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邪魅の雫 の商品レビュー

3.8

228件のお客様レビュー

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    45

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2009/10/04

己は世界の中心にあらず、己が世界の一部にある。仏頂面の拝み屋が語る世界は世の理であるかのように、全てを調和させてゆく。法ではどうにもならない元凶を断罪した一言に脱帽。さすがは京極、読ませてくれた。

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2009/10/04

待ちに待った新刊。黒幕(と言って良いものか…)はすぐに分かりますが、でも面白い。もう、いつものメンバーが生き生き動いてるの見れただけで満足。 最後まで読み終えた後、もう一度最初から読み直したくなる力があります。

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2009/10/04

火曜サスペンス劇場のよう…。 でも、しかし、シリーズのファンとしては待望の新刊。くやしいけどやっぱり大好きだ京極堂シリーズ! でも火曜サスペンス…。

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2009/10/04

久々の京極の新刊。久しぶりに面白かった。世界は私にとって見えるものがすべてであって、会話が他人と共通の理解のもとに成り立っているなんていうのは幻想だと。わかっているはずのことを改めて教えてくれる本。京極は前提となる(一見関係ない)ルールを説明する部分が面白い。この本が面白かったの...

久々の京極の新刊。久しぶりに面白かった。世界は私にとって見えるものがすべてであって、会話が他人と共通の理解のもとに成り立っているなんていうのは幻想だと。わかっているはずのことを改めて教えてくれる本。京極は前提となる(一見関係ない)ルールを説明する部分が面白い。この本が面白かったのは、榎木津が『姑獲鳥』『魍魎』の辺りくらいまでと同じく論理を持って喋っていること(最近のは奇矯すぎて好きになれない)、関口がきちんと喋っていること、今までキャラクターの個性が変な方向に流れすぎていたのをある程度最初の頃に引き戻してくれたところが、久々に嬉しかった。山下警部補、今の彼となら、一緒に働いてみたいですね。責任やけじめを取るところが格好いい。

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2009/10/04

 京極堂シリーズの中で、読後に一番後を引いた。最後の榎木津の短い言葉の数々。思い入れのある登場人物だけに、その気持ちを察するとあまりに辛い。  レギュラーメンバー達が面の下を見せる中、前作、陰摩羅鬼と同じく関口に共感を覚える。  また真犯人の「対等でありたい」心、大鷹の混沌など、...

 京極堂シリーズの中で、読後に一番後を引いた。最後の榎木津の短い言葉の数々。思い入れのある登場人物だけに、その気持ちを察するとあまりに辛い。  レギュラーメンバー達が面の下を見せる中、前作、陰摩羅鬼と同じく関口に共感を覚える。  また真犯人の「対等でありたい」心、大鷹の混沌など、身につまされる。

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2020/07/15

「どんな場合も殺していい理由なんてものはないんだよ。理由は関係ない。関係あるのは情状だよ」(p.32) 「世間と云うのはね、社会の影だよ。社会的に実体のないものもそこにはあるんだな。世間にはね、あることないことが無責任に同居している。嘘も誹謗も同情も過大評価も褒め倒しも、何でもあ...

「どんな場合も殺していい理由なんてものはないんだよ。理由は関係ない。関係あるのは情状だよ」(p.32) 「世間と云うのはね、社会の影だよ。社会的に実体のないものもそこにはあるんだな。世間にはね、あることないことが無責任に同居している。嘘も誹謗も同情も過大評価も褒め倒しも、何でもありだ。世間は法で律することが出来ない。世間は興味で成り立っている。基準は倫理でも法律でもない」(p.34) 「世界は、二つに分けられる。個人の内部の世界と、外側の世界だ。言葉は内側から発せられて、外側に向かうものだね。内側に於いて言葉は全能だ。世界そのものでもある。しかし、外に出た段階でそれは世間と云う膜に吸収され、大した効力を持たないものになってしまう。社会にも届かない。勿論、世界になる届く訳もない。言葉は現実の世界に対しては全く、ただの一つも効力を持っていないのさ」(p.173) 「非合理的だからあり得ない、不自然だから間違っている、そんなことはないんだよ。世の中は矛盾や不具合で満ち満ちている。普通なら信じられないような事態でも、起きる可能性があれば平気で起こる。起きる確率が異様に低い出来事でも、偶然起きないとは云い切れない。それでいて、起こり得ないことは何がなんだって絶対に起きない。どんなにありそうなことでも起きないものは起きない。」(p.366)

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2009/10/04

青木文蔵がんばっちゃうぞ刑事さん編。 いつもとちょっと文の雰囲気違うのもまた一興。ただ、後半走ってしまった感もあるが、とにかく青木君大活躍。

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2009/10/04

次々と破談となる榎木津礼次郎の婚約話に何か裏を感じた榎木津の伯父今出川からの真相調査を命じられ、薔薇十字探偵社の探偵見習い益田は成り行きで調査活動をはじめる。 一方、木場ともども降格左遷されていた青木刑事は、本庁・公安・県警本部の合同捜査本部が設置される、不可解な毒殺事件を追っ...

次々と破談となる榎木津礼次郎の婚約話に何か裏を感じた榎木津の伯父今出川からの真相調査を命じられ、薔薇十字探偵社の探偵見習い益田は成り行きで調査活動をはじめる。 一方、木場ともども降格左遷されていた青木刑事は、本庁・公安・県警本部の合同捜査本部が設置される、不可解な毒殺事件を追っていた。公式的には単独の事件とされながら、上層部は何かを隠蔽しつつ、連続殺人事件として捜査指針を下される二件の殺人事件。しごく真っ当な操作手順を敢えて飛ばす本部の指示と、警察内部の三つ巴の縄張り意識の軋轢の中で、青木は所轄の若手捜査員とともに独自の捜査を進めていく。 そして、長野県警を退職した胡乱な男大鷹は、謎の女から、一人の女の身辺警護を依頼される。 ご存知の面々がそれぞれの思惑の元に集う先は平塚。そして、海沿いの寂れた町にまた新たな毒殺事件が沸き起こる。 大まかな構成はシリーズ通してのフォーマットに則っているものの、京極堂の妖怪講釈が無かったりなど、ちょっと趣向が変わっている。メインで活躍するレギュラーメンバーが地味な2ndリーグの顔ぶれである。が、元あるいは現役の警察関係者で〆られているため、ちょっとした警察小説めいた展開で物語が進むところも、目先の変わったところだ。 事件そのものはそれほど複雑ではなくテーマ性も明解。が故に、ちょっと食い足りない感があるかもしれない。特に、勘のいい人間なら、割合はやばやと帝銀事件および堂島大佐の匂いを感じ取る事だろう。ただし、良くも悪くもその予断は裏切られるので、アンチ『塗仏の宴』なファンは途中で投げ出す必要は無いと思う。。。。。あの結末をみてどう思うかは与り知らないけれどね。

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