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閃光 の商品レビュー

3.6

55件のお客様レビュー

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    8

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/10/12

「三億円事件」をベースにした警察小説。 文庫としては分厚い部類に入りますが、ただ長いというのとはまた違う理由で、読み終えるまでに時間が掛かりました。 玉川上水で、男性の扼殺体が発見されるところから始まる一冊。 被害者の身元はすぐに判明し、特に珍しいものでもない事件と思われます...

「三億円事件」をベースにした警察小説。 文庫としては分厚い部類に入りますが、ただ長いというのとはまた違う理由で、読み終えるまでに時間が掛かりました。 玉川上水で、男性の扼殺体が発見されるところから始まる一冊。 被害者の身元はすぐに判明し、特に珍しいものでもない事件と思われますが、定年を間近に控えた警視庁捜査一課のベテラン刑事・滝口は被害者の名前を聞くや否や、顔色を変え、自ら捜査本部へ名乗りをあげます。 滝口とペアを組む所轄署の若手刑事・片桐は、自分を無視するかのような滝口の勝手な捜査に苛立ち、反感を覚えますが、途中滝口から殺人事件の被害者が三億円事件の容疑者の一人であり、また、滝口自身が三億円事件の捜査に当たっていたことを聞かされ、興味を覚えます。 そして物語はその不良グループを付け狙った犯行が続く形で進行していきます。 三億円事件は地元の不良グループによる犯行であり、また警察はその事実を把握していながら、事件の真相を闇に葬った― 警察が事件の真相を隠蔽する理由は、少なくともフィクションの世界では一つしかなく、また、不良グループを狙う犯人も途中で分かってしまったので特に驚くような展開はありませんでしたが、主要登場人物が多いにも関わらず、一人一人の心理や環境を丁寧に且つ矛盾や過不足もほぼなく、描き上げる力はお見事。 欲を言えば、終わり方が物足りませんでした。 これだけ長々と力強く書き上げたのに、最後の最後で力尽きたのかしら?と思うような。少し肩透かしをくらった気分です。 作品の中に、思わず応援したくなるような、肩入れしたくなるような魅力的な人物がいないのもこの作品の特徴でしょうか。 筆者の語彙力の多さ?高さ?も、特徴のひとつ。 知らない熟語が多かったのですが、それも不思議とこの作品の雰囲気にマッチしていましたね。 もし三億円事件の真相がこの小説の通りだとしたら納得できませんし、現実社会においては矛盾があると思うので、満足度は普通です。

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2022/09/11

骨太な小説だ。 昭和史に残る大事件を背景に、様々な思惑や思想が入り混じる。 後味は良くないが、読み応えはある。

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2022/01/03

三億円事件をベースにしたフィクションで、もう19年前に書かれたもので文庫も積読だったのですが、まぁ面白い本でした。600頁も飽きることなくワクワク感で読まされました。不明な点が多い事件ですが、意外とこのような真相があるかもという感じがします。

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2021/02/07

面白かった〜!でも、長かった〜! 600ページにも及ぶ長編!活字も小さいし…これは老眼の影響か…(~_~;) 戦後三大未解決事件とも言われる「三億円事件」を題材に。 金銭的被害がないのもあり、被害金額2億9430万7500円の語呂から、「憎しみのない強盗」とも言われたみたい。 で...

面白かった〜!でも、長かった〜! 600ページにも及ぶ長編!活字も小さいし…これは老眼の影響か…(~_~;) 戦後三大未解決事件とも言われる「三億円事件」を題材に。 金銭的被害がないのもあり、被害金額2億9430万7500円の語呂から、「憎しみのない強盗」とも言われたみたい。 でも、実は… 警察の組織の論理が優先し、事件をうやむやにして、時効を迎えた事件。 でも、それが、30年以上してから、また動き出す! ほんまの事件の事実と絡ませながら、上手くミステリーとして仕上がってるわ! 警察組織って、ほんまに許せんな!って思えてくる。 「嘘つきは泥棒の始まり」って言うけど、その泥棒を取り締まる方が、嘘ついたら、何の始まりになるの??? ほんまに!o(`ω´ )o

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2020/08/26

昭和の大事件であり未解決事件となった3億円事件を題材にした物語。なかなかの長編であるが飽きることなく最後まで読めた。緊迫感が漂い途中手に汗握って読んでいた。この事件のことを深く知らないし当然フィクションなのだが、最後はとても悲しく悔しい物語だなぁと感じた。

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2020/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ずっと読みたかったけど、字数に萎えてました。 フィクションとはいえ、面白かった。 塩野さんの罪の声もそうですが、昭和最大のミステリーに迫った作品読み応えありで好きです。 しかし警察というのは身内を守る組織なんかなあ。

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2018/06/13

玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大のミステリーに、緊...

玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大のミステリーに、緊密な文体と重層的なプロットで迫る!

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2016/02/25

三億円事件をモチーフにした警察内部の暗闘を描いた小説です。定年寸前の刑事が、ある他殺体の名前を聞いて突如覚醒した。眠っていた事件が三十数年を経過し蠢き始めたのでありました。 重厚なかみごたえ満点の刑事ドラマでした。かなり読むのに時間掛かりましたが、停滞する事なく引き込まれました...

三億円事件をモチーフにした警察内部の暗闘を描いた小説です。定年寸前の刑事が、ある他殺体の名前を聞いて突如覚醒した。眠っていた事件が三十数年を経過し蠢き始めたのでありました。 重厚なかみごたえ満点の刑事ドラマでした。かなり読むのに時間掛かりましたが、停滞する事なく引き込まれました。一つの事件が様々な人々の人生を一変させてしまうんですね。やはり犯罪は本の中だけが良いですね。

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2015/06/11

昭和史最大のミステリーである三億円事件をモチーフにした小説。犯行現場を実際の事件とは変えているが実際の三億円事件の背景などを踏襲しているリアリティーある内容で読みごたえがあった。警察組織の汚さ、怖さが描かれていて長編だが飽きずに読み進められた。

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2015/01/20

 密度の濃い小説。これを1冊にまとめ上げることの出来る力量はすごいと思いつつ……濃すぎて読むのがなかなかきつかった。  3人称でいろいろな人物の視点から描かれるも、キーパーソンについての心情は極力廃し「不気味で何を考えてるか分からない」とされるのは見事だなぁと思う。  ただ、終...

 密度の濃い小説。これを1冊にまとめ上げることの出来る力量はすごいと思いつつ……濃すぎて読むのがなかなかきつかった。  3人称でいろいろな人物の視点から描かれるも、キーパーソンについての心情は極力廃し「不気味で何を考えてるか分からない」とされるのは見事だなぁと思う。  ただ、終盤に掛けて、予測出来る結末へと集約されてしまうので、序盤の渦のような密度が薄まるのがもったいない。説明パートを後ろに配分すると、意味が分からなくなるかな? かもしれないなぁ。

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