海は語らない の商品レビュー
インド洋における通商破壊作戦であるサ号作戦において16戦隊の重巡利根が、獲得した捕虜を殺害したビハール号事件と、それにまつわる戦後の戦犯裁判を、戦隊司令官の左近允スケープゴート説に基づいて書くノンフィクション。 戦犯裁判で対立関係に立つ利根の黛艦長と戦隊司令官の左近允のうち、左近...
インド洋における通商破壊作戦であるサ号作戦において16戦隊の重巡利根が、獲得した捕虜を殺害したビハール号事件と、それにまつわる戦後の戦犯裁判を、戦隊司令官の左近允スケープゴート説に基づいて書くノンフィクション。 戦犯裁判で対立関係に立つ利根の黛艦長と戦隊司令官の左近允のうち、左近允の側に立って書かれたものであることに留意して読む必要があるが、海軍が「敵人的資源の殲滅」の名の下に実行した戦争犯罪と、上層部の責任逃れによって現場に責任が押しつけられる様子がわかる。
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