サラマンダー殱滅(下) の商品レビュー
いろんなSFの要素がてんこ盛りでした。好みとしては、こういうコミカルなやり取りもあったりする小説はそれなりの結末を期待してしまいました。歳のせいでハッピーエンドを求めてるだけなのかもしれませんけど。あのエピローグならもうちょっとハードタッチなほうがよかったです。
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普段は見せない梶尾真司の「凄み」を思い知らされる一冊。圧倒的なイマジネーションと、それを支え切る確固としたリアリティ。ハードなストーリーだが、それでいて全編を貫くのはやはりいつもの梶尾真司らしい優しさ。このまったく新しいコラボレーションに心が震えた。
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夫と子供を奪われた主婦が復讐の戦士となる 「カーラのゲーム」を少し思い出した。 目的を達するために 出発点となるはずの過去の記憶を失う道を選び 何故、何のために誰のために復讐をするのか 意義を失い自分自身すら飲み込まれながら よろめき、熱く、静かに疾走する主人公と 周りをかため...
夫と子供を奪われた主婦が復讐の戦士となる 「カーラのゲーム」を少し思い出した。 目的を達するために 出発点となるはずの過去の記憶を失う道を選び 何故、何のために誰のために復讐をするのか 意義を失い自分自身すら飲み込まれながら よろめき、熱く、静かに疾走する主人公と 周りをかためるキャラクターたちの活躍と運命は 上下巻を一気に読ませるのに充分な魅力。長さは感じない。 一方で、変態、異常者的な敵?方の登場人物は あまり印象的ではない。 血と暴力が渦巻く世界を変えたあとに待っている エピローグの空気は、主人公が劇中で抱えていた 苦悩や戸惑いを、なんら意識しない世界への皮肉か。 復讐の結末といい、このあたりの虚しさが あらゆる登場人物たちの結末、運命への悲しみに通じる。
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人は何の為に戦うか? 雑誌掲載時には感じなかった命題を今だからこそ強く考える。 愛する人のため? それかいつしか、戦うために戦い意味を失っていく。 今だからこそ一層感じた。
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高校生の時、友達が貸してくれた本。 あんまりにも面白いから「売ってくれ」と言ったら、 「この本は絶版になってて手に入らないから駄目」と断られた。 仕方ないので(当時はネット通販とかなかったから) 自力で古本屋を巡って探して買った。見つけた時は嬉しかったな。 今でこそ「黄泉がえり」...
高校生の時、友達が貸してくれた本。 あんまりにも面白いから「売ってくれ」と言ったら、 「この本は絶版になってて手に入らないから駄目」と断られた。 仕方ないので(当時はネット通販とかなかったから) 自力で古本屋を巡って探して買った。見つけた時は嬉しかったな。 今でこそ「黄泉がえり」で有名になったせいか こうして再版されてるけど、なんでか世間の評価が低いように思う。 面白いのになぁ。 SF書きの難しいところは、想像の少し上を想像して書かなくては いけないところで、かけ離れすぎると読者がついていけず、 かといってすぐに想像がつくようでは安直だと言われる。 そういう意味で、この作品に出てくる表現ってのは丁度良い案配になっていて読みやすい。 それに、最初は気持ち悪い(ごめん!)主人公がどんどん いい男になっていくのも読んでて楽しいし、脇役の捜査官も 良い味を出してると思う。渋いおっさん大好き! 読後感もいいと思う。バランスの取れたエンドで、 必ずしもハッピーじゃなくてもちゃんとカタルシスが得られる。 ‥‥お薦めしたいんだけど、SF駄目っていう人の多いこと‥‥ もったいないなぁ。
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