ウォーターシップ・ダウンのウサギたち(下) の商品レビュー
英語圏で知らん人はいないほど有名なのも納得の傑作。日本でテレビアニメまで放映されているのに、これほどマイナーなのは勿体無い。後半の展開もウサギの習性を大きく逸脱しておらず、生態学的な興味も引かれるものとなっている。冒険譚としても、最後の戦いのシーンまでページをめくる手が止まらない...
英語圏で知らん人はいないほど有名なのも納得の傑作。日本でテレビアニメまで放映されているのに、これほどマイナーなのは勿体無い。後半の展開もウサギの習性を大きく逸脱しておらず、生態学的な興味も引かれるものとなっている。冒険譚としても、最後の戦いのシーンまでページをめくる手が止まらないほど楽しめた。外伝的な短編集もあるのに、本作がマイナーな故か日本語訳がないのは残念である。
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戦いから六週間後、ビグウィグが出てきたところでほっとして泣いた。やった、生きてたよこの人。しかもしっかり教育係がさまになってるよ。うおおん。 下巻は、上巻よりも格段に速く読んでしまった。ヘタなホラーの悪役よりよほど迫力のあるウンドワート将軍の圧倒的な恐怖に慄きながら、だれが殺され...
戦いから六週間後、ビグウィグが出てきたところでほっとして泣いた。やった、生きてたよこの人。しかもしっかり教育係がさまになってるよ。うおおん。 下巻は、上巻よりも格段に速く読んでしまった。ヘタなホラーの悪役よりよほど迫力のあるウンドワート将軍の圧倒的な恐怖に慄きながら、だれが殺されるのかとはらはらし通し。追われる恐怖って、やっぱり動物の感じられる恐怖でも根源的なものの一つだと思うのよ。読んでてヘイズルやビグウィグたちとともに野原を全力疾走した気分で、久々に手に汗握るという感覚を味わった。 そしてハッピーエンド。とてもよかった。
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P43~P45 『しかし、最高幹部がだれだったかぐらい知っているだろう?』と、ラブスカトルがいった。 『連中と戦友なんてまっぴらだね』と若い牡はいった。『へーえ、あの白いひげのおいぼれたちのことか?ぼくたちが、彼らの何を知らなくちゃいけないんだい?』 『彼らの成し遂げたことを、だ』と、ラブスカトルがいった。 『あの戦争さわぎかい、じいさん?』と、はじめに口をきいた牡がいった。『ありゃ、もうすっかり終わっちまったよ。ぼくらとは何の関係もないね』 ・・・ 『腹を立てているのかね、エル-アライラー?』と、フリス様がたずねた。 『いいえ』と、エル-アライラーはこたえた。『腹など立ててはおりません。しかし、愛する者たちにあわれを感じるのは、彼らが苦しんでいるときだけではないことを学びました。先達の贈りものによってぶじに生きている現在をわきまえないウサギというものは、自分ではそう思っていなくても、ナメクジよりあわれなものです』 ●祖父母の時代に戦争で人と人とが殺しあう世界で生きてきたこと、両親の時代に日々汗水垂らして働いて経済と科学の発展に貢献してきたこと。祖先の人々が懸命に生きたことによって、今、平和で豊かな暮らしがおくれていることを考えさせられた。 ●生活の中で老人を敬い、感謝する機会が少なくなっていることを感じる。老人の身体能力は機敏さを失い、思考能力も衰えていることを不快に感じることすらある。そのことを恥ずかしく思った。 読了日:2011/03/02
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読んでいると本当のウサギ達がこんな物語を持っているのでは?と思わせた。今後野生のウサギ達を見た時に「あっシルフレイしているな」とこの本を思い出すかもしれない。物語の合間に語られるウサギ神話もウサギ達の生活スペックに基づいた死生観をよくシュミレートしていて、そんな迷信をウサギは信じ...
読んでいると本当のウサギ達がこんな物語を持っているのでは?と思わせた。今後野生のウサギ達を見た時に「あっシルフレイしているな」とこの本を思い出すかもしれない。物語の合間に語られるウサギ神話もウサギ達の生活スペックに基づいた死生観をよくシュミレートしていて、そんな迷信をウサギは信じているのか、、、と軽く考えるのもつかのま。人間も人間の生活スペックに基づいた死生観を抱いて自分を慰めていた事を思い出させた。ウサギを上から見てるつもりで、更なる視点から見下ろされているような読了感を得た。
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大変面白かった。 児童書だが、これは子供より大人が読んだ方が面白く、また学ぶことも多いかもしれない。 友人ファイバーの破滅の予知を信じたヘイズルに率いられ、新天地を求め旅立ち、やがて安住の地を得て持ち上がる問題にもひるまず立ち向かって行くうさぎ達の、なんと生き生きしたこと! 困難にぶつかり、頭を抱えることがあっても、仲間を、自身の心を信じ、生き抜いていく彼らの姿は本当にすがすがしく雄雄しい。 結果的に敵となるうさぎ達も勿論いるが、彼らをただの「悪役」として留めておらず、生きていくための方法として「そういうあり方をとった」ということが解るスタンスは実に良かったと思う。 最も手ごわい敵となるうさぎの1匹は、最後にはその猛々しさを持って、うさぎ達の守護者として伝説になった。 作者はこの物語を、「人を楽しませるため」だけに書いたそうで、そこになんの暗示も寓意も隠喩も含ませたつもりはないそうだ。 だから、この物語を読んで某かの暗示めいたものを感じたのなら、それは個々人が自身への戒めや教訓として、自主的に見出したものだということになる。 私は、腕っ節がことさら強いわけでもずば抜けて賢かったわけでも特別に素早かったわけでも不思議な力を持っていたわけでもないヘイズルが、群のうさぎ達の信頼を一心に浴びる優れた長となりえたのはなぜなのかと疑問に思う。 そしてヘイズルが、誰よりも諦めないうさぎであったことを思うのである。 旅の途中、疲れきり怪我をした小さなピプキンの命を、絶対に諦めようとしなかったのはヘイズルだ。 その諦めない態度が、賢いブラックベリに事態打破の妙案を思い浮かばせる時間を与えた。 要所要所でヘイズルは様々な決断を迫られるが、決して逃げてはいけない問題において、彼が諦めを示したことは無い。 諦めたくなるような土壇場でこそ、ヘイズルは諦めを嫌い、覚悟を決め誰より雄雄しく、危険に自ら飛び込む勇気を示すことの出来るうさぎだった。 この絶対に諦めない心は、うさぎ達の伝説の王エル・アライラーが持っていたそれと良く似ていた。 エル・アライラーは自身の一族であるうさぎ達のために、どのような困難にぶち当たっても絶対に諦めず、知恵をこらし、勇気を持って困難を打破した伝説を持つ。 うさぎ達が「フリス様」と呼ぶ絶対神もが認めたその不屈の精神が、うさぎ達を救い続け、発展を促してきたのだ。 ヘイズルはその諦めない心に更に加え、「自分は特別に優れたうさぎではない」という謙虚さを持っていたから、他者を侮ったり蔑んだりせずどんな意見でもきちんと聞き、他の動物まで救う寛容さを持ち合わせていた。 だからこそ“千の敵を持つ王”エル・アライラーをして「君の村には千の敵すら好意を寄せる」と言わしめたのだろうと思うのだ。 村の長としてヘイズル・ラーと呼ばれたその不屈のうさぎが、臨終の際にエル・アライラーの訪問を受けたのは当然ことだった。 そしてエル・アライラーが、自身に仕える幹部としてヘイズルを迎えたいと思ったのも、当然のことだったのだと思う。 エル・アライラーがそうであったように、ヘイズル・ラーも諦めを踏み越えて、様々な可能性を拓き、うさぎ達に素晴らしい恩恵を与えたのだから。 ヘイズルが越えてきた冒険や危機は、いつかうさぎ達の伝説となるのだろう。 その片鱗はもう物語の中に見えている。 語られる伝説は、ヘイズル・ラーではなくエル・アライラーの伝説として語り継がれるかもしれないが、それはヘイズルがエル・アライラーに匹敵する程の優れた指導者であったことの証明でもある。 ヘイズルに権力欲はなく、平穏と仲間をただ愛していたから、名前がすげ替わっても気になどしまい。 むしろ、大袈裟に語られ過ぎだと謙虚に笑うかもしれない。 人の世界に、ヘイズル程の優れた指導者はそうはいまいと、そんなことを思う。 そして指導者の在り方を考えさせられた時点で、これはただの児童書を越えた「大人の童話」だと私は感じた。 指導者とならずとも、諦めを踏み越えなければ成長が無いことを率直に示す物語に、学ぶことは少なくないのではないだろうか。 ヘイズル達が命をかけて困難に挑み手に入れた、ウォーターシップ・ダウンの美しいうさぎ村。 人がいまだ持たざる、ひとつの理想郷の姿かもしれない。
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下巻はハラハラドキドキの一大スペクタクルですよ。 軍国主義ばりばりなうさぎ村の追っ手から、無事めすたちを連れて逃げられるのか? ラストはどうなるの? 手に汗握って、一気に読んでしまいました。 結果は・・・ 最後の一ページまで、楽しく読ませていただきましたー。 上巻が...
下巻はハラハラドキドキの一大スペクタクルですよ。 軍国主義ばりばりなうさぎ村の追っ手から、無事めすたちを連れて逃げられるのか? ラストはどうなるの? 手に汗握って、一気に読んでしまいました。 結果は・・・ 最後の一ページまで、楽しく読ませていただきましたー。 上巻が「サクラソウはおわっていた。」で始まり、下巻が「森では、最初のサクラソウが花をひらきはじめていた」で終わるとこなんか対になってていいですね。 時折シェイクスピアをもじったセリフなんかも飛び出して、さすがイギリスのうさぎ、といったところでしょうか。 うさぎたちの間で語り継がれる、伝説のうさぎエル・アライアーの物語が随所にはさまれるのも効果を発し、読者を飽きさせないままに最後まで読ませていきます。 なんとなく手に取った一冊だったのですが、なかなかの掘り出しものでした。 こういう本は大事にしたいですね。
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かっこいい、かっこいいウサギ達の物語。 敵役さえもかっこいい。 かっこいいってのは、こういう事だ。
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住居が出来、村が出来、次なる問題はお嫁さん、になったうさぎ達。 大きな村から平和的に連れて帰るのは無理になってしまったので もうメス自体を説得させて連れて帰ってくるしかない…。 下巻はその計画を如何に実行し、どう追跡を振り切るか。 そんな内容になっています。 メスを連れて帰って...
住居が出来、村が出来、次なる問題はお嫁さん、になったうさぎ達。 大きな村から平和的に連れて帰るのは無理になってしまったので もうメス自体を説得させて連れて帰ってくるしかない…。 下巻はその計画を如何に実行し、どう追跡を振り切るか。 そんな内容になっています。 メスを連れて帰ってくるだけなのに、なぜこれほどまでに 苦労しなければならないのか…。 昔の日本もこんな感じだったな〜と思いつつ読んでました。 うさぎによる攻防戦も面白かったですが これほどまでに色々策略を練るうさぎもすごいですね〜w
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恐ろしいウーンドウォード将軍の率いるエフラファからも数羽の雌うさぎを脱走させることに成功し、これが引き金となってエフラファとの戦いが始まる。
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旅から戦局へヘイズルたちの幕営で甲冑を付けて軍議を行っている姿を思い浮かべる 追記 昭和55年当時の表紙の方が好きです。
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