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諸刃の援助 の商品レビュー

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2009/10/07

 国際開発コンサルタント会社を運営し、同時に学術界やNGOなどにも関与するメアリー・アンダーソン編による報告書。前半部は、国際支援が紛争に関与してしまう現実をプラス・マイナス両局面から概観し(理論化し)、後半部で各事例に成功例と失敗例から、考察するという内容になっている。前半部の...

 国際開発コンサルタント会社を運営し、同時に学術界やNGOなどにも関与するメアリー・アンダーソン編による報告書。前半部は、国際支援が紛争に関与してしまう現実をプラス・マイナス両局面から概観し(理論化し)、後半部で各事例に成功例と失敗例から、考察するという内容になっている。前半部の「援助が紛争に関与する、影響を与える」という考えの下に、国際援助の影響を定性化しようとする試みは、報告書だけあって分かりやすい反面、不十分であるようにも感じるが、後半部を見ればその理由も明らかで、そもそも本書の目的は机上の空論を展開しがちな学術界よりも現場レベルで何ができるのかという、NGOや国際支援の政策論、もしくはそれらに関与する人々が留意するべき先人の経験からの学習と言った内容だ。NGOや国際支援関係者は是非、読むべき。学部生も国際開発などを専攻する院生にも、各ケーススタディの経験はタメになる。一度でも開発や援助の現場に関わったものは特に経験を共有し、次に生かす事が出来るだろう。

Posted byブクログ