黒い自画像 の商品レビュー
過去の人生の選択が正…
過去の人生の選択が正しかったかそうでないかは、戻ることが出来ない以上永遠に分からない。しかし、たら、れば、と考えるのは人間の悲しい性だろう。
文庫OFF
タイトルから、松本清張「黒い画集」を連想し購入。 15編の短編から成る一冊。 松本清張ほどの、泥のように滞留した男女の情愛の縺れはない。 表題と同名の作品は存在しないが、絵に纏わるエピソードも2編ほど収録。 一種異様な作品は、結末を明確に書ききらず読者の想像に委ねる技法も多い。 ...
タイトルから、松本清張「黒い画集」を連想し購入。 15編の短編から成る一冊。 松本清張ほどの、泥のように滞留した男女の情愛の縺れはない。 表題と同名の作品は存在しないが、絵に纏わるエピソードも2編ほど収録。 一種異様な作品は、結末を明確に書ききらず読者の想像に委ねる技法も多い。 オカルティックな匂いのする作品や夢に関連する作品もあるので、不思議好きの方はどうぞ。
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自分の中の闇をわざわざ探して文章にするなんて、何のために小説(?)を書いているんだろうと思わせる本。 小説に求めるものが違いすぎた本。最初の短編のみでもう読むのを止めました。
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2008年5月24日読了 鳥・歌・香水・彫像・青い靴・水の底・夜の衣裳・赤道奇談・石見銀山・無表情・目撃者・水葬・車輪・蟹・缶 視点変われば謎になる。 人が変われば話も変わる。
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短編集。全15話。 エスプリに富んだ話あり。人生の機微に触れる話あり。様々な趣向の話があるんだけど、どれもウィットに富んでて、私の好きな阿刀田節が炸裂でした。 リアルなんだけど、シュールでもある。フィクションなんだけど、実際にありそうな感じ。そういうのをすごくうまく描くんだよ...
短編集。全15話。 エスプリに富んだ話あり。人生の機微に触れる話あり。様々な趣向の話があるんだけど、どれもウィットに富んでて、私の好きな阿刀田節が炸裂でした。 リアルなんだけど、シュールでもある。フィクションなんだけど、実際にありそうな感じ。そういうのをすごくうまく描くんだよね、阿刀田さんって。 特に好きだったのは、『香水』、『彫像』、『目撃者』、『蟹』かな。 『香水』は、淡い恋の期待が、思わぬ形で敗れてしまうんだけど、それがちょっと笑ってしまうオチ。単純なハッピーエンドじゃなくて、シニカルに落とすところが阿刀田さんらしい。 『彫像』は、卑近な話で、リアル。これも思わず苦笑してしまう。 『目撃者』は、いまいちぱっとしない同僚が、自分はもてると吹聴している。他の人はそれを信じない。信じさせようとした同僚は、主人公を証人にするため、ガールフレンドたちをさりげなく紹介する。 オチがなんとも皮肉でいい。確かにモテている同僚。しかし、その相手はみんなイマイチ。そして主人公は最後にこう思う。「あんな女たちにならモテなくてもいいかなぁ」と。 前にもこういった主旨の記述を読んだ気がするから、阿刀田さん自身のモテ観なのかも。これって、僻みにも聞こえるけど、本音のようにも感じる。なんともおもしろいオチ。 『蟹』は、ちょっぴり怖いお話。はっきりと言わずに余韻を残すところが、なお恐怖心をあおる。
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新規購入ではなく、積読状態だったもの。 2012/5/9~5/10 阿刀田氏の短編集。奇妙な味と評された初期の短編集を髣髴させる作品が15編並ぶ。とても懐かしい感じ。個人的には、「青い靴」、「赤道奇談」、「蟹」が好み。
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初阿刀田高。あくまで個人的な意見としては、小説(『黒い自画像』はショートショート寄りの短編集)はちょっと物足りなく感じた。全く贅肉が付いていないと感じさせる様な文章とストーリー。味付けも淡白でした。エッセイやら解説シリーズやらが面白そうなので次回はそっちにしよう。
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