日本の歴史 改版(21) の商品レビュー
中央公論の歴史本第21巻。時代は明治。憲法制定と国会開設の請願、がこの本の主軸となっている。自由民権運動は1874年(明治7),板垣退助らによる民撰議院設立要求に始まり,国会期成同盟を中心に全国的に広まった。運動は81年,10年後の国会開設を約束する詔勅を引き出し,自由党や立憲改...
中央公論の歴史本第21巻。時代は明治。憲法制定と国会開設の請願、がこの本の主軸となっている。自由民権運動は1874年(明治7),板垣退助らによる民撰議院設立要求に始まり,国会期成同盟を中心に全国的に広まった。運動は81年,10年後の国会開設を約束する詔勅を引き出し,自由党や立憲改進党などの政党結成へと進んだが,政府の弾圧強化と運動内部の対立,福島事件や加波山事件など激化事件が相つぐなかで衰えた。板垣退助も演説中、暴漢に襲われ重傷を負うが、「板垣死すとも自由は死せず」などと言ったというのはデマであった。(誰か他の人が言ったとか。)明治十年代の政治の現実においては、絶対主義的な国家形態の変革=国会開設=立憲政体の樹立という目標こそが士族民権家や都市ジャーナリストや豪農運動家など多数の人々の共通の目標だったろう。国会開設を要求する請願の波は13年になって巨浪のごとく高まって士農工商や老若の別なく、異口同音にみな国会ひらくべしと唱道し、資産をおしまず奔走し、四方に遊説して同志をつのり、社を結び党をたて、甲は乙に先んじようと欲すれば、乙は甲におくれまいとのぞみ、その競争興起の情は、あたかも維新革命のときの尊王倒幕の志士たちのそれと同様であったという。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou33701.html
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【読書レビュー 584】 色川大吉(解説・江井秀雄)『日本の歴史21ー近代国家の出発』中公文庫、2006年 地方巡幸、村の維新・村の開化、自由民権、帝都繁昌記、請願の波、大隈財政、ゆらぐ明治政権、幻のクーデター、北海道開拓、自由党は抵抗する、内務卿山県有朋、資本主義創生記、条約...
【読書レビュー 584】 色川大吉(解説・江井秀雄)『日本の歴史21ー近代国家の出発』中公文庫、2006年 地方巡幸、村の維新・村の開化、自由民権、帝都繁昌記、請願の波、大隈財政、ゆらぐ明治政権、幻のクーデター、北海道開拓、自由党は抵抗する、内務卿山県有朋、資本主義創生記、条約改正と対清軍備、伊藤博文と憲法発布、花ひらく近代文化、アジア最初の議会
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明治政府の本質は有司専制にあると見きわめたとき、士族民権家も、都市ジャーナリストも、豪農運動家も、自由の伸長・民権の拡大を求めて猛然たる闘いを開始し、政府は政権の安定と永続のための装置づくりに没頭する。帝国議会開設に至るこの白熱の歳月を民衆の基底部から描き出す。
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