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こころの情報学 の商品レビュー

3.4

21件のお客様レビュー

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2022/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

       -2009.02.24 情報なるもの-その意味解釈や処理加工は、生物の身体内に蓄積されてきた情報系に基づいて実行され、結果として情報系自体も変化する。こういった累積効果こそが<情報>の基本的な性格なのだ。

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2022/03/20

『情報伝達の神話』という朝日新聞のコラムを書かれた西垣通氏の著書ということで購入。 情報学の専門家が、一見すると無関係と思われる心の問題について掘り下げている点が興味深い。「情報から心をみる」「機械の心」といった章立てに惹かれたが、実際に読んでみるとやや難解で、思っていたような内...

『情報伝達の神話』という朝日新聞のコラムを書かれた西垣通氏の著書ということで購入。 情報学の専門家が、一見すると無関係と思われる心の問題について掘り下げている点が興味深い。「情報から心をみる」「機械の心」といった章立てに惹かれたが、実際に読んでみるとやや難解で、思っていたような内容とは違っていた。ただ、筆者の言わんとする「情報が心を、心が情報をつくる」という部分は最後のあたりで伝わってきた。

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2018/10/11

新書だったが、ちょうどいま気にしているイシュー、例えば人工知能や生命についての哲学事項、が整理されていて、意図せずとても参考になった。 デカルトの二元論の否定から始まり、生命システムの定義や、「言葉」の心的システムに対する意味や、社会体制に対する意味など、大いに参考になった。 ...

新書だったが、ちょうどいま気にしているイシュー、例えば人工知能や生命についての哲学事項、が整理されていて、意図せずとても参考になった。 デカルトの二元論の否定から始まり、生命システムの定義や、「言葉」の心的システムに対する意味や、社会体制に対する意味など、大いに参考になった。 特にアフォーダンスとオートポイエーシスの理論の補完的結合は自分としては新しい知見だった。 また、「中心と周縁/詩人と異化」の論についてはよくかみ砕きたい。 未来に対する考察としては次の2点をよく考えたい。 1)言語性について、王の身体性(声)から新聞のような言葉への変化が社会の変化とリンクしていたとして(情報の独立性が増したとして)、技術の時代にはどうなるだろう 2)経済の時代には権力の源泉が「論理性」であったとして次の時代には何になる?  →情緒性が復活する?(エコーチャンバーでは復活しつつある)  →つまり言語に変わるコミュニケーション手段が現れたとき、言語が持つ形式性はその権力を失う

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2016/12/18

今更ながら、AIが熱くなているので積読からチョイス。人間は日々進化していくので、AIが使われればもっと進化するかもしれない。AIが追い抜いていくほうが早いかもしれない。

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2015/11/15

バーチャルリアリティ(仮想現実)を使ったゲームが多くなっています。今年の夏、ハイジャックを起こした犯人はゲームで飛行機の操縦の練習をしていて、本物も触りたくなったと言っているとか。現実と非現実の区別がなくなる若者がふえ、そのための犯罪がふえていることも事実でしょう。この10年の間...

バーチャルリアリティ(仮想現実)を使ったゲームが多くなっています。今年の夏、ハイジャックを起こした犯人はゲームで飛行機の操縦の練習をしていて、本物も触りたくなったと言っているとか。現実と非現実の区別がなくなる若者がふえ、そのための犯罪がふえていることも事実でしょう。この10年の間にコンピュータを取り巻く状況は一変しました。特にインターネットは21世紀、誰も無視することはできなくなると思われます。こういう時代だからこそ、人間のこころについてじっくり考え直す必要があります。本書では情報というキーワードをもとにこころを考えていきます。理系・文系のへだてなく話は進みます。オートポイエシスやアフォーダンスなど最先端の話題にも話はおよびます。しかし難解になりすぎることもなく、こころについてこれからどのようなことを考えていけばよいのかの非常に良きガイドになると思います。たとえば本書に紹介されている本の著者を数名日本人だけ書き出してみると、脳研究の津田一郎、社会学の大澤真幸、心理学の佐々木正人、経済学の岩井克人などがいます。これらの研究者の発言は今後気にとめていかないといけないでしょう。(僕はこういう名前を聞くだけでかっこいいと思ってしまうんだけどなあ。いつかみんなの中でもそう思ってくれる人が出てくるかなあ。)人間とは本来、外部の環境から与えられる(アフォード)ものの中から意味を見出し、学習し成長していきます。しかし、パソコンやテレビを通して脈絡のない情報が押し寄せるために、若者たちが混乱し、うまく自己が形成されないのも当然と言えるでしょう。現在、我々を取り巻く機械情報の量はヒトの処理できる量をとっくにこえています。こんな中で生きていくにはどうすればよいのか、本書をじっくり読みながら考えたいものです。

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2017/12/17

人間の「こころ」とは何か。情報は心にどう関連してくるのかを書いた基礎情報学の入門書。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou22401.html

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2014/11/03

情報にまつわるさまざまな問題を包括的に扱う情報学という学問の立場から、人間の心について論じた本です。 本書では、人間を単なる情報処理機械と考える立場が退けられ、みずから情報を創生するオートポイエーシス・システムとして捉えるべきだとされています。ただしそれは、歴史的に形成される自...

情報にまつわるさまざまな問題を包括的に扱う情報学という学問の立場から、人間の心について論じた本です。 本書では、人間を単なる情報処理機械と考える立場が退けられ、みずから情報を創生するオートポイエーシス・システムとして捉えるべきだとされています。ただしそれは、歴史的に形成される自己循環的な閉鎖系であり、それゆえ人間の心を理解するためには、生物の進化史をたどる必要があるとされます。こうして、動物の心から検討を始めて、人間の意識がどのようにして形成されたのかという、大きな問題についての見取り図が描かれることになります。 さらに著者は、人間の心をアフォーダンス理論を手がかりにして考察しています。ただし、アフォーダンス理論では、情報は環境世界にあらかじめ実在すると考えられているため、情報は自己循環的な閉鎖系の中にあるとするオートポイエーシス理論と衝突します。そこで著者は、環境世界の中で行動することによって意味作用が生まれるという仕方でアフォーダンスを理解し、オートポイエーシス理論と補完的な関係にあることを示そうとします。 とはいえ、人間の心は他の生物と大きく異なっています。著者は、人間は言葉によって構築された文化的環境の中に身を置いていると考えることで、アフォーダンスの想定する「リアリティ」の内実を拡張し、人間の心の特異性を説明しようとします。 新書のサイズで扱うにはかなり大きな問題が扱われていて、理解が追いつかないところもあったのですが、刺激的な本でした。

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2013/11/17

第4章がおもしろい。共同体の書き方が、すごくシンプル。終盤、若者の心の問題になったのは、戸惑ったけど。

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2018/10/14

130420中央図書館 同著者の中公新書「集合知とは何か」の参考文献として読了。 情報工学・通信工学というICTの紹介ではない。我々が日々浴びている「情報」の意味について人文科学の沃野を含む広大な論点を提示し、考察している。 一言でいえば、生命そのものが情報であり、一個体が備え...

130420中央図書館 同著者の中公新書「集合知とは何か」の参考文献として読了。 情報工学・通信工学というICTの紹介ではない。我々が日々浴びている「情報」の意味について人文科学の沃野を含む広大な論点を提示し、考察している。 一言でいえば、生命そのものが情報であり、一個体が備え、日々インプット・アウトプットする情報は、その進化の歴史、個体としての経験と過去情報の相互作用に基づく積分によって処理、知覚される、というところ。 目次を眺めるだけでも、ワクワクする。 第1章 情報から心をみる 情報学からの展望/心は情報処理機械か/情報のパラドックス/情報の工学的定義/情報の社会学的定義/パターンと情報と生命/生命から情報を定義する/社会情報のプロセスとしての心/機械情報の本質 第2章 機械の心 機械が言葉をしゃべるとは/人工知能の挑戦/自然言語理解プログラム「SHRDLU」/正確な思考/心は記号操作系/フレーム問題が解けない/ウィノグラードの自己批判/生物とオートポイエーシス/オートポイエーシス・システムとしての心/人工知能の夢は消えたのか 第3章 動物の心 生命の誕生と歴史/心的システムの進化/動物に意識はあるのか/道具を作り、協力する/ミツバチのコミュニケーション/鳥は概念を理解し言葉をしゃべる/「カンジ」君は天才ザルか/サルのコミュニケーション 第4章 ヒトの心 言語が生まれる/原型言語/ゴシップと神話/言葉を権威づける/情報が特定するアフォーダンス/アフォーダンスとオートポイエーシス/アフォーダンス理論の射程/文字が官僚制をつくる/印刷メディアが近代をつくる/究極のモダニズム 第5章 サイバーな心 もとめられる身体性/イメージ商品としての機械情報/ゆらぐアフォーダンス/何が空虚感を埋めるのか/意味作用をずらす/インターネット多言語主義/翻訳支援により世界語創出へ/情報が心を、心が情報をつくる

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2012/10/07

(2003.02.08読了)(1999.06.19購入) (「BOOK」データベースより) 地球上に生命が誕生した三十数億年前に、情報も同時に誕生した。情報とは生命の意味作用であり、ヒト特有の言語もその発展形にほかならない。すなわち、ヒトの“心”とは“情報”が織りなすダイナミック...

(2003.02.08読了)(1999.06.19購入) (「BOOK」データベースより) 地球上に生命が誕生した三十数億年前に、情報も同時に誕生した。情報とは生命の意味作用であり、ヒト特有の言語もその発展形にほかならない。すなわち、ヒトの“心”とは“情報”が織りなすダイナミックなプロセスなのである!それでは、動物の心を根底にもちながら、一方で機械(コンピュータ)で心をつくろうという野望を抱く、現代人の心とはいったい何か?オートポイエーシス、動物行動学、アフォーダンス、人工知能といった理系の知と、現象学、言語学、社会学などの文系の知を横断しながら、まったく新しい心の見方を提示する、冒険の書。 ☆西垣通さんの本(既読) 「麗人伝説」西垣通著、リブロポート、1994.02.25 「マルチメディア」西垣通著、岩波新書、1994.06.20 「聖なるヴァーチャル・リアリティ」西垣通著、岩波書店、1995.12.05 「インターネットの5年後を読む」西垣通著、カッパ・ブックス、1996.04.25 「インターネット社会の正しい読み方」牧野昇・西垣通著、PHP研究所、1996.11.07 「デジタル・ナルシス」西垣通著、岩波・同時代、1997.01.14 「メディアの森」西垣通著、朝日新聞社、1998.10.30 「IT革命」西垣通著、岩波新書、2001.05.18

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