ゲド戦記 ソフトカバー版(Ⅱ) の商品レビュー
前半は墓地の大巫女アルハを中心に話が進み、正直退屈だったんだけど、最終的には読んでよかったと思った。 古いしきたりに囚われたアルハに、竜王となったゲドが優しく道を示す。1巻の「自分との戦い」から、2巻は「人との信頼」にフォーカスが当てられる。「誰も1人では自由になれない」という...
前半は墓地の大巫女アルハを中心に話が進み、正直退屈だったんだけど、最終的には読んでよかったと思った。 古いしきたりに囚われたアルハに、竜王となったゲドが優しく道を示す。1巻の「自分との戦い」から、2巻は「人との信頼」にフォーカスが当てられる。「誰も1人では自由になれない」というゲドの言葉がすごくよかった。 アルハからテナーになる時、またなってからも、本当にこれでよかったのかとこちらがイライラするぐらい悩むんだけど、人間そんなもんですよね。そうした葛藤を得て少しずつ変わっていく大切さがわかる。 あと、やっぱり人生ってどんな人に出会うかが大切ですね。
Posted by
一作目に続き、表現力に感動するばかりなのだけど、個人的にはゲドの場面が少なかったのと、一作目の壮大な移動や時間に慣れていたので、時間や場所がこじんまりしていて退屈してしまった所もある。 青年期っていう1番物語にしやすそうな部分をあえてこういう形で描く事にゲド戦記の面白さが詰まっ...
一作目に続き、表現力に感動するばかりなのだけど、個人的にはゲドの場面が少なかったのと、一作目の壮大な移動や時間に慣れていたので、時間や場所がこじんまりしていて退屈してしまった所もある。 青年期っていう1番物語にしやすそうな部分をあえてこういう形で描く事にゲド戦記の面白さが詰まってるなと思う。
Posted by
急に大人になった気がしてしまうのは、テナーの物語にゲドが登場したからなのかもしれない。 あちら側、こちら側、この世界は魔法使いや呪い師を信じている人達だけではないのか。 ゲドのこれからはどうなって行くんだろう
Posted by
ゲド戦記第二部。世界の命運を握る腕環をめぐり、2人の人物が運命的な出会いをはたす。 主人公が交代したのかと思うほど、大巫女となった少女を中心に物語は進む。その悲しみのたゆたう境遇が涙を誘うなか、愚かさと若さがあふれる前巻から大きく成長した姿で現れた、落ち着いた感じのゲドが魅力的に...
ゲド戦記第二部。世界の命運を握る腕環をめぐり、2人の人物が運命的な出会いをはたす。 主人公が交代したのかと思うほど、大巫女となった少女を中心に物語は進む。その悲しみのたゆたう境遇が涙を誘うなか、愚かさと若さがあふれる前巻から大きく成長した姿で現れた、落ち着いた感じのゲドが魅力的に映る。 しきたりで少女を閉じ込める宗教のディティールは南米の文化を彷彿とさせてリアリティのある描写となっており、このあたりは文化人類学に造詣の深いル・グインならでは。一度迷ったら抜け出せなくなる地下迷宮の存在感は本書最大の見どころ。ラストは2人の行く末が気になる。
Posted by
前半は ほぼ「闇の国」に留め置かれた アルハ(後のテナー)の物語が 進んでいく 重苦しさの中に そこで暮らす「人たち」が 丁寧に語られていく そして ようやく ほんとうに ようやく 登場する「ゲド」 この登場の仕方が また 心憎い 「ゲド」が なにもので あるのか 少女の目線...
前半は ほぼ「闇の国」に留め置かれた アルハ(後のテナー)の物語が 進んでいく 重苦しさの中に そこで暮らす「人たち」が 丁寧に語られていく そして ようやく ほんとうに ようやく 登場する「ゲド」 この登場の仕方が また 心憎い 「ゲド」が なにもので あるのか 少女の目線で語られる「ゲド」が 実に新鮮に感じられる 「ゲド」が できてしまうこと、 できるけれども、 敢て しないこと テナーとの やりとりがなされる中で 「ゲド」の深遠さが 増していくように感じる テナーに対して ゲドが語る 「闇の者たち」 そして 「自由」 を語る言葉は 何度読み返しても すばらしい
Posted by
テナーは闇の支配下から逃れ、ゲドと一緒に束縛から自由を得るが何も知らない世界に足を踏み出す勇気もない。 自由ゆえの重荷に立ち向かうテナーに勇気をもらえる。
Posted by
ジブリ版を映画館で見たので原作チャレンジ シリーズ2作目 今回はゲドが主人公というよりは、テナーという少女がメイン 狭い世界に閉じ込められたことによる無知と盲目さと怖さ、自由への恐怖 良い面だけでなく悪い面も等しく描かれているのが印象的でした
Posted by
テナーのお話。 マナンさんが守ろうとしていたものは何だったんだろうか。 彼女自身の幸せ、きっとそうなんだろうけど、それはマナンさんの常識での話。 テナーさん自身が何を望んでいるのかまで考える余裕は、彼にはなかったのかもしれない。 この生活しか知らなければ、それ以外のことは夢物語と...
テナーのお話。 マナンさんが守ろうとしていたものは何だったんだろうか。 彼女自身の幸せ、きっとそうなんだろうけど、それはマナンさんの常識での話。 テナーさん自身が何を望んでいるのかまで考える余裕は、彼にはなかったのかもしれない。 この生活しか知らなければ、それ以外のことは夢物語としか思えないだろうしなあ。 でも、彼女はその環境の中でも、その常識に捉われない発想を持っていたのよね。 それが彼女の持つ力なのかな。
Posted by
タイトル*ゲド戦記 2 こわれた腕環 著者*アーシュラ・K.ル・グウィン 出版社*岩波書店 アースシー世界では、島々の間に争いが絶えない。青年ゲドは、平和をもたらすエレス・アクベの腕環を求めてアチュアンの墓所へおもむき、暗黒の地下迷宮を守る巫女の少女アルハと出会う。 (あらす...
タイトル*ゲド戦記 2 こわれた腕環 著者*アーシュラ・K.ル・グウィン 出版社*岩波書店 アースシー世界では、島々の間に争いが絶えない。青年ゲドは、平和をもたらすエレス・アクベの腕環を求めてアチュアンの墓所へおもむき、暗黒の地下迷宮を守る巫女の少女アルハと出会う。 (あらすじより引用)
Posted by
2018年7冊目。 映画版で出てきたテナー(テルーの面倒を見ていた女性)が「墓所にいた頃を思い出すわ」とほのめかしていた、あの過去が語られている巻。 巻頭に地下迷路の地図が載っていて、指で辿りながら本編を読む楽しさも。 「闇への崇拝」、そして「闇からの自由」をどう捉えるか。 物...
2018年7冊目。 映画版で出てきたテナー(テルーの面倒を見ていた女性)が「墓所にいた頃を思い出すわ」とほのめかしていた、あの過去が語られている巻。 巻頭に地下迷路の地図が載っていて、指で辿りながら本編を読む楽しさも。 「闇への崇拝」、そして「闇からの自由」をどう捉えるか。 物語の展開とその中で現れる至言から、とても考えさせられた。
Posted by