少年A 矯正2500日全記録 の商品レビュー
ふとすると普通に再生の物語として読めてしまい、その度に被害者の事を考えて我に返りながら読んだ。応援したくすらなった。ただこれが出版されて10年経って彼が手記を出版したりウェブサイトを立ち上げたりしているのを見ると、なんだか少し虚しくなるし、この10年彼に起きたことの凄まじさすら想...
ふとすると普通に再生の物語として読めてしまい、その度に被害者の事を考えて我に返りながら読んだ。応援したくすらなった。ただこれが出版されて10年経って彼が手記を出版したりウェブサイトを立ち上げたりしているのを見ると、なんだか少し虚しくなるし、この10年彼に起きたことの凄まじさすら想像してしまう。それにしても、ジャーナリズムってのは今から仮にも更生しようとしている人の姿をこうまで赤裸々に世に送ってしまっていいものか?前述の彼の行動もこれら全ての報道(全てが悪とは言わない)に一因を感じてしまう。つまるところ、壮大な祭りとして扱われたって事なのかな。
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読み物としても、充分に読み応えのある一冊。楽観的というか、著者の希望的観測のようなものを感じなくはないが、理にかなっているというか、筋が通っていて分かりやすい(その分かりやすさがモヤモヤする原因であるが)。 矯正に携わった方々のことを、被害者やその遺族のことを思うと胸が締め付けら...
読み物としても、充分に読み応えのある一冊。楽観的というか、著者の希望的観測のようなものを感じなくはないが、理にかなっているというか、筋が通っていて分かりやすい(その分かりやすさがモヤモヤする原因であるが)。 矯正に携わった方々のことを、被害者やその遺族のことを思うと胸が締め付けられる思いがする。
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少年Aの「矯正」の経過がメインであるが、事件の詳細や生育歴も書かれてあり、理解しやすい。筆者が最後に少年Aには自らの口から真相を語ってほしいと書いているが、実際に「絶歌」という本人の手記が出版された。絶歌を読むにあたって合わせてこの本にも目を通しておくべきだろう。少年Aは寛解した...
少年Aの「矯正」の経過がメインであるが、事件の詳細や生育歴も書かれてあり、理解しやすい。筆者が最後に少年Aには自らの口から真相を語ってほしいと書いているが、実際に「絶歌」という本人の手記が出版された。絶歌を読むにあたって合わせてこの本にも目を通しておくべきだろう。少年Aは寛解したとのこと。支援者の熱意を感じる。それとともに、解説で有田芳生が少年Aは生育半年から母親に体罰を加えられていたと語っている事実には驚いた。第二の少年Aが出てこないためにはどうしたら良いのだろうか。
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鑑別所を出て医療少年院に入院、精神診断や鑑定、処遇の長期計画・赤ん坊包み込み作戦、母に愛されなかった生い立ち、贖罪、退院後のサポート下の生活。 事後ケアにかけられた、関係者の努力、エネルギー。今後の社会のために、活かせますように。
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少年の人格形成の経緯の説明は、恐らく書いてあるとおりなんだろう。 擬似家族による生き直しのプロジェクトなど、読み応えのある矯正記録だった。
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本書を読む限り矯正は効果があったようで評価したく、今後も見守りたい。だが依然としてこのような事件を防ぐ策は難しいし、誰もが彼のような特別な矯正を受ける訳ではない。悩み続けよう。
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あの少年Aが医療少年院を経てどう更生しますかお立会い。 そういうセンセーショナルな内容であるし、アタシも俗物なので、そのへんに惹かれて読むわけです。そも、医療少年院での「矯正」とはなにをするのか。 で、有り体に申せば、「諸処の事情で普通の人間と違って精神的に育たなかっ...
あの少年Aが医療少年院を経てどう更生しますかお立会い。 そういうセンセーショナルな内容であるし、アタシも俗物なので、そのへんに惹かれて読むわけです。そも、医療少年院での「矯正」とはなにをするのか。 で、有り体に申せば、「諸処の事情で普通の人間と違って精神的に育たなかった部分があるから、もう一回その部分だけ育てなおそう」となる。こうやってみるとやっていることは「正しく矯める」のではなくて、発育不良の部分を暖かく伸ばしてやろう、みたいな。 で、事件から2,500日、少年Aは手に職をつけて仮出所となります。世間に出してしまって、こやつ大丈夫なのか。本文を読む限り大丈夫そうではあります。 が、しかし、ただしかし。最終章がすごかった。 被害者の、殺された3人の家族は、まだ何も片付いてないのです。 日本の精神医療すげー! の反面、喪失から先の歴史はひとつもないのだ。 おそらく書き手も、自分の取り扱っているもののセンセーショナルさと危険性をよくわかっていらしたと思います。それゆえの配慮の行き届いた、緻密な仕事、でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友人と凶悪犯罪を犯した犯罪の背景について議論したことがきっかけで手に取った本。神戸の酒鬼薔薇事件を犯した少年Aの、事件を犯してから少年院に入り、保護観察を終えるまでの矯正の記録が描かれている。 本書を読むまで、私は少年Aの犯した神戸での事件について、事件の表面的な部分しか知らなかった。凶悪犯罪の背景に、親と子の関係性(本書では、少年Aが母親からの愛情を十分に受け取ることができなかったこと)があったことを考えると、少年凶悪犯罪が単に人ごととは思えず、子の育ち方次第で誰にでも起こりうることなのだと思う。そういう意味で、犯罪の背景を掘り下げて理解することは、自分にとっても社会にとっても、同様の事件を起こさせないために重要なことと考える。 このような犯罪を犯した子どもに矯正の機会を与えるかどうかについては、被害者の心情を考えると、否定的な意見もあると思う。確かに自分が被害者の関係者であれば、肯定的に考えることはできないだろう。ただ、第3者として館がる際、加害者の矯正をするということは、加害者のためでもなく、社会のためでもあると考える。なぜなら、矯正のプロセスから、犯罪の背景を掘り下げて理解することもでき、それが今後の犯罪の根源を発つことにつながると考えるからだ。本書は、どんなに凶悪な犯罪を犯した子どもでも、矯正が可能である(完ぺきに矯正されるかまでは、誰にもわからないが)ということを伝えているし、また、それを可能にするには、社会の許容が重要であることも伝えている。
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神戸で起きた連続殺人事件。当時少年法の運営について賛否があったことをよく覚えている。 非日常を知るにはとても良い機会だった。 酒鬼薔薇聖斗の誕生から少年Aという人間への回帰には周囲の環境がいかに大きいか、周囲の人間の並々ならぬ努力が感じられた1冊。
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少年Aを通して脳に関する本をいくつか読みました。今まで知らなかったことが、この本を通して見えてきた感じがします。
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