はうつ病など心の病(心理的病理)との関連が深いとされている。心を救うことが命を救うことにつながると実感する。 巻末には、相談機関の電話番号やURLなどの連絡先が載っている。
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最近、テレビや新聞などで自殺についての話がよく出ます。またそれが日本の大きな社会問題になっているのです。自殺は何で?よく疑問を持っていたのですが、大人になって仕事やいろいろ経験をしてみたら自分も自殺したくなる時がたまたまあります。しかし、その勇気はないですが・・・ 自殺は仕事での...
最近、テレビや新聞などで自殺についての話がよく出ます。またそれが日本の大きな社会問題になっているのです。自殺は何で?よく疑問を持っていたのですが、大人になって仕事やいろいろ経験をしてみたら自分も自殺したくなる時がたまたまあります。しかし、その勇気はないですが・・・ 自殺は仕事でのストレス、家族の分散、社会の自分に対する否認などが原因といわれますが、その様な自殺を防止するためには私たちに何ができるでしょうか?もちろん、一人一人の自覚も大事だが、社会、国がこの様な問題を解決していくためには努力をしなければなりません。
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日本では年間3万人も自殺する。リトアニア、ハンガリー、ロシアは更に多い。 死んじゃ駄目だよ、生きてるだけで儲けもんなんだから。いじめなんかで死んでいたら社会に出たらもっと壮絶ないじめがありますから。それでも人生、楽しいもんですよ。
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この著者による自殺関連の書籍は読みやすくていい。 専門用語もちょっと出てくるけれど、全然そういうのが分からなくても読める。 そういうふうに書いてある。 自殺についてチラチラと考えてしまうような人に読んでもらいたいのでしょう。 専門的に自殺予防という事柄について知りたいという感じで...
この著者による自殺関連の書籍は読みやすくていい。 専門用語もちょっと出てくるけれど、全然そういうのが分からなくても読める。 そういうふうに書いてある。 自殺についてチラチラと考えてしまうような人に読んでもらいたいのでしょう。 専門的に自殺予防という事柄について知りたいという感じでも、 満足できる内容であるように思う。
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精神科医によるものなので、心理的・医学的な見地からのみ書かれているのかと思いきや、非常に複合的な視点から自殺とその予防方法について考察されていて大変興味深い一冊になっている。この本の長所は何と言っても、臨床から得られた観察知見が具体的に記述され、素人でも読みながら考え、考えながら...
精神科医によるものなので、心理的・医学的な見地からのみ書かれているのかと思いきや、非常に複合的な視点から自殺とその予防方法について考察されていて大変興味深い一冊になっている。この本の長所は何と言っても、臨床から得られた観察知見が具体的に記述され、素人でも読みながら考え、考えながら読めるような論の進め方になっている点。それでいて具体例としてのエピソードにばかり流されることなく、適度な紹介と説得力ある解説が施されていて、著者がこれまで取り組んできた自殺予防研究の蓄積の厚みを感じさせる。自殺を観念的、抽象的にではなく、極めて社会政策的に取り上げているところもまさに「自殺を予防する」という具体的な目的を目指すもので明快だ。「自殺は自由意思によって選択された死ではなく、強制された死である」という前提から始まり、「大の大人の選択だから防ぎようがない」、「死ぬ、死ぬと言ってる者に限って自殺しない」というような自殺にまつわる(自己責任論的)誤解や偏見を実に“やわらかく”批判している。自殺についての前提となる認識を与えている点で、これまで自他ともに自殺とは無縁と思っている多くの人に読まれるべき一冊と思う。
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ほんの少しでも遺族について触れていることが良かった。自殺を考えるヒトには他人のことを思う余裕はないかもしれないし、それを非難することはできない。でも、遺された遺族はあの時こうしていればよかったとか、もっとこうするべきだったという「悔い」を抱えて生きていくことになる。悲しみは薄れて...
ほんの少しでも遺族について触れていることが良かった。自殺を考えるヒトには他人のことを思う余裕はないかもしれないし、それを非難することはできない。でも、遺された遺族はあの時こうしていればよかったとか、もっとこうするべきだったという「悔い」を抱えて生きていくことになる。悲しみは薄れても、後悔は残る。忘れてて欲しくはない。その重さにつぶされそうでも自殺のあとに残された人々の重さを知ってしまえば、自分も自殺することは出来ない。今をいかに幸せそうに生きていても取り戻すことの出来ない過去。それが遺族のココロの傷。誰にも僕のことで後悔なんてさせたくないし、天井からぶら下がるテーブルタップのコードなんて一生見たくない、誰にもも見せたくはない。あなたの命をどうするかの選択はあなた自身の自由です。でもあなたの命は自分だけのものではないということも忘れないで欲しい。
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自殺をしようとしている人に見て欲しい本。また、周辺に自殺予備軍が居る人にも見て欲しい。 自殺に至る過程、すなわち心の動きを直線上に並べ、わかりやすくしている。
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