ネットワークによるガバナンス の商品レビュー

スティーブンゴールドスミス,ウィリアム・D.エッガース【著】,城山英明,奥村裕一,高木聡一郎【監訳】

2010/06/15

ハーバード大学大学院ケネディースクールのゴールドスミス教授の本。
ゴールドスミス教授はいわゆる研究者畑ではなく、インディアナ市の市長などを務めた実務畑の出身。
論の骨子は、公共セクターのマネジメント形態を、「自前主義」「上意下達」「制度管理」から、「巻き込み型」「権限委譲」「ネットワーク管理」に変更すべきだと主張していく。事例も多くあるため、わかりやすい。
さらに、公務員にネットワーク管理やプロジェクトマネジメントの知見がない場合は、第三者を内側に契約して代行してもらうべきだとまで説く。
政府の歳出削減とサービス向上をするには、リソースの消費効率が良い組織と連携し、共通のゴールを多くの機関で目指すのが手っとり早い。
権威あるケネディースクールからの援護射撃は、NPOや社会起業家にとって心強いはず。