この数学書がおもしろい の商品レビュー
興味を持った本は以下の5冊 ・連続群論(ポントリャーギン) ・連続群論入門(山内恭彦,杉浦光夫) ・ガロアの夢(久賀道郎) ・自然科学者のための数学概論(寺沢寛一) ・フェルマーの最終定理(サイモン・シン)
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一流数学者達(他物理学者、経済学者なども含む)による数学書のガイド。数学者達がどんな思いで本を読んできたかがわかり参考になります。共感したのは京大の梅田亨先生が書いていた読み方の秘訣。”何事も他人の頭を使うより、自分で考えたほうが結局は楽である。自分に合わない本は読み方を変える。...
一流数学者達(他物理学者、経済学者なども含む)による数学書のガイド。数学者達がどんな思いで本を読んできたかがわかり参考になります。共感したのは京大の梅田亨先生が書いていた読み方の秘訣。”何事も他人の頭を使うより、自分で考えたほうが結局は楽である。自分に合わない本は読み方を変える。最終的には逆転し「判ってから読む」のがよい。これで本は早く読める”。筧先生も同様のことを書いていた。要するに数学の本は受身的に読むのではなく、まず自分の頭で考えるほうが効率が良いということだろう。確かに証明なんかもただ最初から証明を読むのではなく、まず自分だったらどう証明するかを考えてから読んだほうがよく理解できる。こういうほうが急がば回れなのかもしれません。
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数学は苦手ですが、読めもしない学術書について語ることは好きです。2006年に発足した数学書房が最初に出した本(?)ですかね。数学者を始めとした学者が多いですが、他にも広島市長とか、翻訳家とか、予備校講師兼科学史研究家とか、色んな人(41人)が、「おもしろい数学書」について語る本で...
数学は苦手ですが、読めもしない学術書について語ることは好きです。2006年に発足した数学書房が最初に出した本(?)ですかね。数学者を始めとした学者が多いですが、他にも広島市長とか、翻訳家とか、予備校講師兼科学史研究家とか、色んな人(41人)が、「おもしろい数学書」について語る本です。読んでいて、挑戦したい本ばかりになってしまって困っています。物理でもこういう本欲しいです。雑誌とかでたまにあったりしますが、たいてい一人の人が選んだものですし。各執筆者ごとに基準がバラバラなところがひとつ魅力です。例えば、誰に薦めることを念頭にしているのか、数学と全く無縁の人、他学部で数学を使う人、数学を専門にしようとする人・・・。それによって、扱われる本も変わってくるので、一般向けの啓蒙書や小説だったり、応用を重視した感じの教科書だったり、バリバリの数学書だったり。また、ある人のおすすめの本が、他の人にとってはそうでなかったり。相性や好みというものがあるのは当たり前ですが、高木貞治の『解析概論』を「なぜ名著なのか理解に苦しむ」とまで言う人があることには少し驚きました。他にも高木大先生の本は多くの人によって言及されていますが、『代数的整数論』、『近世数学史談』などが人気です。こういう風に、バラバラに原稿を依頼しているために他の人が紹介している本でも関係なく、何度でも重複して登場するのも良い感じです。本当におすすめを選んでいるということですからね。真っ先にはもちろん、予備校講師兼科学史研究家の山本義隆のを読みました。「イマドキの物理数学のイチオシ本」などと、僕からすると山本先生のイメージとは合わない題名の付いた文章は、このわずかな文字数でクーラン=ヒルベルトからの物理数学の教科書の歴史を物理学の潮流との関わりと合わせて解説しつつ、イチオシ本である"A Course in Mathematics for Students of Physics(全2巻)"の特徴を語ってしまうという、なんかもう完成された感じでした。さすが。なぜか歴史的仮名遣いで書いてる九大の先生がいます。その先生の文章の中で、前置詞の?のアクサンの向きが逆なんですよね。つまり?になっている。何語に使うんだこの文字。あとは例えば?にしても、明らかに他のアルファベットと大きさが違う。数学の出版社なのにフランス語が満足に印刷できないなんて、やばいんじゃないですかね。原稿料の問題なのか、喜々として筆を取りそうに思える森一刀斎先生とか、数学者と言ってもマスコミに名が売れてるような人は僕が思う所ではいないです。あと、最早叶わぬ希望ですが、この頃はまだ河合隼雄先生もお元気だったはずだし、学生時代にどんな本を読んでたのか書いて欲しかったです。◆◇関連リンク◇◆高木貞治『近世数学史談』http://review.webdoku.jp/note/4390/15216/1?id=223142
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