古道具ニコニコ堂のなんとなくコレクション の商品レビュー
表紙を一見して驚愕する。そこには斬首され晒された首の如く一種異様なたたずまいで何かが並べられている。それが1cm~2cmくらいの鉛筆の頭部?だと認識できると次第に緊張がゆるんでくる。最初は頭部だけを切り取って並べたのかと思ったがどうも使い切ってちびた姿になった様子。鉛筆の芯をつく...
表紙を一見して驚愕する。そこには斬首され晒された首の如く一種異様なたたずまいで何かが並べられている。それが1cm~2cmくらいの鉛筆の頭部?だと認識できると次第に緊張がゆるんでくる。最初は頭部だけを切り取って並べたのかと思ったがどうも使い切ってちびた姿になった様子。鉛筆の芯をつくつくに力強く天を指すもの、くたびれてもう立つこともできずころんと横になったもの、84本のちびた鉛筆がそれぞれ思うままに集合している。一本一本が人の手で丁寧に芯を削られている。その愛された鉛筆の美しいこと。緊張が走った分見れば見るほど可笑しさが込み上げてくる。 ページをめくると50音順で古道具ニコニコ堂の店主中嶋康郎さん(作家長嶋有さんのお父上)のコレクション(故意に集めたもの、自然と集まって来たもの)を写真付きで紹介してくださっている。 例えば、他人の歯や金歯、 大きな品を買った際にお店の人が紐でくくって最後に持ちやすいように付けてくれる持つところが木で出来たとっ手、まち針、牛乳瓶のふた、コンビーフのかぎ などなど。長嶋有先生の作品中に出てきた自家製『軍艦将棋』も紹介されていて、読んでいると時々長嶋有先生の作品がオーバーラップする。本書にはそんな注釈はもちろん書いてないが、長嶋有先生の作品を読みつくしている人には私以上にたくさんの発見が出来るのではないかと思います。 昭和二十年代の縁日グッズ紹介(写真無し)もほんの1ページながら思い出深く面白かったです。 最後に著者長嶋康郎店主の写真が載っているのですが、『古道具ニコニコ堂です』のレビューでも書きましたが、ほんと老けてみえます。お顔の肌は若々しいのですが、立ち居姿がやっとやっと生きてますという雰囲気。S22.11.22生まれ 本は2006年発行だから58歳 58歳ねぇ う~~ん ご自愛戴きましてまた新しい本を出版していただけると私としてはとても嬉しいです。
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