銀行告発 の商品レビュー

江上剛【著】

2020/01/18

江上さんの経験に基づいて、銀行内部の社内闘争や裏組織との癒着などの不祥事、責任の押し付けあい、決断できないトップ、そしてついに逮捕者まで出てしまう事態…と、銀行の不祥事やそれが暴かれるまでが鮮明に描かれた作品。
そんな腐った組織の中で奮闘する若手、中堅社員こそ、これからの銀行を、そして日本の未来を作っていくのだ、という強い意思が感じられた。

2013/06/14

元銀行員の作者が書くだけあって文化の違う銀行同士の覇権争いはうまく書かれているが、内容が薄い気がする。フロント企業相手の債権回収の難しさや、絵画購入の裏金作りなどもう少しほり下げてもよいと思うが。この本を読んで「ハゲタカ」を思い出したよ。銀行が作り出した負債をファンドが買いあさり利益を出していく。負債から利益を生み出す事をファンドが出来て銀行が出来ないなんてなぜだろう。もう一度「ハゲタカ」読んでみるか。

2012/08/16

江上剛さん自身が経験されたエピソードを高杉良でなく自分で書きたかったんだろうなぁという一冊。最終的にクーデター的な流れに行くわけだけども、少しストーリー展開や描写の所でいろいろやりすぎてしまってまとまりきらない感じが出てしまっているかなぁ。たぶん筆者の個人的な思いが前に出てしまって収まりがつかなくなったのではないかと。

2011/06/22

江上剛氏は元銀行員。私も元銀行員。
銀行にいた人間にとっては、納得できる部分もあり
小説向けに脚色されているなと感じる部分もある。
でも読みやすくて1日で読了。

特に氏はご自身が第一勧銀時代に広報で活躍され
その後銀行立て直しに尽力されているので、トップとの
対決はくどくなく、それでいて描写が迫ってくるのは
実体験のなせるワザ。

金融腐蝕列島もそうだが、銀行内部を知っている人間と
そうでない人間とでは面白さが10倍以上違う気がする。
中でも本店・本部にいた人間からすると面白さは100倍以上か！？

2011/07/09

どっかできいたような銀行内の不正告発もの。ちとできすぎ感はあるが、内部の調査や企業犯罪と警察の関係、など現実とオーバーラップするような描写は、銀行のなかをかいまみたようで面白い。
勧善懲悪の単純なストーリーだが、結構あっという間によみおわったぜ。

2009/10/04

金融腐食列島のモデルとなった元みずほ（元第一勧銀）の江上剛氏の作品

小説なんだけどベースのネタはほとんど事実なんだろうな〜と思って読みました。

不正融資による実質的な利益供与、株主優待航空券の換金による組織的な裏金作り、それらの役職員へのキックバック、、、
昔の人はいろいろやっています。

今の銀行界はどうなんだろ、ビジネスローンなんかは詐欺ネタも多いし、計画倒産＆キックバックとかやっちゃう人もいるかもね。

さて、さすがにほぼ実体験をベースにした小説なのでガサいれのくだりとかの臨場感はタップリ。
テンポよく読めます。

但し、あまり必要とされなさそうなエロ描写がところどころにあるのはもともと雑誌連載ゆえのご愛嬌か。
仕事中倉庫でＳＥＸはしないよ。

50億円の不良債権を「小粒」と思ってしまった自分の感覚のズレにもガッカリ。