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カリスマ講師9人の大学合格勉強法 の商品レビュー

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2018/09/11

 英語、国語(現代文と古文と小論文)、数学、社会(日本史、世界史)、理科(化学、生物)のそれぞれ9人の予備校の先生たちが、勉強の方向性を示すという本。「絵琉子」と「江留太」という極めて謎の高校生との対談形式で書かれている。各先生ごとに最後に1ページで重要なポイントがまとめられてい...

 英語、国語(現代文と古文と小論文)、数学、社会(日本史、世界史)、理科(化学、生物)のそれぞれ9人の予備校の先生たちが、勉強の方向性を示すという本。「絵琉子」と「江留太」という極めて謎の高校生との対談形式で書かれている。各先生ごとに最後に1ページで重要なポイントがまとめられているので、そこだけ読めばたぶん一瞬で読み終わってしまうこともできる本。  本当にざっくりした方向性を示す、というのがこの本がしてくれることであって、あとはここに書かれている問題集なり参考書を(半分以上がその先生の著書だったりするという)買いなさい、という感じ。例えば英語だったら竹岡先生の話だが、丸暗記ばかりしない、音を大事に、語源を調べて、イメージも使って、英語に興味を持ちましょう、という話。あくまで方向性を示してくれる、というそれだけなので、これを読んだだけで満足する訳には全くいかない。英語以外の科目のことはよく分からないが、ただ外れたことは書かれていないと思う。例えば数学の先生の「『分かる』っていうことは、実はとても大変なことで、すぐに解ける問題ばかり並べていては、本当に『分かる』ことはできない。だから『分かる』と書いてある本ほど、実は分からせようとしていないという、皮肉にも見える状況になっている。そのような安直な本に飛びつかずに、遠回りのようでも、読むのが難しくても本当に力がつく本で勉強するほうが、実は近道なんだ。」(pp.78-9)というのは、勉強する人なら常に考えておくべきことなんじゃないかと思う。  あとは複数の先生が「最近の高校生の学力低下」を指摘しているのが面白い。この本が出てから10年以上経っているが、今の状況について、この先生たちはどう言うのだろうか。  気になった点は、謎の高校生2人がいずれも文系だということで、基本的に文系目線で書かれているところに違和感を感じる。そもそもなぜ生物よりセンター受験者が多い物理がないのか、理系ではメジャーな地理がないのか、疑問。あとは生物の先生なんかは、選択科目の話をするなら生物そのものの話もだけれど現実的にはどんな学部で生物が選択できるかといった話も重要だと思うけど、一切その辺は触れられていないというのも、なんとなく違和感を覚える。この先生、「二〇〇五年から『教育課程』というカリキュラムが新しくなったことは知ってるよね。」(p.145)って、学習指導要領のことを言っているのか、と思うと、そんな基本的な教育行政の用語を適当に使ってしまうなんて、と別に揚げ足を取る訳ではないけど、なんか過敏に反応してしまう自分がいた。  高1とか高2の始めにモチベーションが上がりそうな人の背中を押す本としてはいいかもしれない。(18/09/10)

Posted byブクログ