ロラン・バルト の商品レビュー
購入しようか、迷っていたが、買ってよかった。 全部、理解したとは言えないが、理解が深まった。 日本での翻訳が独自な編集方針によるものが多く、巻末の訳者からのも含めて、読書案内が大変役立った。
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第五章「作者の死」のみ。 作品の中心、すなわち「意味」(ただひとつの「至高のシニフィエ」)に作者という存在を置きたがるわたしたち。しかしロラン・バルトは日本という国に出会い、包装への強い執着を持つ国民たちに魅了される。 「あたかも箱は入れ物であるよりも贈り物の品物であるかのようで...
第五章「作者の死」のみ。 作品の中心、すなわち「意味」(ただひとつの「至高のシニフィエ」)に作者という存在を置きたがるわたしたち。しかしロラン・バルトは日本という国に出会い、包装への強い執着を持つ国民たちに魅了される。 「あたかも箱は入れ物であるよりも贈り物の品物であるかのようである」。シニフィエ(意味作用)が存在しない、空虚なシニフィアン(記号)に愛着を抱いているかのようだとする。 「唯一の究極のシニフィエに停止させられることのないシニフィアン群に直面した読者は、書き手とならねばならない。テクストを再創造する者、そのテクスト上に自らのかりそめの構造とパターンと意味を描く者とならねはならないのだ」=「読書が著述となるこのプロセス」
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