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ベラスケスの十字の謎 の商品レビュー

3.6

19件のお客様レビュー

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2022/08/28

20200223読了 こちらは図書館や学校で本を読むおばさん(おばあさん)の叔母が面白いよーといって勧めてくれた一冊 ベラスケスの絵画 『侍女たち(ラス・メニーナス)』の手前右端に描かれた少年を主人公にして、この絵の謎を解き明かすファンタジー。当時スペイン王室は、身体的な異常者...

20200223読了 こちらは図書館や学校で本を読むおばさん(おばあさん)の叔母が面白いよーといって勧めてくれた一冊 ベラスケスの絵画 『侍女たち(ラス・メニーナス)』の手前右端に描かれた少年を主人公にして、この絵の謎を解き明かすファンタジー。当時スペイン王室は、身体的な異常者を集めており、この少年も大きくなれない体質。ただ記憶力が良かったことや立ち回りがうまかったことから出世するのですが、その間に仕えたベラスケスと、その時自分まで描かれたというこの絵についての謎。 ベラスケスがこの絵を完成したときは騎士団ではなく、その印の十字の紋章はつけられなかったのに、後で描き加えられている⁉︎ というような謎を解き明かしてくれます。 児童書なので、読みやすかったですが興味深い内容で面白かったです。 三枚目の絵は、ピカソがこの絵にインスパイアされて、沢山の絵を描いたものの一つ。 バルセロナのピカソ美術館にはこの絵を集めた大きな部屋が1室あります。

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2022/06/06

元来好きなベラスケス・・スペインではぴかいちと思っていたし、本物は手が届かないから「グレートアーティスト」のばら売りで購入していた。 「ラス・メニーナス」の解説で彼が「技術的に、人間の本質をとらえる才能に長けていた」とあった。 宮廷における地位を考慮しつつも、外面的な見せかけをこ...

元来好きなベラスケス・・スペインではぴかいちと思っていたし、本物は手が届かないから「グレートアーティスト」のばら売りで購入していた。 「ラス・メニーナス」の解説で彼が「技術的に、人間の本質をとらえる才能に長けていた」とあった。 宮廷における地位を考慮しつつも、外面的な見せかけをこえ、内に秘められた人間の神秘を見通していると。 宮廷の憐れな道化師たちは神々しい生気を帯びている。 ベラスケスにとり、モデルとなった道化師たちは例外なく魂を持っており、神の目の元に平等であるからこそ、ベラスケスにとって等しく尊敬に値していたと。 児童書とあるが13歳を越えたあたりでないと理解できないのではと思う・・それだけ人の魂に訴えかける様な叙述が為されており、余りの面白さで、2時間ほどで読み切った。 美術本紹介と言えばあの女性が有名だけど、こういった現地・セヴィリアの方が書いた「スペインの国情・歴史宗教観などを肌で感じて育ってきた」作品はかなり異なったニュアンス。 「群像をこうした大画面に描ききること・・・それには並外れた才能が必要とされる」と述べたのは、ケネス・クラーク 作品を読みながら、かの名画を何度も何度もながめ返して眺め余情に浸った。 作者の手腕は「アートサスペンスファンタジー」とでもいうのだろうか・・・ベラスケス亡きあとに描き加えられた騎士団の赤い勲章‥そこから敷衍されて広がるベラスケスの想い、それを受けとめたと設定されるニコラス、そのキャラ設定とバックで支えたマスティフ犬・マレバリボラとバレハ等・・対する闇の人物(絵画でもそう描かれたネルバルの描きに引き込まれた。

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2019/12/24

ニコラスはスペインの宮廷でベラスケスと出会い、その絵の中に描き入れてもらうことになる。ベラスケスの名画「侍女たち」の中にある謎に迫る物語。ニコラスはその才覚で出世していくが、ある事件をきっかけにベラスケスから遠ざけられてしまう。 ベラスケスの名画に秘められた謎をめぐるミステリー...

ニコラスはスペインの宮廷でベラスケスと出会い、その絵の中に描き入れてもらうことになる。ベラスケスの名画「侍女たち」の中にある謎に迫る物語。ニコラスはその才覚で出世していくが、ある事件をきっかけにベラスケスから遠ざけられてしまう。 ベラスケスの名画に秘められた謎をめぐるミステリー。 あっという間に読めてしまいました。面白かった!

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2018/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

語り部はニコラス・ベルトゥサト。「ラス・メニーナス」の右下に描かれている小人ね。子供の時にイタリアの実家からフェリペ4世のスペインへ売られて来たらしい。子ども目線って設定だから仕方ないのかもしれないけど、今一つ、ベラスケスもフェリペ4世も、どういう人だったかが描写されてなくて隔靴掻痒。 サンティアゴ騎士団 の十字架は中々装飾性が高い。

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2018/02/18

この本が無くても「ラス・メニーナス」が名画であることに変わりはないけど、こういう本を読むことで、描かれた時代の雰囲気や描かれた人々についてより興味が湧く。ベラスケスがモデルの身分や外見をきちんと描きながら、その人物の人となりが時に容赦なく伝わってくるのは、ベラスケスが人を中身で判...

この本が無くても「ラス・メニーナス」が名画であることに変わりはないけど、こういう本を読むことで、描かれた時代の雰囲気や描かれた人々についてより興味が湧く。ベラスケスがモデルの身分や外見をきちんと描きながら、その人物の人となりが時に容赦なく伝わってくるのは、ベラスケスが人を中身で判断する人間だったからだ、というキャラクター設定には説得力がある。 道化として雇われながら、鋭い観察力と洞察力で地位を確保したマリバルボラやデ・アセドも魅力的に描かれている。 マリバルボラの後ろに立つ男が誰か、というところがこの物語の仕掛けになっている。 物語としては短いのがちょっと残念な気もする。でも、大人はもっと時代や人間関係を濃厚に書いてほしいと思ってしまうけど子供に読ませるにはちょうどいい長さかも。大人が読んでも面白いけどね。

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2017/06/22

17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスの大作「ラス・メニーナス(侍女たち)」にまつわる二つの謎に着想を得た子供向けミステリアスファンタジー。 主人公は「ラス・メニーナス」の右端に描かれている犬(マスティフ犬)に足をかけている少年。彼はニコラスという小人症の少年でその障碍故に父に売ら...

17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスの大作「ラス・メニーナス(侍女たち)」にまつわる二つの謎に着想を得た子供向けミステリアスファンタジー。 主人公は「ラス・メニーナス」の右端に描かれている犬(マスティフ犬)に足をかけている少年。彼はニコラスという小人症の少年でその障碍故に父に売られイタリアから連れてこられた。紆余曲折を経て、宮廷画家ベラスケスの工房に出入りするようになったニコラスは、画家が取り組んでいる絵(のちに「ラス・メニーナス」と呼ばれるようになる)の秘密を知ることになる・・・。 「ラス・メニーナス」に描かれている人物についてはほぼ確定されているが、一人だけ顔がはっきりわからない男がいることと、画家本人の胸に印された赤い十字章は後に書き加えられたことがわかっているが、誰が描いたのか不明であるという二つの謎を、ファンタスティックな解釈で解き明かした歴史ファンタジーといえる。宮廷で暮らす人々の様子が、ニコラス視点で生き生きと描かれ、まるで17世紀のスペイン宮廷に入り込んだように感じられて楽しい。 この二つの謎は作家の創作意欲をかき立てるものらしく、以前に呼んだ「赤い十字章」では、本書にも登場する、奴隷出身のベラスケスの助手フアン・パレハの視点で、またちがった十字章の謎解きに迫っている。 大人ならすぐ読めるし、小学生でも中学年以上で読めるのではないか。「ラス・メニーナス」の前に立ってみたくなった。

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2016/03/04

このテーマは答えが歴史的に分かってしまっているから、児童書にしかならなかったのだろうか? 少々複雑にしたら結構いい小説になるだろう。

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2014/07/06

実在した人物を織り交ぜつつ、独自の視点から絵の謎を解き明かした本。これが真実とは限りませんし、真実など誰にも最早わかりませんが、「こういうことがありそうだ」と思わせるところがすごいのだと思います。 個人的にはお話として主人公の生涯を最後まで追ってほしかったですが、まぁ、いたしかた...

実在した人物を織り交ぜつつ、独自の視点から絵の謎を解き明かした本。これが真実とは限りませんし、真実など誰にも最早わかりませんが、「こういうことがありそうだ」と思わせるところがすごいのだと思います。 個人的にはお話として主人公の生涯を最後まで追ってほしかったですが、まぁ、いたしかたないのかな、と思ったり。別人物からの視点ももうちょっと入れてほしかったなぁと。

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2013/04/18

以前に知り合いに勧められた本だったので読んでみました。 ストーリーもおもしろかったし、物語の時代背景も興味深かったです。でも謎解きは、私にはぼんやりと分かったような分からなかったような。。

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2012/08/25

ベラスケスの左胸の赤の十字は、サンティアゴ騎士団の紋章です。 スペインで最も歴史があり、厳格な審査で知られるサンティアゴ騎士団の団員にベラスケスがなったのは、≪ラス・メニーナス≫完成の3年後といわれています。 果たして誰が、赤い十字を≪ラス・メニーナス≫に描きこんだのか。 史...

ベラスケスの左胸の赤の十字は、サンティアゴ騎士団の紋章です。 スペインで最も歴史があり、厳格な審査で知られるサンティアゴ騎士団の団員にベラスケスがなったのは、≪ラス・メニーナス≫完成の3年後といわれています。 果たして誰が、赤い十字を≪ラス・メニーナス≫に描きこんだのか。 史実に虚構を織り交ぜ、心温まるミステリー仕立ての小説。

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