大人数授業をどう改革するか の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
我が大学においても大人数授業では学生の私語が絶えず、教員の悩みの種ですが、追手門を始め全国の大学の共通した悩みであり、この本が生まれたとのこと。考えてみれば私自身は法学部の授業はほとんど大人数でしたし、教員が一方的に講義するものをノートテイクしていたものです。当時は私語はほとんどなかったと思いますが、今は一流大学でも私語があるということは学生気質の変化によるものでしょう。そして学生自身は大人数教育に否定的な意見が多いわけではなく、むしろ大学らしさ、アカデミックな雰囲気を好んでいる人も多いという調査結果が書かれており励まし材料です。サイレント・シートなどの試み、グループワークなどの参加型授業、分かりやすさに貢献するメタ言語的表現の研究など涙ぐましい努力の数々です。一方的に薀蓄を語る教員の授業へのノスタルジーも感じますが、知識ではなく人間力開発を目的とするべき大学の現状からすると、やむをえないというよりもむしろそのような授業への方向をたどるべきなのでしょう。少人数教育の良さだけではなく、大人数教育の良さを捨てずに、活かして行くべきことを痛感しました。
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いくつかプラクティカルなアイディアが含まれている。 ランダムに座席指定した紙を授業ごとに渡す「サイレントシート」とかの工夫とか。 「話し合いタイム」とか。「休憩どうぞ」「ノート読みなおしてください」「隣の人とノート交換してみて」「質問を1、2個書いてください」「他の学生に...
いくつかプラクティカルなアイディアが含まれている。 ランダムに座席指定した紙を授業ごとに渡す「サイレントシート」とかの工夫とか。 「話し合いタイム」とか。「休憩どうぞ」「ノート読みなおしてください」「隣の人とノート交換してみて」「質問を1、2個書いてください」「他の学生に質問して」「課題して」「資料を読んで」「小テストします」「沈思してください」。とか。 第4章の講義での話し方における「メタ言語」の研究とか真面目でおもしろいけど、まあ授業工夫とはあんまり関係ないような。でもこの手の話は「話し方」研究として可能性がある。
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