プラネタリウムのふたご の商品レビュー
ついに読んだか、いしいしんじ。本屋でどうにも気になって仕方がない作家というのを見つける時がたまにある。装丁だったりタイトルだったり、とにかく何かが引っかかるもののその場で購入するまでには至らず、しかしその後も本屋に行くたびに気になり続ける作家。僕にとってそれがいしいしんじだった。...
ついに読んだか、いしいしんじ。本屋でどうにも気になって仕方がない作家というのを見つける時がたまにある。装丁だったりタイトルだったり、とにかく何かが引っかかるもののその場で購入するまでには至らず、しかしその後も本屋に行くたびに気になり続ける作家。僕にとってそれがいしいしんじだった。そして、いしいしんじ初体験の本書。大人の童話であるね。ちゃんとした物語だと感じながらの読書は、心地のいいものでした。悲しみや勇気や冒険や前世紀の恐怖感と生活などなど、いろいろ思うところのある小説です。いや童話かな。次はトリツカレ男を狙います。
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片割れが手品師たちと一緒に行っちゃったあたりから怖い話になるんだと勝手に思ってた。けどそんなことはなく。温かい話。
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よかったぁ!素晴らしかったです!読み終わるのが本当名残惜しかった。分厚いのに足りないくらい。六本目の指はみんな、みんなと繋がってるんだ。
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こんなにやさしくてこんなにかなしい。 いしいしんじの描く物語はいつもそうだ。ただあたたかいだけの気持ちにはさせてくれない。あたたかいのは、切ないからだ。どうしようもなく深くて暗くて重いからだ。それはそのまま同じ質量で正反対のものを生む。胸の中に充満する。 なにかが生まれるというこ...
こんなにやさしくてこんなにかなしい。 いしいしんじの描く物語はいつもそうだ。ただあたたかいだけの気持ちにはさせてくれない。あたたかいのは、切ないからだ。どうしようもなく深くて暗くて重いからだ。それはそのまま同じ質量で正反対のものを生む。胸の中に充満する。 なにかが生まれるということは、きっとそういうことなんだろう。 最後の三行がこの物語のすべてだった。 つないだ指と指の間で、ふたりの魔法はやっと静かに完結する。
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三方を製紙工場に囲まれ、残る一方は一時期の猟解禁期のみ立ち入ることを許される森に囲まれた村。 村には常に靄がかかり、工場から出る煙も加わり星が全く見えない。 そんな村では、プラネタリウムに多くの人が集まる。 そのプラネタリウムにある日、双子の赤ん坊が取り残される。 プラ...
三方を製紙工場に囲まれ、残る一方は一時期の猟解禁期のみ立ち入ることを許される森に囲まれた村。 村には常に靄がかかり、工場から出る煙も加わり星が全く見えない。 そんな村では、プラネタリウムに多くの人が集まる。 そのプラネタリウムにある日、双子の赤ん坊が取り残される。 プラネタリウムを管理し、星の語り部でもある「泣き男」に育てられることになった双子は彗星の名をとって「テンペル」「タットル」と名づけられる。 成長した双子の一人は手品師に、もう一人は村の郵便配達夫となり、それぞれの生活を送る・・・ 童話のような文体と、不思議で魅力的な登場人物。 ドコの国なのか、いつの時代なのか、 はっきりとはしないけれど、 日本に近い環境と、現代に近い時代で、 現実の人々が忘れてしまっているような大切なことに気付かせてくれるような小説でした。 読み終えて、 手紙って、手品って、プラネタリウムって、 良いなぁ。。。と感じましたが、いまいち身近にありません。 ですが、夜空は夜になれば見れます。 その夜空をより楽しむことが出来るようになった気がします。
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今まで以上に魅力ある人々があざやかに描かれてます。 だまされやすい私は幸せ者なのだと、再発見するために、何度でも読みたい作品。 それにしても、ひととのつながりのあたたかさが染み込むようにわかることがいしい作品の特徴…。やっぱり泣きました!
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いしいしんじって独特だよね〜 ほんと独特なんだー。 偶然と必然、幸せと不幸せ。 ぜんぶ隣り合わせで、同時におこりうるのが人生。、、 しみじみ
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ひとりは星の語り手に、ひとりは手品師に。プラネタリウムに生まれ育った銀髪のふたごの、悲しく残酷であたたかい物語。 いつでも一緒だったふたりは、遠く離れていても近くに感じていた。それが、山と星と霧、そして人と喝采と海。違う環境に身を置いたふたごの運命は大きくねじれて交わらなかった。...
ひとりは星の語り手に、ひとりは手品師に。プラネタリウムに生まれ育った銀髪のふたごの、悲しく残酷であたたかい物語。 いつでも一緒だったふたりは、遠く離れていても近くに感じていた。それが、山と星と霧、そして人と喝采と海。違う環境に身を置いたふたごの運命は大きくねじれて交わらなかった。最後はただ、涙を流すしかなかった。
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いいでしょ、このタイトル。「プラネタリウムのふたご」。なにか起こりそうだよね。また帯が良かった。 「ひとりは手品師に ひとりは星の語り部に」 「JOJOの奇妙な冒険」の冒頭を思い出すね。 牢獄から二人の囚人が外を見た。一人は星を見た。一人は地の泥を見た 「プラネタリウムの...
いいでしょ、このタイトル。「プラネタリウムのふたご」。なにか起こりそうだよね。また帯が良かった。 「ひとりは手品師に ひとりは星の語り部に」 「JOJOの奇妙な冒険」の冒頭を思い出すね。 牢獄から二人の囚人が外を見た。一人は星を見た。一人は地の泥を見た 「プラネタリウムのふたご」、最初はどうも冗長でうーむ、と思っていたんだけど一人が手品師になってから、それともう一人が盲目の老女と会いだしてから、どんどん話が面白くなって一気に読んでしまった。J・アーヴィングのテイストがあるね。殺人事件も起きないし大恋愛もしないけどこういうのが「総合小説」っていうんじゃないのかね。 プラネタリウムで語られる星座の神話。たぶんいろんなことの暗示。 関係ないけど小説で手品のシーンを描写する、というのはいいよね。どんな手品でも出来ちゃうし。
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