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まともバカ の商品レビュー

3.8

29件のお客様レビュー

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2013/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

“発想の転換”に富んだ話に、ものの見方・考え方がガラリと変る本。 養老孟司の講義、著書を再編集してまとめた一冊。 タイトルはおそらく出版社あたりが「バカの壁」にあやかったのでしょう。 面白いと感じたり 気になった話をいくつかご紹介します。 都市は建築家の脳の中のイメージを具現化したもの。 制度も社会も人が作ったものは全て、誰かの脳を具現化したもの。 だからそこに住む人はみんな、誰かの脳の中に住んでいるといえる。 都市では、予定通りにならないもの つまり自然を極力排除した。 しかし どうしても排除出来ないものがあった。 それは、人間自身だった。人の身体、そして生と死は自然そのものだ。 人の生死も、自然災害も 本来あるべきものを都市ではないものとした。 あるべきものを特殊とする考え方のズレが問題なのだ。 全然問題なんかじゃない。人は生まれ、年とって 病気で死ぬものだ。 出産は調整できるようになったが、産まれる本人にとっては別の話だ。 人は はっと気付いたら生まれ、はっと気付いたら死んでいる。 この先どうなるか判らない それでも何かしなきゃならない そういうときに なにかする気持ちを「覚悟」という。 戦後日本は民主化、近代化といって進んできたが、本質は都市化だった。 つまり みんな自分の田舎を 都市にしたのだ。 (私見) ♪山は削られ 川は死に ビルが立ち並び 求められたのは 発明家と娼婦♪ とBJCが歌ったように。 確かに今や、国道沿いでは日本全国どこへいっても同じような店が並び、 一瞬今自分がどこに居るのか判らなくなりそうになる。(私見終わり) 赤ん坊は 何かの目的を持って生まれてくるわけではない。 自分の人生だってそうです。何かの目的のために生きてきたわけじゃない。 手帳の予定に末来を盗まれている。みんな先の事を決めないと動けない。 いっさい何も決まっていない末来こそ 財産なのです。 門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし 諸行無常

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2013/10/25

宮崎駿さんとの対談本が面白かったので、養老さん単独だとどんな話になるのかな、と興味があって読みました。 著者は東大医学部で教鞭をとっていたような人なので、てっきり難しい話が展開されるのかな、と思っていたのですが、全然そんなじゃありませんでした。 むしろ逆です。 たまに難しい言...

宮崎駿さんとの対談本が面白かったので、養老さん単独だとどんな話になるのかな、と興味があって読みました。 著者は東大医学部で教鞭をとっていたような人なので、てっきり難しい話が展開されるのかな、と思っていたのですが、全然そんなじゃありませんでした。 むしろ逆です。 たまに難しい言葉が出てきたりするけれど、流石に元先生ということもあってか噛み砕いた説明を入れてくれている。 全体のテーマとしては、人間の発想というか、人間が今まで歩んできた近代化の流れを少しずつ切り取って、脳と絡めて語るって感じでした。 著者は考えることをしているのですが、なんというか、ただ難しく考えるというよりも、考えてシンプルにしてしまって、蹴っとばしていくようなスタイル。 あれはこうこうだから~、ま、こんな感じですよね、という風。 文化的な話、科学的な話、実体験が入り混じっているので、好きなところだけつまみぐいするのもいいし、全体を通して一貫したテーマを感じるのも面白いと思います。 著者の語り口からは、自然には逆らえないよね、という考えがひしひしと伝わってきます。 そういう考えが嫌いな方、人間はどんどん道を切り開いて行けるよ、と思う方はもしかしたら思想が合わないかもしれない。 しかし著者も伊達に歳食ってないので、そこはたぶん長年の経験から得た実感というのが色濃く出てるんじゃないかなと思います。 そういう意味では結構じじくさい本かも。 でも、若い世代からすると新鮮かなと思います。 そういう目線から見ると今の若者ってどう映ってるんだろうってのがなんとなくわかる。 特に学生たちと関わっていた人だから尚のこと。 なんだかいろいろなテーマを考えてるはずなのに、読後はスッキリ。 自然の残酷さとか、現代の息苦しさも淡々と語っていく感じだから逆に悲壮感を感じさせないというか、感情的な面がないので、読んでいて楽です。 そういう意味で、いい本だったなと思います。

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2015/03/18

好き嫌い係数 人間の意識のもとになる脳の働きについて書いています。      私たちの好き嫌いの原因である入力xに対する出力y(=ax)のバイアス「a」、好き嫌い係数(=バイアス)について、あ〜なるほど!と理解できました(^o^;

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2011/09/26

まともバカ。 現代人のまともという感覚が本当にまともであるか?という提起。 自然と切り離された世界はまともなのか? 死や当り前の衰退を遠ざけ、異形視し異物化してしまうその考え方にこそ歪みを感じる。と大きく同意を持った。 養老先生について全くの不勉強で読み始めたため、著者がT...

まともバカ。 現代人のまともという感覚が本当にまともであるか?という提起。 自然と切り離された世界はまともなのか? 死や当り前の衰退を遠ざけ、異形視し異物化してしまうその考え方にこそ歪みを感じる。と大きく同意を持った。 養老先生について全くの不勉強で読み始めたため、著者がT大医学部で解剖学を教えていた際のエピソードのひとつに衝撃を受けた。 彼の教え子がカルトに傾倒していたことを知った時の驚きというかどうしてそうなったんだー!!という疑念の気持ちは本を介してでさえこれだけのものなのだから、著者本人は相当のものだったのではないか。面白く読めるも考えさせられる一冊。

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2011/09/04

「シュルレアリスムとは何か」(筑摩書房 )・巖谷 國士 を同時に読むと色々とリンクされて面白かったです。 (2011.09.04)

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2010/11/08

さすがに解剖学のお医者さんだけあって、 スッパリと人間の行動と脳の働きの関係を見せてくれる。 人としての生き方に関して示唆が得られるよう。

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2010/09/27

「まともバカ」4 著者 養老孟司 出版 大和書房 p120より引用 “何が現実であるかを、 われわれは頭の中で決めているのです。” 解剖学者である著者による、 脳と体や世界との関係を独特の視点から記した一冊。 以前他社から刊行された2冊の著作を、 文庫化にあたり新編集・改題...

「まともバカ」4 著者 養老孟司 出版 大和書房 p120より引用 “何が現実であるかを、 われわれは頭の中で決めているのです。” 解剖学者である著者による、 脳と体や世界との関係を独特の視点から記した一冊。 以前他社から刊行された2冊の著作を、 文庫化にあたり新編集・改題した物。 上記の引用は、 第2章の中の夕焼けについての一節の中の一文。 自分の脳で認識できない物は、 この世に存在していないのと同じという事のようです。 世界の見方が何だか変わりそうな一冊ですので、 世の中を少し違った見方をして見たい方に。 ーーーーー

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2010/08/19

ものごとの見方について知りたくて読書。 道(どう)について考えた。身体と心を一体化させて動かしてこそ、道となり、形となる。 華道、車道、相撲道、柔道、剣道、合氣道、空手道の道とは文化であり、心身統一道であり、修行である。都市化により本来は一体として動かすべき心と身体が分離してし...

ものごとの見方について知りたくて読書。 道(どう)について考えた。身体と心を一体化させて動かしてこそ、道となり、形となる。 華道、車道、相撲道、柔道、剣道、合氣道、空手道の道とは文化であり、心身統一道であり、修行である。都市化により本来は一体として動かすべき心と身体が分離してしまった。 脳は現実と非現実が区別できない。脳が現実を作り、未来を作る。 読書時間:約1時間 本書はソウルのブックオフで購入しました。

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2010/07/29

解剖学の第一人者による講演録。難しい領域の話をやさしく語ってくれている。 人間の脳が「まとも」と「バカ」の境界をつくっている。 「都市」は、人間の脳が外に表現されたもの。 「自然」は、意識的に頭でコントロールすることはできない。「生老病死」も。 現代人の都市生活は、生老病死を...

解剖学の第一人者による講演録。難しい領域の話をやさしく語ってくれている。 人間の脳が「まとも」と「バカ」の境界をつくっている。 「都市」は、人間の脳が外に表現されたもの。 「自然」は、意識的に頭でコントロールすることはできない。「生老病死」も。 現代人の都市生活は、生老病死をあたかもコントロール可能であるかのように錯覚し、見ないようにしている。    ↓ アンバランスさ    ↓ 頭は、自分の思い通りになるネットの仮想空間で満足させ、身体は、田舎暮らしで不自由させることで、バランスがとれるのではないかという提案

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2010/04/06

相変わらずブレない軸、悪く言えばマンネリ。でも真理ってマンネリなもんだと思うので、それは別にいい。前までと似たようなことが書かれてるんだろうなー、と思いつつもつい手にしてしまう俺は、養老じいちゃんの愛のある慧眼が大好きなんである。人工と自然、都市と田舎、現実と仮想などの関係性を「...

相変わらずブレない軸、悪く言えばマンネリ。でも真理ってマンネリなもんだと思うので、それは別にいい。前までと似たようなことが書かれてるんだろうなー、と思いつつもつい手にしてしまう俺は、養老じいちゃんの愛のある慧眼が大好きなんである。人工と自然、都市と田舎、現実と仮想などの関係性を「ああすればこうなる」原理で串刺しにして対立や歴史的な流れをシンプルに説明してくれている。養老じいちゃんの本はどれでもいいけど、一冊読んでると「現代とは何か」を考えるヒントになる。

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