風に舞いあがるビニールシート の商品レビュー
タイトルが印象的
第135回『直木賞』受賞。 6つの短篇に出てくる人たちは、皆、大切なもの・・・何よりも守りたいものを持ってしまった人間だ。 不器用で不恰好な生き方を貫く先に見えるもの・・・それは、お金でも名誉でもない。
abtm
今までの森絵都さんの感じとは一変して、、 専門的要素が多く、分かりにくかったかな。 短編で専門的なので???って思っているうちに 結末来てるって感じでした、、
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『器を探して』 憧れてたはずの人から逆に、あなたについていけるか不安だよ…と言われてしまいはっとするくらい真っ直ぐで本気度が強すぎる主人公に共感、というかなんというか。 『犬の散歩』 “午後三時。傾きだした陽が分刻みで万物の色を移ろわせていくその時間帯” なんて綺麗な文章。なん...
『器を探して』 憧れてたはずの人から逆に、あなたについていけるか不安だよ…と言われてしまいはっとするくらい真っ直ぐで本気度が強すぎる主人公に共感、というかなんというか。 『犬の散歩』 “午後三時。傾きだした陽が分刻みで万物の色を移ろわせていくその時間帯” なんて綺麗な文章。なんて綺麗な描写。 『守護神』 これ大好き! 『鐘の音』 『ジェネレーションX』 『風に舞いあがるビニールシート』 愛する人と結ばれたのにどうしようもなくて別れることになってしまったとき、、、 エドの「悲しくない悲しくない」とワニ人形と共に言うシーン、悲しかったよー
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
6編の短編からなる短編集。最初の「器を探して」「犬の散歩」を呼んだ後、「風に舞いあがるビニールシート」までとばしてしまった(正直あまり刺さらなかったので)。 ただ、「風に舞いあがるビニールシート」には考えさせられた。難民問題に向き合う夫とその夫を心配し、2人で平和に暮らしたいと願う妻。 『私は富める国に生まれた大多数の人たちと同様、貧しい国の惨状から目を背けているだけだ。』 『ああ、やはりこの国は平和でいい。平和ボケ万歳だ、望むところだ。平和ボケは美しい。ボケでもなんでもすばらしい。どうかこの美しさが、すばらしさが永久に続きますように。』 日本で暮らしている自分も当然「富める国に生まれた大多数の人」。教科書やテレビなんかでは見るけど、本当は見ようともしていない貧しい国の惨状。そんな平和ボケしたすばらしい世界…。 最後の最後で、妻は夫が死んだアフガンへ行きたいと志願する。夫の人格を形成した幼少期の環境や、それを知らずにおり、死後に知った妻にどんな心情の変化があったのか、思わず考えてしまう。 想像以上に惨い苦しい世界があることを知った上で、日本にいる私たちはしっかりと平和ボケして、平和ボケした世界をちゃんと「すばらしい」って言っていかなきゃいけないな、と思った。
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久しぶりの森絵都さん。宇宙のみなしご以来、約一ヶ月ぶりです。久しぶりに読んだことない森絵都さんの本を見つけたのでついつい吸い込まれるように手に取っていました。 風に舞い上がるビニールシートというタイトルも気になりました。読んでみると六編の短編集でそれぞれの世界観どれも良いもので面...
久しぶりの森絵都さん。宇宙のみなしご以来、約一ヶ月ぶりです。久しぶりに読んだことない森絵都さんの本を見つけたのでついつい吸い込まれるように手に取っていました。 風に舞い上がるビニールシートというタイトルも気になりました。読んでみると六編の短編集でそれぞれの世界観どれも良いもので面白かった。
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森絵都さんの短編が6つ収められた作品。 どの話も決して明るくはない話題を重すぎない筆致で綴られ、 最終的には少し光が差し込む感じにまとめられているので、読後感がよい。 どの話の主人公も、 情熱、というと大袈裟かもしれないけど、それを傾けられる何かがあって、 そこへのアプローチ...
森絵都さんの短編が6つ収められた作品。 どの話も決して明るくはない話題を重すぎない筆致で綴られ、 最終的には少し光が差し込む感じにまとめられているので、読後感がよい。 どの話の主人公も、 情熱、というと大袈裟かもしれないけど、それを傾けられる何かがあって、 そこへのアプローチは様々だけど、 等身大の愛すべき人々でした。 かつての私も、夢中になって追いかけるものがあって、 でも、1つかけ違えたボタンによって、 夢中が故に自分を傷つける結果になりました。 今は方向転換をし始めるタイミングにいるので、 「鐘の音」には他の話とは違う共感と希望を抱きました。 でもやっぱり一番ぐっと来たのは風に舞うビニールシート。 国連難民高等弁務官事務所という、もはや一般企業の常識の範疇を超えた、 ある種の使命感なくしてはできない仕事をとりまく家族の感情が、どんどん心のなかに入ってきました。 当人が言ってる意味は頭ではわかる。でも、家族の立場で、心からの納得は簡単にはできない。 そこから、物語のゴールに向かっていくときの心の機微がとても自然でした。 中学生以来に久々に森さんの小説を読みましたが、やはり好きな作家さんです。
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短編集。 ジェネレーションX 風に舞い上がるビニールシート が良かった。 中高生のうちの子どもたちにはまだ難しいかな。もっと大人になってからの方が興味深く読めるかも。
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少し内容が難しいなと感じるものもあったが、 「器を探して」は続きが読みたいと思う短編だった ⭐︎⭐︎⭐︎ あまりにおいしいものと出会うと、弥生は泣きたくなる。 生まれてきてよかった。
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6つの短編小説から成る物語 ひとつひとつの作品が短編とはいえ 十分な読み応えを感じさせるのは 著者の森さんが持つ深い知識と作品を書くにあたって調べ上げたであろう情報量の多さに他ならない 6話はどれをとっても面白く読後感が良い ◯『器を探して』の作中に『釣具小鳥将棋碁麻雀...
6つの短編小説から成る物語 ひとつひとつの作品が短編とはいえ 十分な読み応えを感じさせるのは 著者の森さんが持つ深い知識と作品を書くにあたって調べ上げたであろう情報量の多さに他ならない 6話はどれをとっても面白く読後感が良い ◯『器を探して』の作中に『釣具小鳥将棋碁麻雀』というのが出てくるが こういう発想に感心する 『一口含んで、泣きたくなった。昔から、あまりにもおいしいものと出会うと、弥生は泣きたくなる。生まれてきてよかった。そうつぶやくと周囲は大袈裟と笑うけれど、「食」とは人類に最も手短な、そして平等な満足と幸福をもたらす賜りものであると信じている。』 (器を探して の文中より) 同感! そうだ そうだ! 『衣食住』というが 『食』は人の体ばかりか心もつくりあげる ◯『だから、私の中にいつもあるのは、自分はこの犬たちの一割を救っているんだって思いじゃなくて、ここにいる九割を見捨ててるんだって思いなの』 (犬の散歩 の文中より) ボランティアをするにあたって してあげているという優越感ではなく これしかできないけど自分のできることはしっかりさせていただくという使命感がある人間がいることが素晴らしい ボランティアの真髄を問う物語でもある ◯『守護神』では 「伊勢物語」や「徒然草」の解釈や考察が面白すぎだった ◯『鐘の音』は仏像の話が大変興味深かった 私の父は丸太の木から仏を彫り起こす作業を趣味にしているからなおさらだ 仏を彫るも 修繕するも 仏の御魂を移す儀式も 全てが厳かでドラマチックだった だからこそ プラモデル用の接着剤や 最後の鐘の音のくだりはクスクスっと笑えて楽しかった ◯『ジェネレーションX』ではオチがあるに違いないと 想像力を駆使して読書を楽しんだが 私の想像力を超える明るいオチが待っていた ◯『風に舞いあがるビニールシート』は 表題作なだけあって 濃厚なメッセージ性をはらんだ物語だった 『もう君は聞き飽きたと思うけど、僕はいろんな国の難民キャンプで、ビニールシートみたいに軽々とばされていくものたちを見てきたんだ。人の命も、尊厳も、ささやかな幸福も、ビニールシートみたいに簡単に舞いあがり、もみくしゃになって飛ばされていくところを、さ。』 (風に舞いあがるビニールシート の文中より) 『誰かを助けたい』って思いがあっても 自分の身に危険を呈しても行動に移すっていうのは 誰にでもできることじゃないよなって思う 『助けたい』と思っただけでもすごい 『それについて知ろうと学ぶこと』…それもすごい でも そこに体ごと突っ込むっていうのは 死ぬかも知れないけどそれでもいいって覚悟で 私はそういう人間を 本当に尊敬する 作中の彼女が最後にそう決断した全ては 最高の愛情を 得たからに違いないと思う やはり 『愛情』を受けた人は 強くもなり 優しくもなれるのだと思う 短編はあまり好き好んで読まないけど 今回この本は出会ってよかった 朝 仕事にいく前の数分間ができた日に ちょっとずつちょっとずつ読み進めるのが楽しかったな
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すごく頭がいい人だと思う。どの作品も専門知識がしっかり調べられていて、知識の羅列にならずにしっかり物語の核に絡められている。ただ、その頭のよさ、隙のなさが圧となって息苦しさを感じることもあり。
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