ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ の商品レビュー
世界史で訳が分からなくなり始める時代のことなので、その辺りの記憶がないと全く話が見えない。逆にわずかでも単語を覚えていると(クリミア戦争とかファショダ事件とか)、楽しめる。 後書きを読むと、ハイレベルな同好の士が集って語り合うなかから生まれた著作らしい。まるでインクリングズのよう...
世界史で訳が分からなくなり始める時代のことなので、その辺りの記憶がないと全く話が見えない。逆にわずかでも単語を覚えていると(クリミア戦争とかファショダ事件とか)、楽しめる。 後書きを読むと、ハイレベルな同好の士が集って語り合うなかから生まれた著作らしい。まるでインクリングズのよう。楽しんで筆を進めた気配が感じられる(でも価格が高い。それから横書き。まあ、資料など英文が多いから便利だったのかもしれないけど、読みにくい)。 で、内容は「ほお」と感心することがいっぱい。 例えば英国の19世紀の陸軍はスイスよりも兵力が少なかったとか、そのために大陸に干渉できずにとった政策が光栄ある孤立だったとか(ただの引きこもり?!)。ほかにも植民地の拡大が英国の足かせになった経過とか、英国の威信を支えていたはずの海軍が実は教条主義、官僚的になってガチガチだったのだ、とか。 そして永遠のライバルフランスとの関係。どちらにとっても1805年のトラファルガーって大きかったんだなあ。
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海軍のことを書きたかったから書いたというような半ば趣味のようなもので、決して学術的とは言えないし、イギリスの最新の研究を全く取り入れていないという致命的な書物である。
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