世界の作家32人によるワールドカップ教室 の商品レビュー
全くサッカーに関係ない話を読まされることもあったりして、『サッカーの敵』とかに比べるとあんまり面白くない。そんな中でも、ヴァランダーシリーズの著者の書いたアンゴラの章と、ニック・ホーンヴィの書いたイングランドの章はぐっとくる話でよかった。日本の章は最悪。
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W杯の、あのなんともいえない高揚感を伝えるとともに、そこから見えてくる世界のさまざまな表情も伝える・・・フットボールの魅力をこんなにも的確に伝えてくれる本を、私は4年もの間見逃していたのだ!(本書は2006年ドイツ大会に先駆けて出版された) まず二人のアメリカ人が編集してい...
W杯の、あのなんともいえない高揚感を伝えるとともに、そこから見えてくる世界のさまざまな表情も伝える・・・フットボールの魅力をこんなにも的確に伝えてくれる本を、私は4年もの間見逃していたのだ!(本書は2006年ドイツ大会に先駆けて出版された) まず二人のアメリカ人が編集しているところも、魅力の源泉となっている。一人は誰からも相手にされず、家にこもって自分が生まれた年のW杯70年大会のビデオを、あたかも今開催されているがごとく、時系列で試合を見てペレのプレイを堪能し、ブラジルの優勝に興奮する・・・あたかもその場そのときで起こっているかのように・・・相当なオタクであるが、実は私も1ヶ月時間ができたらぜひやってみたいと思っていた、贅沢な遊びである。 もう一人の編者が言うように、フットボール(サッカー)不毛の地であるといわれるアメリカでW杯ファンであることの幸せというものがある。これは、日本のファンにも当てはまるであろう。つまり、フットボールに熱心な国にある偏狂的な愛国心や時に暴力といったものとは無縁に、自分の好きな国を精一杯応援することができる。最近はW杯も盛り上がりを見せている日本とはいえ、例えば「スペインの美しいフットボールを応援する」と堂々と公言することができる環境であるのと同じだ。 フットボールを、もしくはW杯を通してある国を見ると、名前と地図上でしか知らなかった平面的な「国のイメージ」というものがたちまちと立体化し、息が吹き込まれていくようだ。 W杯は商業主義、政治的影響と無縁ではいられない。むしろ、商業主義そのもの、政治そのものともいえる。もちろんそんなことは重々承知だ。それでも、それでもなお、素晴らしいプレイに理屈抜きで魅かれ、熱狂する。・・・これだからW杯に魅かれてしまうのだなぁ、という思いをじっくり確かめられる1冊である。
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ワールドカップ出場32カ国それぞれにまつわるエッセイを、当地に縁のあるライターに依頼してまとめるという好企画。 たとえば「日本」の章でも執筆者は日本人ではないので、外国人の見た外国、という視点の持ち方がさまざまに味わえる点がまず面白いし、それぞれの出自に応じて語られる印象に残る...
ワールドカップ出場32カ国それぞれにまつわるエッセイを、当地に縁のあるライターに依頼してまとめるという好企画。 たとえば「日本」の章でも執筆者は日本人ではないので、外国人の見た外国、という視点の持ち方がさまざまに味わえる点がまず面白いし、それぞれの出自に応じて語られる印象に残る試合が、「ワールドカップ史上に残る試合」だったりするのだけど、これまで知識としてはあっただけのそうした試合や、逆に見たこともない無名の試合が、ふと親近感をもって感じられてきたりする。 惜しむらくは、これドイツ大会のときの企画なのだ。
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