ブルックナー の商品レビュー
作曲家ブルックナーの生涯と作品。 ブルックナーと言えば、例えば30も年下の美少女に求婚しては断られたの、ドナウ河畔の小石を数え始めたのと、ブルックナーという人そのものが超越しちゃってたんじゃないのか、というエピソードに事欠かない。いったいどういう人物なの?と常々思っていたので、...
作曲家ブルックナーの生涯と作品。 ブルックナーと言えば、例えば30も年下の美少女に求婚しては断られたの、ドナウ河畔の小石を数え始めたのと、ブルックナーという人そのものが超越しちゃってたんじゃないのか、というエピソードに事欠かない。いったいどういう人物なの?と常々思っていたので、またまた伝記を読んでみた。 結論からいうと、その手のエピソードはあまり書かれていない。 「敵陣営の旗頭」であるブラームスとの会見の模様や(「燻製肉」が2人の理解し合える点であった)、交響曲第7番のスケルツォでトランペットから始まるテーマが、近所の雄鶏の鳴き声から着想された(この章が完成した時に声の主に挨拶しようとしたら、すでに女主人のフライパンの上だった、という)など、わずかながらくだけたエピソードもあるが(…その手の話の方がオレは好きなんだけど)、基本的には書簡や公的な資料を中心にしつつ、○年にどうした、○年になにがあったという具合に逐年的に書かれているために、読んで味わい深いという本ではなかった。(残念)
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宗教への敬虔さ、社会的地位への無邪気な執着。 ブルックナーの愛すべき人間性だ。 そして、大蛇のようだと評された交響曲。 これとて溢れ出る楽想ゆえのことなのだろう。 『ブルックナーの大きな作品(略)は、天才的な着想を、興味深く美しいともいえる個所を、ここに、あそこにと 含んでいる。...
宗教への敬虔さ、社会的地位への無邪気な執着。 ブルックナーの愛すべき人間性だ。 そして、大蛇のようだと評された交響曲。 これとて溢れ出る楽想ゆえのことなのだろう。 『ブルックナーの大きな作品(略)は、天才的な着想を、興味深く美しいともいえる個所を、ここに、あそこにと 含んでいる。だが、これらの閃光の間に横たわっているのは、果てしない暗闇と、鉛のような退屈、そして熱に浮かされたような過度な刺激なのである』(政敵?ハンスリックの評)。 それでも、生れ出される音楽は印象的なのだ。
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