少女七竃と七人の可愛そうな大人 の商品レビュー
わたし、川村七竈は、たいへん遺憾ながら、美しくうまれてしまった。母がインランだと、子が美しくなるといったのは親友の雪風。彼もまた美しい。しかし、この容姿と、母のせいで大変肩身の狭い生活をしている。男たちなど滅びてしまえ。 簡単にまとめると、こんな大層なことが書かれいる本です。 思...
わたし、川村七竈は、たいへん遺憾ながら、美しくうまれてしまった。母がインランだと、子が美しくなるといったのは親友の雪風。彼もまた美しい。しかし、この容姿と、母のせいで大変肩身の狭い生活をしている。男たちなど滅びてしまえ。 簡単にまとめると、こんな大層なことが書かれいる本です。 思春期の少女の姿として捉えると、中々面白い作品なのですが、どうしても今ひとつリアリティがなく感じます。 人間関係や親子関係といった多くの物をその中に詰め込んだ結果、そのどれもが中途半端になっているというのでしょうか。 表現自体が綺麗な分、それが際立ってしまっているように感じました。
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ジャケ借り★辻斬りは「Sweet Blue Age」にあったヤツ?人物の名前が可愛いなぁ。旭川を舞台にしてるのが、とてもしっくりきてる。冷たくて寂しい、でも凛として優しい冬の小説。
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台詞がなんだか特徴的でうつってしまいそう。とにかく美しいのです。他の作品も読んでみようかと思わされました。
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別の短編集で「辻斬りのように」だけ読んだ時には始まりが唐突すぎた感じを受けましたが、こうして一冊になると、なかなかです。
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すごおーーーく好き♪ 「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」孤高に生きる少女七竈を描いた少女小説であり、青春(成長)小説であり、母娘小説であるのが本書。桜庭一樹さんって少女を描くのが抜群に巧いなあとしみじみと実感。この作品では鉄道を愛する、ちょっと風変わりな奇跡の美少女...
すごおーーーく好き♪ 「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」孤高に生きる少女七竈を描いた少女小説であり、青春(成長)小説であり、母娘小説であるのが本書。桜庭一樹さんって少女を描くのが抜群に巧いなあとしみじみと実感。この作品では鉄道を愛する、ちょっと風変わりな奇跡の美少女七竈を創造。そればかりか、若くも美しくもなくなった少女のなれの果てまであけすけにシビアに描いていて、興味深い物語でもあります。年齢が近い分、いんらんな母である優奈により共感したりして。 些細なものからかなり重要なものまでミステリ的仕掛けが随所に散りばめられているので、そういう意味でも読み進めるのが楽しかった作品でした。七竈な重要な使われ方をしているのには、こんな意味があったのか、、、。 美少女七竈と美少年雪風の2人だけの閉じた完全な世界は永遠になれるのか…。読み終えて感傷でつんときそう。 (2006.8.11読了)
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ふわふわと浮いているふたり。 そんな七竃と雪風。 ふたりが互いを呼び合うシーンは共鳴してるよう。
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とてもきれいな文章です。儚く、脆く、そしてほんの少しの狂気を孕んでいるような文章です。主人公の七竈には“どんな女子高生だよ”とつっこみたくはなりますが、私が読んだ桜庭一樹さんの作品の中では最高のもの。
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