コメを選んだ日本の歴史 の商品レビュー
通史として米作の導入から現代までを記述しているため、個々ののトピックスでは少々物足りない感じはするが、多角的に日本史を考えるという視点からは評価できる。 今までの日本史で検討できていなかった視点を提供してくれていると思う。
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古代における米の日本への流入過程・拡散過程は、他に一層詳細分析の書があり、その方が良(纏まっている本書は悪くはない)。ただ、そもそも本書はの意図は網野史観の超克、すなわち米作農民以外に存する海民・山民を重視すべきという網野史観へのアンチテーゼにある。◆しかし、的外れか。◆網野史観の根本的疑問の一は、日本史(特に近世前期)において、なぜ米の生産高が軍役負担の基準、税負担の基準、さらに貨幣代用物と化したか。いくら他の生業の価値を述べようと、米が日本史上の担税の基礎単位であり続けた意味は何かという点だ。 中世に重きを置く(専門だから)網野氏へのアンチテーゼとしては、期待外れである。①貨幣経済の進捗度合、②金銀の一国二通貨に近かった江戸時代における貨幣制度、③担税根拠(現代なら基本は金銭の流通過程の把握)に関する日本史的な変遷(特に中世の荘園公領制)、外国との比較などが欲しい。税徴収の基準は何かを考えないと、歴史的に米がその役割を果たしてきた意味は到底つかみえないはず。2006年刊行。著者は国士舘大学21世紀アジア学部教授。 PS.消費量に関して、肉が魚介類を逆転したのが1988年(昭和63年)という指摘は余りにも意外であった。その他にも、新奇な情報としては幾つかあるので、そういうネタ拾いという意味では読んで役立つ面があるかも。
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縄文から弥生にかけて、日本人が稲作に出くわす過程が最も興味深かった。さて、食の形態は変われど、やはりコンビニの王様はおにぎり。カリフォルニア米騒動も何だったのか、高くても日本のブランド米が人気。コメはこの先も日本と共にある(少しあやしい)
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日本人とお米の関係を、歴史的・文化的切り口で紹介している書籍。全体の流れが把握しやすくて、非常に面白く読むことが出来た。
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[ 内容 ] イモ、雑穀、獣肉…。 さまざまな食物のなかで、どうしてコメだけが聖なる地位を獲得できたのか。 コメの魔力と味覚の虜になった日本人の思考と心性のあり方をひもとく。 [ 目次 ] 序章 コメの力と起源 第1章 日本列島へ―縄文と弥生のコメ 第2章 社会システムを変える―弥生の戦争とクニ 第3章 統一国家を築く―古墳から古代国家へ 第4章 社会の主役へ―中世の社会とコメ志向 第5章 経済の根本を担う―石高制社会の成立と性格 第6章 西洋的近代化のなかで―国家と食生活の基礎 第7章 政治と文化の狭間で―コメ政策と食文化の変容 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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