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新しい英語史 の商品レビュー

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2014/12/07

 英語史の時代区分やイギリス、アメリカ英語の歴史を概観した後、著者の専門である初期近代英語から中英語、古英語、ゲルマン語へと遡っていくもの。シェークスピアやエリザベス11歳の時に書かれた書簡、ミルトン、チョーサー、べオウルフなどの実例も多く載っており、巻末には英語史を勉強する上で...

 英語史の時代区分やイギリス、アメリカ英語の歴史を概観した後、著者の専門である初期近代英語から中英語、古英語、ゲルマン語へと遡っていくもの。シェークスピアやエリザベス11歳の時に書かれた書簡、ミルトン、チョーサー、べオウルフなどの実例も多く載っており、巻末には英語史を勉強する上での基本的な用語集や古英語の屈折表なども載っている。さらに、エピソードとして著者がどのような経緯で現在の研究に至ったかを、言語学史を俯瞰しながら述べられている。全体としては、外面史も内面史もバランス良く、広く浅くという感じになっている。  エピローグが「私の語学遍歴」となっていて、いささかエッセイのような雰囲気もあるが、実際にはサピア、ヤコブソン、クルトネ、マテジウスなど言語学史を勉強すると必ず出てくる人がその業績とともに紹介されており、言語学史の勉強になる。フィロロジーと相容れなさそうなチョムスキーも途中までは勉強したと書いてあり、やっぱり研究者になるような人は違うなあと思った。というか言語の研究者を目指す人にとっては勉強になる本だと思う。個人で読むには色んな英語の実例を読むのに苦労してしまい、この本を英語史の授業の教科書とするというのもアリなのではないかと思った。(14/12/07)

Posted byブクログ