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宮沢賢治全集(8) の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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「注文の多い料理店」…

「注文の多い料理店」は、人間も自然の一部に過ぎないのだと感じさせる。

文庫OFF

2023/11/01

グズコーブドリの日記 ◎「自分の命を他の誰かのために捧げる若者の物語。「献身」とか「自己犠牲」という言葉で表される行動や心のありようが描かれている。 ー2011年3月11日、東日本大震災が起きた。東京電力福島第一原発の事故で、放射性物質が広がった。原発の近くはとても危険だった。...

グズコーブドリの日記 ◎「自分の命を他の誰かのために捧げる若者の物語。「献身」とか「自己犠牲」という言葉で表される行動や心のありようが描かれている。 ー2011年3月11日、東日本大震災が起きた。東京電力福島第一原発の事故で、放射性物質が広がった。原発の近くはとても危険だった。 でも、被害を食い止めようと、そこにとどまった人たちがいた。空から、周りから、原発を冷やす水をかけ続けた人もいた。ブドリのような人たちだ。私たちはそうした行いを尊いと思い、その心を美しいと感じる。もし、大切な人があなたのために、またはみんなのために命を落としたら、あなたはどう受け止めるだろうか。そして、あなたはブドリになれるだろうか。」 (『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 の紹介より)

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2021/05/23

注文の多い料理店9編、生前発表短編童話、初期短編、短編等梗概(梗概といっても、小説みたい)、手紙(これも小説みたい)、劇、異稿、そして天沢退二郎の本文説明(異稿の有無や発表時期・媒体等)と内容解説。 お話は70編ぐらいあるかな。 やはりオツベルと象のラスト「おや、■、川へはひつ...

注文の多い料理店9編、生前発表短編童話、初期短編、短編等梗概(梗概といっても、小説みたい)、手紙(これも小説みたい)、劇、異稿、そして天沢退二郎の本文説明(異稿の有無や発表時期・媒体等)と内容解説。 お話は70編ぐらいあるかな。 やはりオツベルと象のラスト「おや、■、川へはひつちやいけないつたら。」の意味が謎。 「注文の多い料理店」菊池武雄による九編の扉と挿画が湿度のある怪しい雰囲気満点。

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2020/07/23

鹿踊りのはじまり   宮沢賢治の童話の中で、大すきな作品のひとつ。                そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、夕日は赤くななめに苔の野原に注ぎ、すすきはみんな白い火のようにゆれて光りました。……始めの一行めから、美しさに、ぞくぞくする。

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2016/01/09

鹿踊りのはじまり。 歌の構造が良い。太陽とはんの木の垂直軸から、すすきの原の水平軸へ広がり、太陽の照らさない影の領域へ広がり、さらに「すすきの底」の目の届かない世界に踏み入り、小さなうめばちそうを「愛どしおえどし」と愛でる。自然讃歌、全的な愛。「鹿踊りの、ほんとうの精神」に相応し...

鹿踊りのはじまり。 歌の構造が良い。太陽とはんの木の垂直軸から、すすきの原の水平軸へ広がり、太陽の照らさない影の領域へ広がり、さらに「すすきの底」の目の届かない世界に踏み入り、小さなうめばちそうを「愛どしおえどし」と愛でる。自然讃歌、全的な愛。「鹿踊りの、ほんとうの精神」に相応しい(笑) しかし「鹿踊り」の精神ならば、鹿の歌だけでなく、動きも意味を持たなくてはならない。おっかなびっくり、コミカルな動き、人間の残していった手拭という未知なるものへの働きかけ。それを克服したときに先の凱歌がある。冒険スピリット。これが「鹿踊りの、ほんとうの精神」だったのか!(笑) しかし目撃者嘉十の効果を考えるとそれだけではないように思う。嘉十は突然「鹿のことばがきこえ」るようになる。「嘉十はもうあんまりよく鹿を見ましたので、じぶんまでが鹿のような気がして、いまにもとに出さうとしましたが、じぶんの大きな手がすぐ眼にはひりましたので、やつぱりだめだとおもひながらまた息をこらしました」。だがとうとう飛び出してしまうと、鹿は驚いて逃げ出し、嘉十は苦笑いで手拭いを拾う。ここには、自然を愛し、同一化を望むが、それに挫折する人間が描かれている。動物のことばがわかるのはファンタジーの中だけだ。身体言語としての鹿踊りに切実な願いが込められているのだろうか。 同一化の不可能性。だからこそ、衝撃なしに「ざあざあ吹いてゐた風が、だんだん人のことばにきこえ」るような超人的な語り手を導入して、嘉十の話を包み込んだのではないか。

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2015/05/09

参考にしてはいけない作家ランキング第1位は、なんと言っても宮沢賢治だ。(というか、参考にしようと思っても普通はできない・・・・・・) 『注文の多い料理店』のような「日本ばなれした童話っぽさ」は、モチーフや言葉づかいだけでなく、書く部分と書かない部分の取捨選択によっても、ずいぶんク...

参考にしてはいけない作家ランキング第1位は、なんと言っても宮沢賢治だ。(というか、参考にしようと思っても普通はできない・・・・・・) 『注文の多い料理店』のような「日本ばなれした童話っぽさ」は、モチーフや言葉づかいだけでなく、書く部分と書かない部分の取捨選択によっても、ずいぶんクオリティが変わってしまう。ただ、どういう基準で書いているのか、読んだだけでは分からない。 『オツベルと象』の「グララアガア」が素晴らしいのは言うまでもなく、最後の1文を書ける神経などは、書き手として嫉妬してしまう。まるで2人目の人間がつけ足したかのようで、作品との距離をどう取っていたのか、まるで理解できない。 分析しようとすればするほど、泥沼にはまっていきそうなので、とりあえずいまは保留しておく。

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2012/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本には、注文の多い料理店、オツベルと象、グスコーブドリの伝記、 など宮沢賢治の代表的な作品が納められています。 そして、短編など賢治が好きな人なら喜ぶような作品が納められています。 注文の多い料理店やオツベルと象は、教科書にも載っているので、 グスコーブドリの伝記についてコメントすると、 今年の7月にアニメになったものとは全然ちがいますねぇ グスコーブドリはイーハトーブの森に暮らすきこりの息子として生まれた。 冷害による飢饉で両親を失い、妹と生き別れ、火山噴火の影響による 職場の閉鎖などといった苦難を経験する。 しかし最後はブドリが、火山を爆発させると冷害は食い止められて イーハトーブは飢饉から救われたのだった。

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2010/05/31

グスコーブドリの伝記。終盤を、賢治はいつか書き直しただろうか。姪がもう少し大きくなったら、贈りたいと思っている作品です。

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2009/12/09

書店で手に取って、ぜひ序文を読んでほしい。ありきたりでない、本当に宮沢賢治の魅力にあふれた序文だ。私はこの本を開くたびにまず、この序文を読まずにいられない。

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2009/10/12

■オツベルと象■ 細ういきれいな声で、しくしくしくしく泣き出した。 「おう、でかけよう。グララアガア、グララアガア。」みんながいちどに呼応する。

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