ライトノベル「超」入門 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「蓬萊学園」シリーズなどで知られる新城カズマによるライトノベルに関する新書。ライトノベル作家が書くライトノベル論というのは、なかなか面白いです。そもそも「ライトノベルとは何か?」というのは人によってとらえ方や定義が異なり、色々な意見があります。本書は2006年刊なのでちょっと古いですが、基本的な点は変わっていないと思います。ラノベの定義から始まり、傾向や楽しみ方まで入門書としての価値は変わっていないと思います。現在では、一般小説が上等、ラノベは下等という風潮は薄れ、双方を隔てていた垣根は無くなりました。
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タイトル通り「ライトノベルとは何か」を書いた入門書。 14年前に刊行されたものなので、さすがに現状とは違う面もありますが、ライトノベルの土台となる部分が書かれているので、説明する際の基本はこれで押さえられます。ライトノベルに興味がある人も偏見ある人も読んで欲しいなあ。 現状との違...
タイトル通り「ライトノベルとは何か」を書いた入門書。 14年前に刊行されたものなので、さすがに現状とは違う面もありますが、ライトノベルの土台となる部分が書かれているので、説明する際の基本はこれで押さえられます。ライトノベルに興味がある人も偏見ある人も読んで欲しいなあ。 現状との違いで一番強く思うのは、ラノベとそれ以外の小説との境目の曖昧さが強くなっていることかも。所謂ライト文芸と呼ばれるジャンルが現れ、ラノベの手法が普遍化した気がする。 しかし元々ラノベの源流は様々なジャンルにある訳だから、当然の帰着なのかも。
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ライトノベルの実作者でもある著者が、ライトノベルの歴史を回顧しつつ、ライトノベルとは何かを考察している本です。 著者はまず、ライトノベルに「マンガ/アニメっぽいイラストがついている」ことに注目します。『クラッシャージョウ』(ソノラマ文庫)などの著作で知られる高千穂遥は1974年...
ライトノベルの実作者でもある著者が、ライトノベルの歴史を回顧しつつ、ライトノベルとは何かを考察している本です。 著者はまず、ライトノベルに「マンガ/アニメっぽいイラストがついている」ことに注目します。『クラッシャージョウ』(ソノラマ文庫)などの著作で知られる高千穂遥は1974年に、『勇者ライディーン』でキャラクター・デザインを手がけた安彦良和に直接イラストを依頼しました。これが、「マンガ/アニメっぽいイラストがついている」作品の先駆けとされます。ただしそのイラストは、「アニメ絵」ではあっても「アニメ塗り」ではありませんでした。1990年になって、神坂一・あらいずみるいによる『スレイヤーズ!』(富士見ファンタジア文庫)で、セル画のような「アニメ塗り」のイラストが採用されることになり、著者はこれをもって狭義のライトノベルの誕生としています。 またイラストは、登場人物の内面についての長い説明がなくても、その「キャラクター」を一目で理解することを可能にし、そのことでライトノベルのもう一つの特徴である「キャラ」が成立したと著者は考えます。とくに「ハーレムもの」の先駆である『天地無用!』以降、「キャラ」意識が明確になったとされています。 こうしたライトノベルの特徴づけを踏まえて、これからのライトノベルの展望についても語られています。 興味深い視点もいくつか提示されているのですが、そのほとんどはくわしく展開されることなく次の議論へと移ってしまっており、ややまとまりが悪いように感じてしまいました。
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ブクログのレビューでもたびたび見かける 「ラノベっぽい」 という言葉。 僕はあまりライトノベルは読まないので, その「ラノベっぽい」というのがよく分かりませんでした。 本書は2006年に出版されたライトノベル文学史の入門書です。 「ライトノベル」という言葉が生まれてか...
ブクログのレビューでもたびたび見かける 「ラノベっぽい」 という言葉。 僕はあまりライトノベルは読まないので, その「ラノベっぽい」というのがよく分かりませんでした。 本書は2006年に出版されたライトノベル文学史の入門書です。 「ライトノベル」という言葉が生まれてから,現在(2006年)までのラノベ文化の発展が,ラノベ作家である著者・新城カズマ氏の独断と偏見で語られています。 本書の冒頭にある,想定された「対象読者」によると, ・「ライトノベル」という言葉を聞いたことがあるが,なんだかわからなくて気になっている方 ・仕事の都合上,あと二時間ぐらいで「ライトノベル」の概要なりとも理解しなければならない方 ・読書は人生にとって有益であると考えている方 ・平日にネクタイをしめている方 などなど,普段ライトノベルを読み慣れていないような方々が挙げられています。 中でも, ・読書は人生にとって有益であると考えている方 ・平日にネクタイをしめている方 には,ぜひぜひ読んでもらいたい! 「ただ面白いだけ」のライトノベルを読んでみようかなという気になれます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2006年刊。何か気づきのある書か、と言われれば、正直??。もちろん、私がライトノベルと称される作品の読み始めは実はここ最近。ぶっちゃけ「ココロコネクト」を偶然、TVアニメで見かけたのがきっかけ。また、1990年以降アニメーションもほとんど見ていなかったのに、「宇宙戦艦ヤマト2199」の映画視聴がきっかけ物色再開。と、個人的にはライトノベル初心者。ゆえに、90年代以降のライトノベル史を知るには役立ったかも(さすがに、ダーティペアなどのソノラマ文庫系は古く、既知事項もあったが…)。個人的には適切な選書か。
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#多分岐エンディングのゲーム内において登場人物たちが内面を失い(自殺するウェルテルとしないウェルテルが分岐として等価なら、登場人物は実質的に何一つ葛藤も決断もしてないことになるじゃん──ってイーガンだなあ)、代わりにその行動パターンを「属性」として外見に定着させる手法が生まれた。...
#多分岐エンディングのゲーム内において登場人物たちが内面を失い(自殺するウェルテルとしないウェルテルが分岐として等価なら、登場人物は実質的に何一つ葛藤も決断もしてないことになるじゃん──ってイーガンだなあ)、代わりにその行動パターンを「属性」として外見に定着させる手法が生まれた。という考察からドストエフスキーへの言及、面白い。『蓬莱学園の犯罪!』の主人公の名前は『罪と罰』が元ネタだったのか。 (2009/04/13)
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個人的な意見が多いなかで、数少ないまともに論じられている部分はのちに引用されてるものがほとんどだったので今さら読む必要はなかったかもしれない
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まったくのトーシローの為に書かれた一冊。「これがあればライトノベルの全貌が分かる!」と言ってもいいかも。業界内部からの視点でありながら、あくまで客観的に概括、紹介しようというスタンスが貫かれている。その分作品への深い踏み込みは少ない。でもキャラ解説から年表まで載った労作であること...
まったくのトーシローの為に書かれた一冊。「これがあればライトノベルの全貌が分かる!」と言ってもいいかも。業界内部からの視点でありながら、あくまで客観的に概括、紹介しようというスタンスが貫かれている。その分作品への深い踏み込みは少ない。でもキャラ解説から年表まで載った労作であることは確か。個人的には「こんなもんかな」って感想だけどw
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新城カズマの『ライトノベル「超」入門』を読みました。 というのも、西尾維新の『クビキリサイクル』を読んでたときに、友だちに「10年ぶりくらいでライトノベルを買った」と言ったら、「てか、ライトノベルって何?」と聞かれ、一応、「マンガとかアニメみたいな絵が表紙の小説?」と答えたもの...
新城カズマの『ライトノベル「超」入門』を読みました。 というのも、西尾維新の『クビキリサイクル』を読んでたときに、友だちに「10年ぶりくらいでライトノベルを買った」と言ったら、「てか、ライトノベルって何?」と聞かれ、一応、「マンガとかアニメみたいな絵が表紙の小説?」と答えたものの、そういえば、ライトノベルの定義って何?! …と思って。 ここ2〜3ヶ月、ずっと気になっていたのです。 で、読んだ結果。 …よくわかんない。 というか、はっきりとした定義がないことがわかりました。 無定義概念というか、「みんながライトノベルと呼んでいるもの」、くらいでいいのじゃないかと…。 たぶん。 で、これもよくわからないけれど、西尾維新の作品をライトノベルと言い切っちゃうのはまずいらしい(p.190参照)。 てか、その190ページ! 戯言シリーズを読んでいて元ネタのわからないもの多いなぁ〜と思っていたら、『ジョジョの奇妙な冒険』が元ネタだったんだ〜…。 あたし、マンガは大好きなのですが、『ジョジョ』は絵が好きじゃなくて読んでなかったのです。 惜しいことした。 元のネタのわからないギャグほどつまんないものはない。 その他、本の中身については…うん、入門書って感じ。 ライトノベルという名前の付けられるまでの過程とか、マンガ絵からセル画への切り替わりの理由とか、(あたしにとっての)新情報がたくさんあっておもしろかった。 キャラ論は、笠井潔の『探偵小説と記号的人物』を読んで以来、少し気になっているフィールドなので、読めて満足。 それから、ドストエフスキーとか紫式部の小説とライトノベルの類似とかは、しっくりこないものの(←これはあたしがドストエフスキーとかを読んだことがないせい)、おもしろかった。 ドストエフスキーなんか、真面目そうな印象しかないのに、読む人が読めばそうも解釈できるのかって。 それに、『カラマーゾフ』は一度読んでおかなきゃなぁと思っていたので(なぜだか国内外問わず、専門書や論文の中で、引用されたり例として出されたりしやすい)、ちょっと取っつきやすくなったかも。 というわけで、この本、2時間以内に読めて手軽だし、ホントの入門書としてはいいかも、です。 で、それを踏まえて、あえて注文をつけるなら、出てくる全ての本に出版年、シリーズなら何年から何年までとか、テレビ放映された年とか、そういう情報がほしかったかも。 わかりやすいし、使い勝手がよい。 お役立ち感たっぷりなのは、最後の年表。 これを見ておもったのだけど、あたしがライトノベルを買っていたのは、やっぱり96年くらいまでらしいです。 95年出版の、本沢みなみ『東京ANGEL』の途中くらいまでは読んでる。 で、96年の、乙一『夏と花火と私の死体』は出版してすぐ買って、まだ持ってる。 そして97年以降は、名前は知ってても、読んだことないものばっかり(2001年の、乙一『失踪HOLIDAY』は例外)。 あ、マンガになったのを読んだのはたくさんあったけど(最近気に入っているのはマンガ版『今日からマのつく自由業』。あのノリが懐かしい)。 というわけで、ホントにライトノベルっぽいの読んだの10年ぶりなんだなぁとしみじみ…。 で、10年たった今、最近、(前述したとーり)キャラ論に興味があったり、やおい論とかもおもしろかったりするので(これはセクシュアリティ研究とかジェンダー研究の一分野)、ライトノベルとか、そういう若い人向けの(?)本をもっかい読み始めてもいいかなぁ、なんて思ったり。 とりあえず、最近のライトノベルはよくわかんないから、『ブギーポップ』から?
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地元の図書館で読む。非常に読みやすい新書です。啓蒙書には、2種類のものがあります。第1のものは、専門家、愛好者のみが理解可能な言葉で語られたものです。第2のものは、素人にも理解可能な言葉で語られたものです。この新書は、後者のものです。ライトノベルについて考える上で、貴重な一冊だと...
地元の図書館で読む。非常に読みやすい新書です。啓蒙書には、2種類のものがあります。第1のものは、専門家、愛好者のみが理解可能な言葉で語られたものです。第2のものは、素人にも理解可能な言葉で語られたものです。この新書は、後者のものです。ライトノベルについて考える上で、貴重な一冊だと思います。再読の必要があります。
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