精神鑑定医の事件簿 の商品レビュー
精神鑑定は、少年法と並んで「重大な犯罪が起こったとき」に批判される事が多い。仮に精神的な障害を負っていたとしても、それにより犯罪に対して課される罰が軽くなるのはおかしい、と。 では精神鑑定というのはどのように行われ、何を目的としているのか。その実際の姿を知る一助に本書はなり得ると...
精神鑑定は、少年法と並んで「重大な犯罪が起こったとき」に批判される事が多い。仮に精神的な障害を負っていたとしても、それにより犯罪に対して課される罰が軽くなるのはおかしい、と。 では精神鑑定というのはどのように行われ、何を目的としているのか。その実際の姿を知る一助に本書はなり得ると思う。 本書に登場する事件では人格障害や覚醒剤も含まれており、中には判決において責任能力が完全に認められたものもある。一方で責任能力なしとされたものも多い。著者は序文で我が国のシステムの不備についても言及している。精神障害を負っている犯罪者の矯正や治療の仕組みがない、と。過去に何度か事件を起こし、その末に重大な事件を起こした。そこには、適切な治療を受けさせられなかったという問題も隠れているのではなかろうか。 などと、精神鑑定について考える前に一読したい本である。
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