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わたしの知らない母 の商品レビュー

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2012/01/21
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認知症をわずらい、戦争中の記憶を溢れ出させるハンナ。症状はかなり進んでおり、娘・ミランダのこともよく分からなくなっています。一方で頻繁に思い出すのは、ホロコーストで喪った両親と幼い妹のこと、亡くなった夫のことでした。強い自責の念とともに断片的に現れる記憶は、ハンナを苦しめると同時に、ミランダをも苦しめています。 ハンナは、自分の半生のことを、ミランダにほとんど語ったことがありませんでした。ミランダはそんな母の意を汲んで、父の死についてすら追求したことはなかったのですが…。 交錯するハンナの記憶の断片から、ミランダは少しずつ、ハンナという人物を再構築していきます。 ハンナ、ミランダ、そして孫娘ふたり。三世代の女性が織りなす、家族という「他者」の心の秘密に迫る物語です。

Posted byブクログ