プロジェクト現場から見た内部統制 の商品レビュー
内部統制は、株主保護と、組織として健全であるために行う必要がある行為である。しかし、いくら内部統制を厳格に行なっているからといって、企業の不正が起こらなくなるわけではない。 日本の企業文化として、阿吽の呼吸というような、非定型な柔軟なビジネスが行われている。それをマニュアル化して...
内部統制は、株主保護と、組織として健全であるために行う必要がある行為である。しかし、いくら内部統制を厳格に行なっているからといって、企業の不正が起こらなくなるわけではない。 日本の企業文化として、阿吽の呼吸というような、非定型な柔軟なビジネスが行われている。それをマニュアル化して、プロセスを明確にし権限管理を行うことに対して反発がないわけではない。しかし実際には、きちんとプロセス化することで、属人化していた業務範囲が明確化になり、会社文化の明文化に貢献するなど利点がある。また、業務のアウトソーシングとして明確にプロセスが定義されたことで可能となった。 そして内部統制に絡んで、IT関連の統制というのは切っても切り離せない問題である。営業のロールを持っている社員が、経理のロールを割り当ててしまうと、好きなようにお金を操作してしまうおそれがある。そのようなシステムになるよう設計はするべきではないし、内部統制上問題が起こるロールをあわせて持たせることは絶対に回避するべきことである。 一つのERPパッケージで業務が行われている場合は権限管理は容易だが、複数のレガシーシステムで構成されている場合、社員の異動などに伴い、複数のレガシーシステム単位でロール管理を行わなければならないのだが、果たしてどこまで厳格に行われているのであろうか。 未だに過去に所属した部署のシステムにアクセスできることは、本来できてはならないのだが。 この本では、中堅以上の実務者向けに書かれており、内容は難解な部類に入るだろう。専門的な用語が、幅広い専門領域にわたり怒涛のごとく出てくる。
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