かなり、うまく、生きた 人と心 の商品レビュー
一つひとつは的をいていると思うし、そうだよな、と思うことも多いけど、短編のエッセイ集だからか深みがあまりなく、心に響くというほどのものではなかった。 こういう考え方もあるよなぁ、と参考に読み進めるにはちょうどいい一冊だった。
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[ 内容 ] <1> ときに病み、悩み、つまずき、迷いながらも、生きることについて読者と共に考え、語り続けてきた著者による、人生の名エッセイを新たに精選。 弱虫、意気地なしにも、きっと生きる力、信じる力がわいてくる。 待望の遠藤周作エッセイ選集の第一巻。 <2> 作家は生涯「人間を見るための旅」を愛した。 ときに悲哀を秘めた歴史の地に身を寄せ、ときに生きる意味を求めて異国の地を訪ね、ときに気ままに小さな裏路をぶらぶら歩く。 遠藤文学の作品背景となる土地・場所を巡る旅から、狐狸庵節が楽しいユーモラスで遊び心に富む旅まで、妙味あふれる紀行・随想を集成。 遠藤周作エッセイ選集の第二巻。 <3> 遠藤周作は「作家・遠藤周作」だけではない。 狐狸庵山人と称して珍妙な滑稽話を語り、文壇ではイタズラ小僧となって笑いを招き、一個人ではダンス・演劇・コーラス・碁・英会話・釣り・競馬・お茶に挑戦する「自楽」の達人である。 仲間・家族・読者から珍客・動物にいたるまで、面白くも心温まる出会いと交遊と話の数々。 遠藤周作エッセイ選集第三巻。 [ 目次 ] <1> 1 人生のことを語りたい(何一つ無駄ではなかった;人生のことを語りたい;窓からの情景 ほか) 2 共に生きたということ(恋を失ったとき;安定は情熱を殺し、不安は情熱を高める;秘密は秘密として活かしたい ほか) 3 自分がいつ、どこで死ぬか(死について;合わない洋服;私とキリスト教 ほか) <2> 1 そこに住んだ人の人生(歴史の旅;信長のこと;天下を変えたマヌケ男 ほか) 2 異郷にある自分(仏蘭西にいく船に乗って;旅人と猿と;ペナン島の異邦人 ほか) 3 ぶらぶらと小さな裏路を歩いて(はやってない仙台の狐狸庵;秋風に焼くラブ・レター;知らない町を歩いてみたら ほか) <3> 1 狐狸庵いたく感動感銘(悪戯のすすめ;あわて者実録;思いちがい ほか) 2 小説家たちとの交際(飲みはじめた頃…;道玄坂の酒と食べ物;四畳半のスラバヤ殿下 ほか) 3 自楽を持ちたい(私と唄;江戸の漢詩;自ら楽しむ ほか) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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遠藤周作の生き方が垣間見えた。 生きていたら真っ先に会いに行きたい、それくらい面白くて、優しい人です。
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とりとめのない、何気ない話ばかりに見えて、深い。何だろう、身近なことをこんなに深く考えたことないから、目から鱗だったり納得!だったり、色んな感情がごっちゃまぜになってやってきました。辛いことや悲しいことも含め、人生を楽しんでいる遠藤周作がすごく素敵だ。
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とりとめもないエッセーだなと思いながらも、遠藤のものだからという理由で読み進めていた。しかし読んでいくうちに盲が啓けるような部分がたくさんあり、結局関心感動してしまった。彼の人間としての力はさすがだと思う。 10/8/30
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出会い、別れ、結婚、死、などなど、誰でも通らざるを得ない不可思議だったり悲しい出来事を、ユーモアを交えながらもその本質をするどくついてくる文章に舌を巻いた。 そして、何だか、ふっと心が軽くなった。 私も自分の死を現実的に考える年齢になった時、「かなり、うまく、生きた。」と言いたい...
出会い、別れ、結婚、死、などなど、誰でも通らざるを得ない不可思議だったり悲しい出来事を、ユーモアを交えながらもその本質をするどくついてくる文章に舌を巻いた。 そして、何だか、ふっと心が軽くなった。 私も自分の死を現実的に考える年齢になった時、「かなり、うまく、生きた。」と言いたい。 こんなおじいちゃんがいたら、とことん語り合いたいなぁ。
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ボクは近頃頻繁に起きる若者たちの奇怪な事件についてなんだか本書からヒントを得たような気がする。ただそれがすべてではない。にしてもだ。「挫折は生きる意味を与える」という章からである。”挫折を考える時、頭に叩き込んでおくといい。挫折した時、道は二つしかないということを。一つは敗れた自...
ボクは近頃頻繁に起きる若者たちの奇怪な事件についてなんだか本書からヒントを得たような気がする。ただそれがすべてではない。にしてもだ。「挫折は生きる意味を与える」という章からである。”挫折を考える時、頭に叩き込んでおくといい。挫折した時、道は二つしかないということを。一つは敗れた自分を率直に認めもう一度、立ち直ろうとする道。もう一つは敗れた自分を正当化しようとする自己弁解の道。そのどちらが良くてどちらが悪いなどと簡単に決められはしない。自己弁解の道は辛く険しい。登るたびに弱虫である自分にどうしても出会う。だがそうでもしないと他人や社会や文学や人生を見つめられずアト味の悪い挫折となってしまうというわけだ。挫折というものを長い目でみるのも悪くない。ただそれに耐え切れず正当化する半ばで事件は起きている。挫折というのは本当に素晴らしいものだということを伝えていかなければならないと。ボクは何度も何度も挫折してもうこれ以上折る場所もなくなった。2種類の挫折×何セットだろうか。筋トレのような挫折だった。だが人間っていうのは不思議なものでちゃんと再生する。折れた骨は元どおりになる。例え元どおりにならなくとも他の部分がちゃんと強くなっている。それを自然に支えようと心が頑丈になる。ナイフを忍ばせた少年へ。自殺をしようとしている少女へ。乗り越えられる力が君にあるからこそそれは君だけにやって来た。そんな力がない人には絶対やって来ない。絶対という言葉をボクはこの時だけ心を込めて使う。思わずテンションが上がってしまった。ジジイの戯言だと思ってくれていい。そんなジジイでもない君らとそんな変わりはせんぞ。弱虫だしな。 とか。
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遠藤周作のエッセイを読むのは初めてであった。 笑うところ、うなずくところ、考えさせられるところ、いろいろとあった。 読みやすくてよい。 また他のエッセイも読んでみたい。 キリスト教や死についての部分のエッセイが特に好き。
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選集だったので、以前読んだ本と重複している内容もあった。 タイトルだけ見ると一見世の中をうまく生きる方法のように受け止められそうだが、そんな軽薄なもの?ではない。 周作氏が自らの人生を振り返り、人生を十二分に楽しむための心意気が書かれている。笑いあり、涙ありの至福のエッセイ。
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